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教育

航空機による学生無重力実験コンテスト

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過去のテーマ紹介

第5回 航空機による学生無重力実験コンテスト 

参加した学生からの日記・体験談
チーム名 テーマ名 代表提案者 日記 体験談
Over the hump ハエは重力を感知して飛んでいるのか? 堀 友香
(お茶の水女子大学)
ふらっとひらめ ヒラメの行動と眼球運動 山田 純也
(藤田保健衛生大学)
東京大学無重力ゼミ 微小重力下における濡れ性の違いの定性的観察 芳賀 智亮
(東京大学)
1.
2.
京都大学エネルギー研究科
宇宙資源エネルギー学分野
水電解チーム
テンプレートを用いた遷移金属ナノワイヤー電析における重力場の影響 大野 恵
(京都大学)
Takatech-SFA 水の電気的性質を利用した拡散・収束実験 舩城 央
(高松工業高等専門学校)
1.
2.

※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。




【実験日記】 Over the hump

「ハエは重力を感知して飛んでいるのか?」

お茶の水女子大学理学部生物学科4年
堀 友香

12月5日 装置梱包

生物学科なのに机の上は工具ばっかり。。。

装置を送る=もう1Gでの実験ができないということ。
何度も実験をしたはずなのに、この場になって不安を感じつつ梱包作業へ。。
前々から「持っていくものリスト」を作っておいたので、その通りにコンテナに荷物を入れていきました。(こうすれば、忘れ物がなくて安心!)

デパ地下でバイトをしてた佐々木さんの梱包は見事でした。



12月6日 荷物発送

昨日梱包したものをもう一度確認。
入れ忘れがないかチェックして、いよいよ発送。
装置とのしばしの別れ(;;)
生協まで、あの大きな荷物をガラガラ運んでいくのは恥ずかしかったなぁ。。

装置を送ってからは、梱包のとき感じた不安はどこ吹く風。
小心者なので、ここ一ヶ月は「失敗したらどうしよう」という不安でいっぱいでしたが、装置を送ってからは「やることはやった!あとは名古屋で頑張るのみ!」と割り切って、ここ1ヶ月で一番心穏やかな日々を過ごしました(*´―`*)



12月12日 名古屋入り

名古屋入り直前に実家で飼っていた犬が死んでしまい、急遽一時実家(静岡)によってからの名古屋入りでした。。。小さい頃から飼っていたので、相当心のダメージも大きかったのですが、引きずってはいけない!!と、心を奮い立たせて名古屋に向かいました(><)

名古屋入り初日は、堀が1人で装置組み立て作業を行いました。 手違いで名古屋入りが遅くなってしまったこともあり、遅くまで作業をさせていただいたのですが(DASの方は私たちが帰るまで帰れないので、これは相当迷惑なことです^^;)、DASの土居さんに「遅くなってもかまわへんでー がんばりーや」と言ってもらえたり、これまた手違いで名古屋空港からホテルまで徒歩で移動させてしまった、同じチームの佐々木さんに「さかなは強い子だから大丈夫!ほーりーはハエのことだけ考えて頑張れ!」とメールをもらったりで、心温まりながら、トラブルもなくなんとか装置を組み立てることができました。

本当に心の広いみなさんに感謝です。

ちなみに、周りに何もないよ。。と言われていたホテルエアラインは、私たちにとっては、とても快適でご飯もおいしくて大満足でした!なにしろマンガが3000冊にテレビが一人一台です!本当に快適でした。



12月13日 実験準備

立派な装置!!

この日から佐々木さんも作業に加わって、機内に装置を搭載しました。
一緒に飛ぶのが東大グループと京大グループで実はビビッていたのですが、他の大学に負けず劣らず、私達の装置も立派に見えました。まんぞくまんぞく(´v`)

そして、夜7時くらいに久保田さんが主役のハエさんたちを持って、名古屋に到着しました。実はこのハエの管理が、この実験の一番の難関だったのです。


機内での作業風景

生物の実験は、温度や湿度、光の照度によって結果が大きく左右されてしまいます。まして今回は東京から名古屋まで新幹線、名古屋駅から小牧までバスというコンディションの悪さで、ハエの運び役をかって出てくれた久保田さんには本当に感謝です。きっと相当気を使ってくれたのだと思います。ありがとう!

また、今回この無重力を体験する、ラッキーなハエさん達は、お茶の水女子大学の松浦研究室、近藤研究室の方からご提供いただきました。ありがとうございます!

その後8時くらいに撤収。しかし、まだまだ作業は続きます。
夜ホテルについてから、壊れてしまった部品を修正するためにハンダ付けをしたり、チャンバーを組み立てたり。。。

結局この日は12時くらいの就寝でした。


12月14日 堀のフライト

小さい頃から、遠足の前の日は興奮して寝られなくなるような子供でしたが、いよいよパラボリックフライトかと思うと楽しみで、熟睡しないまま朝を向かえました(=_=)。゜

朝の5時半エアラインホテルのロビー集合!作業のため、こんなに早い時間になってしまったのですが、そのために早くから準備等をしていただいたDASの方々には本当に感謝です。

残りの作業を済ませ、飛行前ブリーフィングを終え、酔い止めを飲んで、いざ飛行機へ!!このときの私の気持ちは、緊張のかけらもなく、楽しみで仕方がないo(≧∀≦)o!という感じでした。


ビンの中にいるのが主役のハエです
(手前はチャンバー)


ハエは吸虫管を使ってチャンバーに
入れます


この飛行機に運命を託します(><)


そして、無重力。一瞬ジェットコースターのような胃が持ち上がったような感じがしたあと、手に持っていたものがフワっと浮いて無重力を認識、窓の外を見ないかぎり落ちているという感覚はなく、シートベルトで体が固定されているため、上下がひっくり返っている感覚もなく、しいて言えば"プールで力を抜いて浮いているかんじ"でした。

一緒に飛んだメンバー

まさに、思い描いていた通りです。前々から宇宙が好きで「宇宙に行ったらこんな感じなんだろうな」と想像していた感覚そのものでした。

逆に過重力は思ったよりきつかったです。めまいにも似た頭のくらみと、自分の体の重さ、窓から見る景色が、縦に押しつぶされたように見えて、チラッと見えるモニターではハエがいつも以上に足を踏ん張っているように見えました。

たのしかった~!!

地上に戻ってきて、モニターを見る限り、ハエはしっかりカメラに収まっていて一安心。安心しすぎたのか、準備室に帰ってから1時間くらい梱包材にくるまって寝てしまいました。その後も足元がフラフラし、思考回路もまわらず、よっぽど神経使ったんだろうな~と思っていたら、なんと酔い止めの副作用だったらしいです。その後はずっとダルくてダルくて仕方がありませんでした。


チームメンバーのさかな

 

チームメンバーのあやみちゃん


しかし、なんとか報告も終え、明日の準備もしてホテルでおいしくご飯を食べました。
他のグループは先生の車で名古屋名物を食べに行っていたようで、少しうらやましかったけど、エアラインホテルのご飯もボリューム満点でおいしかったですよ。


12月15日 佐々木さんのフライト

今日は8時半にロビーに集合!この日は佐々木さんのフライト日でしたが、集合時間15分前、何となくヤな予感がして、佐々木さんの部屋に行ってみると。。。

佐々木さん、このときは元気!

「コンコン」
「パチッ(←電気をつける音)」
しばらくの間
「あ、ほーりーおはよー(;ノ△=)。゜」
なんと、佐々木さんは寝てました!
これから無重力だっていうのに、なんと神経の太い子です(=д=;)
この子は大物だと改めて思いました。

朝日新聞の取材を受けました

佐々木さんが飛行機に乗り込んで飛んでいる間、私と久保田さんは朝日新聞の取材を受けました。

新聞に載る機会なんて滅多にないので、張り切ってしまいましたが、無重力体験を言葉にするのは本当に大変で、月並みなことしかいえなかったのが残念です。

また、DASに戻って、実験の終わった佐々木さんの顔を見てびっくり!顔面蒼白で、いかにも気持ち悪そうな顔をしていました。後で聞いたところ、気持ち悪くても、実験が成功するために頑張ってくれていたとのこと。。。おかげで二日目もいいデータが取れていました。佐々木さん、ありがとう!

次の日、同じ研究室の先輩の結婚式ということもあり、終わってから超ハイパースピードで片付けて、打ち上げに参加しました。DASの方々は面白い人ばかりで、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございました。また、今度は立派な研究者になって実験をしにきます!



佐々木さん、回復!



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