スピンがかけやすく、コントロールがしやすく、しかも飛距離は変わらない。 |
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形状記憶合金(けいじょうきおくごうきん)が目に見えないところで利用(りよう)されています。
温度により形を変える性質を形状記憶効果といい、そのような性質を持つ合金を形状記憶合金と呼びます。この性質は1950年代に発見されていましたが、その後工夫されて、様々な分野で活用されています。中にはマーシャル宇宙センターで契約(けいやく)した宇宙ステーション用の材料の研究から、家庭や工場などで安全(あんぜん)を守るための製品になったものもあります。
ゴルフクラブ:
スピン(ボールの回転)がかけやすく、コントロールのしやすいゴルフクラブです。このクラブは形状記憶合金が中に埋(う)め込(こ)んであり、スピンがかけやすく、コントロールがし易くなる一方、飛ぶ距離(きょり)が短かくなることはないそうです。
ヘリコプターの回転翼(かいてんよく):
振動(しんどう)の少ないヘリコプターの回転翼です。回転翼に取り付けたひもの張り具合を調節することにより、それぞれの回転翼の性能を高めることができます。ひもの張り具合を調節するのに形状記憶合金が使われています。
医療機器(いりょうきぐ)への応用:
カテーテルのガイドワイヤ、歯科矯正(きょうせい)ワイヤなど。
人体に医療器具を挿入(そうにゅう)する時に操作し易くするためのワイヤ、歯並びをそろえるために歯に取り付けるワイヤなどに応用されています。
バルブなど:
シャワーなどに熱いお湯が流れようとすると、お湯の流れを少なくしてやけどをしないようにする製品、触(さわ)るだけで自分の好きな温度のお湯を流したり止めたりすることができる器具、燃えやすい、あるいは有毒な液体やガスを取り扱うプロセスコントロール・ラインを緊急(きんきゅう)時に停止させる工業用安全バルブなどが開発されています。
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