STS-121 NASAステータスレポート#01
最終更新日:2006年7月5日
2006年7月4日(火)午後2時00分(米国中部夏時間)
2006年7月5日(水)午前4時00分(日本時間)
米国230回目の誕生日(独立記念日)の本日午後、スペースシャトル「ディスカバリー号」がフロリダの空へと飛び立ち、スペースシャトルは約1年ぶりに宇宙へと復帰しました。
独立記念日に打ち上げられる初めての有人宇宙船となったディスカバリー号の国際宇宙ステーション(ISS)への補給と修理のための飛行が始まりました。コマンダーのスティーブン・リンゼイ、パイロットのマーク・ケリー、そしてミッション・スペシャリストのマイケル・フォッサム、リサ・ノワック、ステファニー・ウィルソン、ピアース・セラーズ、および欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士であるトーマス・ライターは、米国中部夏時間4日午後1時38分(日本時間5日午前3時38分)に打ち上げられました。完璧なカウントダウンの後の打上げでした。
これからの12日間、ディスカバリー号のクルーは、スペースシャトルの熱防護システム(Thermal Protection System: TPS)を検査・保護するための技術の実証と、2003年5月以来初めてISSを3人体制に戻すこと、そして、将来のISSの組立てに不可欠なハードウェアの交換を行います。クルーはミッション中、2回の船外活動を行うことになっています。消耗品に余裕があれば、マネージャがディスカバリー号の飛行を1日延長し、その1日で3回目の船外活動を行う可能性もあります。
新しい型と改良型の地上カメラ、レーダーと、高高度航空機に搭載した空撮用カメラにより、ディスカバリー号の打上げを記録しました。この画像は、飛行中の検査で収集されるデータと共に、ディスカバリー号の耐熱シールドが良好な状態であることを確かめるために使用されます。飛行中の検査は、スペースシャトルのロボットアーム、センサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Senser System: OBSS)による検査に加え、ISSへのドッキングに向けて接近する途中でスペースシャトルが宙返りしたところをISSから撮影して検査を行います。
打上げから約9分後、メインエンジン停止の直後に、フォッサムとウィルソンが手持ちのビデオカメラとデジタルスチルカメラを使って、分離後の外部燃料タンク(External Tank: ET)を記録撮影しました。この画像や映像、およびETのスペースシャトルとの接続部に設置されたカメラによって撮影された映像が、地上に送信され評価されます。
ディスカバリー号が打ち上げられたとき、ISSはタスマニアの南、南太平洋の220マイル(約354km)上空を飛行中でした。ISS上には第13次長期滞在クルーのコマンダーであるパベル・ビノグラドフとフライトエンジニアでNASAサイエンスオフィサーのジェフリー・ウィリアムズが、ミッションコントロールから送られた映像を見て、ディスカバリー号の打上げを見守りました。ディスカバリー号は、7月6日午前9時51分(同7月6日午後11時51分)に、ISSにドッキングする予定です。
スペースシャトルのクルーは、7月5日にディスカバリー号のロボットアームを試験し、その後このロボットアームを使って、長さ50フィート(約15m)のOBSSを把持します。OBSSには、レーザとテレビカメラが搭載されており、スペースシャトルの翼と耐熱シールドの検査に使用されます。
セラーズとフォッサムは、2回の船外活動で、OBSSがスペースシャトルの耐熱シールドの修理を行う時の足場として使用される場合の能力を試験します。ふたりは、ISS上のモービルトランスポータ(台車:MT)のケーブルの修理もすることになっています。このシステムは、今後ISSの組立てを行うときに、「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)のベースとして使われるものです。もしディスカバリー号のミッションが1日延長された場合、3回目の船外活動が行われ、強化炭素複合材(Reinforced Carbon-Carbon: RCC)の現在開発中の修理技術を試験することになっています。RCCは、スペースシャトルの翼縁部の耐熱シールドとして使われています。
ディスカバリー号のペイロードベイ(貨物室)に搭載された「レオナルド」(多目的補給モジュール1)内のハードウェアや補給物資をはじめ、ディスカバリー号には全体で約12.7トンのハードウェアや補給物資が積載されて、ISSに向かっています。ディスカバリー号のクルーは7月4日午後7時38分(同7月5日午前9時38分)から8時間の睡眠時間に入る予定です。クルーは、7月5日午前3時38分(同7月5日午後5時38分)に起床、軌道上での初めての1日を開始することになっています。
次のSTS-121ステータスレポートは、クルーの起床直後、または新規イベントがあれば発行する予定です。
出典:http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/news/sts121/STS-121-01.html
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。