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第5回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
「微小重力下における濡れ性の違いの定性的観察」
東京大学 教養学部(前期)
金田賢哉
「本当に無重量で水は上がるのか?」いざ実験の準備を始めるときそんな不安がよぎる。無重量では上下がないのであるから水はどちらに流れてもおかしくない。そんなことから、実験の準備は容器にカットを入れ脚立を上り実験器具を落とすという過酷なものになった。重い。一日に10回も落とせば疲れてしまう。しかし、液体は容器を上らないのだ!なんということだろう!冷や汗に変わった。手を変え容器を変え試してみた。やはり、上がらない。こうやって試行錯誤の日々が始まった。
ようやく液体が上がるサンプルが見つかった。水は表面張力が強くそのままでは上がらないことも分かった。JAXAの審査まで一週間を切っていた。ところで、1mmの幅の液流の観測はどうすればいいのか?脚立から落とすなど、無重量が1秒ほどしかもたない。20秒の時間の中でどのようなパラメータが適切なのだろうか。全てに対応すればサンプルの数が莫大になってしまう。まだ問題は山積みだった。サンプルは現場合わせに決まった。
名古屋の現場には1日遅れで入った。状況は思いの外進んでいて、サンプルの作成と最終点検といった様子。翌日には最初のフライトが終わり、実験結果が良好との話を聞き安心した。実験結果に合わせ翌日のサンプル作りを行い夕食は名古屋の駅地下へ。店の女将がレジスタを横目でソロバンをはじくのが面白い。一日どっとつかれた。普段よりも多く6時間も寝てしまった。
二日目、あっという間に日本海上空へ。モニタを持っている手が膝の間にめり込む。そして全ての束縛から解放された。まるで逆さに吊されているかのように体は上へ向かい、自由になった。航空機が落ちているなどという実感は全くなかった。この衝撃はもはや実験どころではない。そして、一気にシートへたたきつけられた。μGと2Gという共に経験したことのない状態を往復するのはキツイ。また、実験準備の手数が多く時間に追われて苦労した。
実験結果も興味深い物が得られ、楽しい経験もさせて貰いました。最後にこのような貴重な機会を与えてくださった、(独)宇宙航空研究開発機構、(財)日本宇宙フォーラムとダイヤモンドエアサービス(株)の皆様に深く感謝します。
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