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教育

航空機による学生無重力実験コンテスト

過去のテーマ紹介 : メニュー第5回の概要 > 日記・体験談

過去のテーマ紹介

第5回 航空機による学生無重力実験コンテスト 

参加した学生からの日記・体験談
チーム名 テーマ名 代表提案者 日記 体験談
Over the hump ハエは重力を感知して飛んでいるのか? 堀 友香
(お茶の水女子大学)
ふらっとひらめ ヒラメの行動と眼球運動 山田 純也
(藤田保健衛生大学)
東京大学無重力ゼミ 微小重力下における濡れ性の違いの定性的観察 芳賀 智亮
(東京大学)
1.
2.
京都大学エネルギー研究科
宇宙資源エネルギー学分野
水電解チーム
テンプレートを用いた遷移金属ナノワイヤー電析における重力場の影響 大野 恵
(京都大学)
Takatech-SFA 水の電気的性質を利用した拡散・収束実験 舩城 央
(高松工業高等専門学校)
1.
2.

※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。




【体験談】東京大学無重力ゼミ

「微小重力下における濡れ性の違いの定性的観察」

東京大学 理科一類 1年
芳賀 智亮

第5回航空機による学生無重力実験コンテストに参加して

実験自体にかかる時間はたった20秒でも、その準備にかけた時間は本当に長かったように思います。

私がこのコンテストに応募したきっかけは、大学で開講されていた鈴木俊夫教授のゼミを受講したことでした。そのゼミはまさしくこのコンテストのためにあるようなもので、無重力状態でどんな実験をしたら面白いだろうかを、受講者が持ち寄ったアイディアをもとにただひたすら話し合うという内容です。今まで無重力状態なんて遠い世界の話と思っていて、物理の教科書くらいの知識しかなかったので、実験のアイディアを毎週練る、というのは結構大変なものでした。電車に乗っている間や、お風呂に入っている間など、暇さえあれば宇宙に思いを馳せては地上に戻ってくることを繰り返していましたが、なかなかしっくりとくるアイディアは浮かばないもので、1,2ヶ月間は悶々としていたように思います。そしてコンテストの締め切りも近くなり、不本意ながら少々面白みに欠ける実験を題材にしようかと考えていたら、本当に不意になのですが、これは面白いのではないかと思える実験が思い浮かびました。鈴木先生には、とりあえず提案書にまとめてみろと言われたので、このゼミを受講した記念に形に残しておこう、くらいの気持ちで提案書にまとめ、提出しました。なので、採用されたと聞いた時には本当に驚きました。

提案書にまとめるところまでも苦労しましたが、実際に一番大変だったのはその後の実験装置を製作することでした。池田実助手が2m程度の簡易地上落下実験塔を作って下さったので、提案書に沿った形の簡単な実験装置で落下させてみましたが、実験の目的とするデータは全く得られないという状況で、実験装置の大幅な方針転換を余儀なくされました。それからの約1ヶ月半は試行錯誤の連続で、時間は経てども完成のめどはたたず、実験本番に間に合わないのではないか、という不安でいっぱいでした。しかし、インターフェース確認会が近くなってようやく、メンバーで話し合ったアイディアをもとにした実験装置により、なんとか完成のめどがたつことになりました。濃い霧がようやくはれた思いで、それからは見通しもよく実験本番まで進めることができました。

思えば、4月から実験本番の12月まで約8ヵ月間にわたって無重力実験に関わってきたことになります。実際に無重力状態で実験をして、実験が成功したと分かったとき、それまでの実験準備の苦労が思い出され、感動して涙が出そうになりました。実験データ以上に、実験準備を含めて貴重な経験ができて、非常にたくさんのことが得られたと思います。実験を盛り上げてくれたメンバーのみんなには多くの面で助けてもらいました。そして、提案から装置製作に至るまで万事にわたりお世話になった鈴木俊夫教授、池田実助手には感謝してもしきれません。

最後に、このような貴重な実験機会を与えてくださった(独)宇宙航空研究開発機構、(財)日本宇宙フォーラム、ダイヤモンドエアサービス(株)の方々をはじめ、関係者の皆様には大変感謝しています。本当にありがとうございました。



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