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第5回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
「テンプレートを用いた遷移金属ナノワイヤー電析における重力場の影響」
京都大学 大野 恵
出発する日は本来なら12日だったのですが11日だと思い込んでいました。この日になって勘違いに気付き、宇宙フォーラムの栗山さんに急遽電話をしてホテルの予約など変更していただきました。ご迷惑おかけしました。
稲荷さんの車で名古屋へ向かいました。大量の荷物が収まって一安心。
あいにくの雨で一般道, 高速道路ともに混んでいましたが無事に到着。車の荷物を作業部屋に移動させたころには日も暮れていたのでこの日はほとんど作業をせずにDASをあとにしました。
ビデオの固定の修正や航空機内での手順の確認など、こまごました作業を行いました。
飛行機に運び込む前に装置の重量を量ってもらったところ48kg!50kgの制限ぎりぎりだったので冷や汗をかきました。
お茶の水, 東大, 東京理科大*はハンディカムの画像を確認するためのモニターを設置していました。私たちはハンディカムの液晶画面に頼る予定だったのでこれでいいのか?!と不安になりました。
EMI試験で不具合が見つかりました。使用させていただいているデータレコーダ8チャンネルのうち、1チャンネルでデータが取得できなかったのです。自作のBNC端子に問題があるようだったので、重要度の低いチャンネルと端子を交換しました。
*東京理科大チームは、相乗りの研究者チーム。
酔ったときに醜態をさらさないように朝ごはんはおにぎり1個にセーブしておきました。
実験準備があるので5時半にホテルを出発。そんなに繊細な性格ではないのですがフライト時間が迫るにつれて緊張が高まっていきました。手が震えてきたのですから驚きです。稲荷さん&佐久間さんが見かねて実験準備を手伝ってくださいました。
セルのセットをお二人にお願いして私は飛行前ブリーフィングに出席しました。お二人は何から何までサポートして下さいました。
ブリーフィングのことは緊張であまり覚えていません。
飛行機の前で佐久間さんからセルを受け取りました。密閉容器に固定していよいよ離陸。空域に到着してから装置のスイッチを入れる、ビデオのピント合わせ、録画開始などの作業を行いました。慌てふためいて行動していた記憶があります。
初微小重力体験。体が浮き上がりそうになるので座席にしがみつきました。正直気持ち悪くなりました。乗ったことを後悔しながら思ったのが「明日は稲荷さんにお願いしよう・・・」。それでもスイッチはちゃんと押せました。
ふと隣の席を見ると東京理科大学の人は微小重力を思いっきり楽しんでいました。どうせなら楽しまなきゃソンという気分になって、抵抗せずに微小重力に体を任せてみると意外と快適。そのようにしていると回を重ねるごとに恐怖が薄れていきました。
私たちは映像確認用のモニターを持っておらず、電流応答はグラフにしてみないと結果がわかりません。成功しているのか定かでないまま実験を続けなければならなかったのが辛かったです。
地上に戻ってからビデオを再生してみると、地上での場合よりずっとスピードは遅かったものの、気泡は電極に留まらずにふわふわ浮かんでしまっていました。それ以上に問題だったのが、ピントがきちんと合っていなかったことです。思い返せば緊張と焦りでピントをきちんと確認するのを怠っていました。水電解の実験にとっては一番大切なポイントであったのに。
前日の後半は微小重力にも慣れたので性懲りもなく再び搭乗することにしました。1日目よりもフライト時刻が遅かったので比較的余裕を持って準備することができました。とはいえまた稲荷さん&佐久間さんのお手を煩わせてしまったのですが。
空域到着後は前日の失敗を踏まえ、ピント合わせは入念に行いました。しかしここでまたしくじってしまいました。微小重力実験の前に機械の動作確認をしようとして、セルを繋いだままスイッチをオンにしてしまったのです。私の水電解実験は電極の気泡を取り除けば同じセルで何度も実験ができますが、稲荷さんの方は1回電流を流してしまったらそれを使い回すことはできません。稲荷さんの実験が1回少なくなってしまいました。
微小重力も12回目ともなると楽しめました。前日の混乱が嘘のようでした。5回目の実験でエラーが発生したので、予定していた実験の順番を組み立て直すという余裕も出てきました。
私たちはその日のうちに撤収しなければならなかったので実験データの整理はほとんど行えませんでした。最終報告書の内容が希薄になってしまい大変申し訳ありませんでした。
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