STS-116 NASAステータスレポート#22
最終更新日：2006年12月21日
2006年12月20日(水) 午前7時30分（米国中部標準時間）
2006年12月20日(水) 午後10時30分（日本時間）
スペースシャトル「ディスカバリー号」のクルーは、スペースシャトルのロボットアーム（SRMS）に長さ50フィート（約15m）のセンサ付き検査用延長ブーム（Orbiter Boom Sensor System: OBSS）を取り付けて、機体の耐熱シールドの最終検査を行う予定です。
検査が完了した後、ディスカバリー号は、2機の小型の科学衛星を放出する予定です。3機目の小型衛星は、12月21日に放出される予定です。
ディスカバリー号のコマンダーであるマーク・ポランスキーとパイロットのウィリアム・オーフェリン、ミッションスペシャリスト（搭乗運用技術者：MS）のニコラス・パトリックが、SRMSとOBSSを用いて、ディスカバリー号の底部の耐熱タイルの検査を行う予定です。また、翼前縁部とノーズ部を保護している強化炭素複合材（Reinforced Carbon-Carbon: RCC）パネルの検査も行う予定です。
耐熱シールドの検査は、米国中部標準時間12月20日午前9時52分（日本時間12月21日午前0時52分）、OBSSを収納場所から取り出す作業から始まります。OBSSによる耐熱シールドの検査は12月20日午前10時52分（同12月21日午前1時52分）から開始され、約5時間かけて実施される予定です。OBSSは12月20日午後4時22分（同12月21日午前7時52分）に、ディスカバリー号のペイロードベイ（貨物室）の右舷側に位置する収納場所に格納されます。
検査が行われている間、他のクルーは着陸に備えて機器を収納する予定です。MSのロバート・カービーム、クリスター・フューゲルサング、ジョアン・ヒギンボサム、そしてトーマス・ライターは、ディスカバリー号の船内と、ペイロードベイに搭載されているスペースハブ・モジュール内で荷造りを開始する予定です。
12月20日午後6時19分（同12月21日午前9時19分）頃、MEPSI（MEMS-Based PICOSAT Inspector）衛星が、ディスカバリー号のペイロードベイから放出される予定です。コーヒーカップ大のMEPSI衛星は、非常に小さく低電力な衛星を使って、より大きな宇宙船の外観検査に使用する技術を実証する予定です。今回の実験では小型カメラシステムとジャイロスコープの機能試験が行われる予定です。
12月20日午後7時56分（同12月21日午前10時56分）頃には、RAFT（Radar Fence Transponder）衛星がペイロードベイから放出される予定です。RAFT衛星は米国海軍兵学校の学生による、超小型衛星を利用して宇宙監視用（U.S. Navy Space Surveillance）レーダ網を試験する実験です。
ディスカバリー号で行われるすべての活動は、着陸に向けた作業となっています。着陸は12月22日午後1時53分（同12月23日午前4時53分）の軌道離脱噴射から開始され、ディスカバリー号はフロリダ州NASAケネディ宇宙センター（KSC）に12月22日午後2時56分（同12月23日午前5時56分）に帰還する予定です。ミッション・コントロールでは、フロリダの天候状態の監視を続けており、12月22日は、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地と、ニューメキシコ州ホワイトサンズ宇宙基地へのスペースシャトルの着陸機会も検討されています。
フューゲルサングとライターは、欧州宇宙機関（ESA）の宇宙飛行士です。フューゲルサングはスウェーデン人で、ディスカバリー号が国際宇宙ステーション（ISS）滞在中に行われた4回の船外活動のうち、3回の船外活動を担当しました。カービームは、4回すべての船外活動を行い、1回のスペースシャトル・ミッション中にひとりの宇宙飛行士が行った船外活動回数の記録を打ち立てました。ドイツ人のライターは、ISSでの6ヶ月の滞在を終え、ディスカバリー号に搭乗して地上に帰還します。
ディスカバリー号のクルーは12月20日午前6時47分（同12月20日午後9時47分）に、クリストファー・クロスの”Say You’ll Be Mine”という曲で起床しました。この曲はライターのためにかけられたものです。
ISSでは、第14次長期滞在クルーのコマンダーであるマイケル・ロペズ－アレグリア、フライトエンジニアのミハイル・チューリンとサニータ・ウィリアムズが、ディスカバリー号との約8日間の共同ミッションを終えて、軽い作業のみの1日を始めようとしています。12月20日午前6時30分（同12月20日午後9時30分）現在、ISSはディスカバリー号の約730マイル（約1,175m）後方を飛行しています。この間隔は、地球を91分で１周するごとに80マイル（約129m）以上ずつ開いていきます。
次回のSTS-116ステータスレポートは12月20日午後（同12月21日昼間）、または新規イベントがあれば発行する予定です。
出典：http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/shuttlemissions/sts116/news/STS-116-22.html
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。
