太陽光に含まれている紫外線(しがいせん) |
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宇宙開発の技術を応用して、紫外線(しがいせん)を防ぐことの出来る「紫外線防護服」がアメリカで開発されました。
太陽の下で遊ぶという、誰(だれ)もが当たり前だと思っている事が出来ない子供たちがいます。この子たちは生まれつき色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう)という病気のため、太陽光に含(ふく)まれている紫外線や室内の明るい照明に当たると、皮膚(ひふ)の障害を起こしたり体温調節が出来なかったりするので、いつも暗い部屋(へや)にいなければなりません。しかし、紫外線防護服を着ていれば太陽の下で遊ぶこともできるのです。
この服は、上着、ズボン、手袋(てぶくろ)、ヘッドギア、ゴーグルからできていて、太陽光の紫外線の99.9%を防ぐことができます。この服はそのままでは中が暑くなるので、冷した液体の入ったパックを4個取り付けたチョッキのようなものを着た上に着用します。このパックは冷蔵庫で30分間冷やすと2時間使用できます。
行動を制限されていた多くの子供たちがこの服のおかげで、昼間に外出できるようになるなど、生活が改善されました。紫外線防護服はHEDと呼ばれるアメリカの非営利(利益を目的としない)の団体が配布しています。
世界中で数千人の子供たちがこの病気に苦しんいると推定されています。HEDはNASAのジョンソン宇宙センターと協力して、子供たちにこの防護服を配布してきました。NASAの宇宙飛行士が宇宙や月面で活動するために開発された技術のおかげで、難病に苦しむ子供たちが太陽の下で遊ぶことができるようになったのは、素晴らしいことですね。
※このページは以下のNASAサイトを元に作成しています。
Two Special Girls Use NASA Spacesuit Technology(NASA: 英語)
なお、HEDという団体はその後「Sarah Moody Foundation」という名称に変わったようですが、以降の情報はなく、現在でも「紫外線保護服」の配布を行っているかについては確認できておりません。
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