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第7回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
「地上での比較実験が可能なビデオクリップ教材の開発」
東京学芸大学教育学研究科修士1年
長谷川 拓海
2010年になって約一カ月が過ぎようとしていたとき、この無重力実験への準備を協力することになりました。基本的なアイディアや実験内容に関してはほぼ決まっていたが、装置の詳細については、全く決まっていない状況。IF検討会まで、約1ヶ月、実験日までは約1ヶ月半という中でのスタートでした。
メンバーと話し合い、ざっと実験のアウトラインを決めたら、100円ショップや、東急ハンズへ。必要だと思われるものを買ったら、研究室に戻って、思考錯誤。行き詰ったら、また100円ショップや東急ハンズへ買い出しに…の繰り返しでした。僕ら、教員養成系の学生にとって、100円ショップや東急ハンズは宝の山。他の学部、学科の学生から見たら「こんなもので実験するの?」と笑われてしまうかもしれないけれど、僕らが一番力を発揮できるのはむしろこれ。将来、学校の先生を志す僕らならではのアイディアの詰まった実験装置ができたのではないかと思います。
IF検討会で見つかった課題を見直し、あれもやろう、これもやろうと出てきた実験を盛り込んで、名古屋に向かいました。残念ながら、天気が良くない日が続き、フライト1日目は、実験実施自体も危ぶまれましたが、学芸大学No.1の三半規管の持ち主が見事に実験を成功させてくれました。翌日のフライトに向け、準備していると、2日目に乗る予定だった彼は体が大きく、搭乗者を撮影するカメラに写りきらないことが判明!搭乗者が僕に変更になりました。搭乗することを予想していなかったため、徐々に緊張しながら翌日を迎えることになりました。
フライト2日目は、打って変って冬晴れの天気になり、青空が広がっていました。にこにこ笑顔で帰ってきた彼女のように帰ってこれたらいいなと思いつつ、酔い止めを飲んで飛行機へ。30分くらいで実験空域に到着すると、いよいよ実験開始。6種類の実験をこなさないと、地上には帰れない!自分を奮い立たせました。
人生で初めての2Gの感覚。重い!腕が上がらない!と驚いたのもつかの間、振り子をスタート。今度はμGになると、体がふわっと浮かび上がり、振り子もゆっくりと一回転。時間の流れがゆっくりになるような不思議な感覚になりました。20秒間の微小重力が終わると、再び2Gになり、ぐっと椅子に押さえつけられます。この一連の流れを繰り返していると、だんだんと気分が悪くなってきて、「気持ち悪い…頭がぼーっとする…」「うーん…ちょっと無理かも…」と徐々に実験を続けるのが辛くなってきました。気持ちが折れそうになったとき、目の前のラックの壁に貼られたたくさんのポストイットを見ることで気を取り直しました。
6種類の実験をやり終えて地上にもどると、早速映像を確認。ほぼ目的の映像が取れていることがわかると、安心することができ、ゆっくりお弁当を食べました。
この日の夜には、お世話になった方々や他のチームとの打ち上げがありました。「乾杯」にも、国ごとにいろいろな掛け声やスタイルがあることを知り、楽しい時間をすごしました。本当に充実した4日間でした。
東京に戻ってからも、タイチームのメンバーとは、メールのやり取りをしています。海外の友人に英語でメールを送るのはこれまでにしたことがありませんでした。これも、4日間で得られた貴重な経験であると思います。長く彼らとは友人でいたいと思っています。
航空機による微小重力実験という大変貴重な機会を与えてくださり、本実験を進めるにあたりお世話になりました(独)宇宙航空研究開発機構、(財)日本宇宙フォーラム、(株)ダイアモンドエアサービス、その他航空機実験に携わった関係者の皆様方には深く感謝申し上げます。
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