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教育

航空機による学生無重力実験コンテスト

過去のテーマ紹介 : メニュー第5回の概要 > 日記・体験談

過去のテーマ紹介

第5回 航空機による学生無重力実験コンテスト 

参加した学生からの日記・体験談
チーム名 テーマ名 代表提案者 日記 体験談
Over the hump ハエは重力を感知して飛んでいるのか? 堀 友香
(お茶の水女子大学)
ふらっとひらめ ヒラメの行動と眼球運動 山田 純也
(藤田保健衛生大学)
東京大学無重力ゼミ 微小重力下における濡れ性の違いの定性的観察 芳賀 智亮
(東京大学)
1.
2.
京都大学エネルギー研究科
宇宙資源エネルギー学分野
水電解チーム
テンプレートを用いた遷移金属ナノワイヤー電析における重力場の影響 大野 恵
(京都大学)
Takatech-SFA 水の電気的性質を利用した拡散・収束実験 舩城 央
(高松工業高等専門学校)
1.
2.

※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。




【実験日記】 Takatech-SFA

「水の電気的性質を利用した拡散・収束実験」

高松工業高等専門学校   舩城 央

12月17日

装置の製作が出発ギリギリまでかかってしまったのと、装置は大きくカメラも取り付けていたため、安全をみて自分で持って行った方がよいと考え(壊れたらしゃれにもならないので)、当日に自分で車を運転して名古屋まで行くことになりました。
名古屋のDASさんに10時に到着予定としたため、午前3時の出発となりました。まぁ、なんだかんだと疲れてはいたが、高松から名古屋まで片道470キロを無事?制覇することができたので一安心です。
到着してからは、時間的に余裕だったと思います。装置を丸ごと持ってきていたため、ブースまで運び、多少の調整と組立だけしかしなくて良かったからだと思います。

実験に使うドライアイスを購入しに行き、晩ご飯を食べ、ホテルで爆睡。
ちなみに晩ご飯は、ご当地?味噌カツ,味噌煮込みきし?
僕は讃岐人なので、うどんのほうが性に合っていました。



12月18日

午前中に昨日購入したドライアイス装置の動作を確認し、実験機G-Ⅱに載せました。飛行機内での実験装置の動作確認も問題なく、EMI試験も無事終了。DVDビデオカメラの充電をし、準備は終了した。昨日同様、ドライアイスを購入しに行きました。

晩ご飯は、地元の方の勧めで、手羽先などを食べに行きました。
おいしかったです。全国チェーンとあったが、「香川(高松)には確実にないだろ」と思いました。

明日、無重力実験一日目。搭乗者は僕。ワクワクしながら床についた。明日の実験が上手くいくことを切に願う。



12月19日

ついにきた。実験当日。体調に多少の色をつけ、実験機に搭乗。先輩やいろいろな人から、「酔う、気持ち悪くなる」とさんざん言われていましたが、乗り物酔いなんてしないのでひょうひょうと乗り込み、空域へのフライトとなった。
しかし、G-Ⅱの加速を感じた瞬間に、「これはまずい」と何かが感じたので、空域までおとなしくしていました。雲がたくさんあったが、富士山も見ることができたので良かったです。実験準備を完了し実験が開始され、G-Ⅱが妙に加速したとき「やばい」と思い、高度を上げるために1。8Gがかかったとき「うわぁ」と思い、0Gになった瞬間にはひたすら実験に集中していました。そして、降下後の1。8Gがかかったとたんに、正直、心から「やめてくれ」と思いました。もともと血圧が高い方ではなかったので、うすうす危なさを感じていました。酔ったというより、目眩を起こしました。原因としては、始めの1。8Gで血液ちゃんが頭から逃げてき、μGが終わるころに、よいこらせと帰ってきたのですが、後の1。8Gでもう一度どっかいったきりになってしまったからだと思います。そんなこんなで目眩を起こしながら実験していたので、実験3回目以降からはしゃべるのもしんどくなり、「6回目」のコールを聞いたときには「あと半分もあるのかと」猛烈に思いました。7回目ごろからの記憶はほとんどありません。とりあえず、「吐いてでも、実験をする」との僕らの決意のもと、全神経全精神を実験に向けて頑張りました。

実験で問題があったのは、静電気発生装置でした。地上とμG下ではモータの調子が違いました。そのため、発生する静電気が弱くなってしまいました。ドライアイスの方は定期的にドライアイスを補充するだけであとは、DVDに記録し続けるだけでした。そのため、僕はシリンジ装置を重点的に操作しました。はじめは7本ある先端部すべてから水滴を出して実験していましたが、予想していたとおり、水滴が大きくなってしまったのと、先端部からなかなか離れなかったので、1本をのこしすべて栓をし、その1か所に神経を集中して行いました。手元のシリンジを押して水滴の量を調整するのですが、強すぎると水滴にならず水流となってしまい、弱すぎると水滴が大きくなるだけで先端から離れないので、コツをつかむのに苦労しました。実験10回中、7、8回目で水滴が中央の電荷にひきつけられるのを確認できたので、一安心しました。とりあえず実験成功。
空域から空港に帰るときは、集中が切れたのと、安心したので、眠ってしまったのか気付いたら空港についていました。到着後、ドライアイスの映像を確認しましたが、こちらは何の変化も見られなかったので失敗でした。
明日の装置である、アトマイザ装置をドライアイス装置と取り換え、動作に不具があった静電気発生装置を調整しました。その後、今回の反省点などを話し合い、記憶にある限り、明日搭乗する赤松君にアドバイスを伝えて、長くて短かったこの日は終了しました。

晩ご飯は、ラーメンでした。



12月20日

実験2日目。この日、僕は地上待機なので、搭乗する赤松君に「とりあえず頑張ってください」と伝えて、地上で待機していました。
無事実験が終了し、機体が帰ってきました。赤松君は多少酔ったようですが、無事だったので何よりです。
実験は、昨日同様シリンジは昨日よりも良い画が取れていて、昨日余裕がなくできなかった発散の実験もうまくいっていました。シリンジの成果はとても満足できるものでした。 しかし、アトマイザは丁度、実験様子をとらえている箇所に航空機の窓から入る光が重なっていて、映像として確認できなかったので、失敗でした。是非もう一度やりたいと思いました。
全体の成果として、それなりに納得のいく映像が撮れて大満足です。

晩ご飯は、今回実験に携わった方々、他チームのメンバーの方々とのお食事会でした。 本音を言えば、今回の名古屋での日程の中で一番うれしかったのが、このひと時でした。僕は将来、航空や宇宙関係、最先端の何かに携わりたいと思っています。そのため、そのような事業に携わっている方々や同じような考えを持つ、他大学、他国の方々と、集まり、ひと時を過ごせたことが、個人的にとても楽しかったし、うれしかったことでした。



12月21日

名古屋最終日です。今日は、装置を回収し、作業は終了です。 名古屋駅にて、杉浦君と別れ、赤松君と高松へ再び車で帰りました。行きとは違うルートで帰りましたが、気持ち的に行きよりも随分と楽でした。結局高松に着いたのは、翌日12/22(土)の午前1時でした。当然、家に帰り、そのまま爆睡でした。

ちなみに、晩ご飯は、絶対にまた食べようと思っていた、ひつまぶしでした。ひたすらおいしかったです。また食べたいです。


今回の実験を通して得たものは、言葉では言い表せないほど大きなものでした。このような機会を与えてくださったことに心から感謝します。




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