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「きぼう」での実験

文化・人文社会科学利用
(Education Payload Observation: EPO)

最終更新日:2014年01月29日

第1期実施テーマ

【パンフレット】日本語版 [PDF: 4.4MB]/英語版 [PDF: 4.0MB]

宇宙モデリング ※2008年8月に実施

実施概要 [PDF: 130KB]

【提案代表者】
米林雄一 東京藝術大学教授

【関連ページ】

【成果】
無重力の特徴を表す「ひとがた」の完成

写真

NASA宇宙飛行士が、きぼうの中で制作した2体の「ひとがた」

  • 「きぼう」日本実験棟船内での実験実施から約8カ月後に地上に2体の「ひとがた」が帰還しました。
  • 1体目は船内を遊泳する姿でのびのびとした流れる人の形で、2体目は踏ん張って立っている姿で手足に付加装飾がついた、ユーモラスな男性の様な姿でした。
  • 地上の重力下において発生する、垂れ下がるような変化が全くなく、自由でソフトな形が作られました。また、宇宙では支える手の力で変形することがなく、制作が続けられることがわかりました。可塑性の粘土が、無重力空間で自由に形をとどめ、新しい造形の可能性を見出しました。
  • 宇宙飛行士の活動をビデオで見た後、同じ粘土で「ひとがた」に取り組むワークショップを、東京都や愛媛県などで実施し、好評を博しました。作品と交流する子どもたちは、創作に没頭したときの感覚を、宇宙飛行士と時空を超えて共有しました。

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ISS宇宙飛行士の‘moon’ score ※2008年8月から2010年6月にかけて実施

実施概要 [PDF: 167KB]

【提案代表者】
野村仁 京都市立芸術大学名誉教授

【関連ページ】

【成果】
「月の調べ」を採譜し、再現

  • 地球からは撮影することの出来ない、大気層を含んだ月や国際宇宙ステーション(ISS)の構造物を含む7種類の異なる月齢の月の写真を取得できました。
  • 軌道上で撮影した月の写真に五重楕円をひき、素晴らしい解像度で写しとどめられたクレーターや月の海を音符に見立て、クレーターにマリンバ、海にチェンバロの音色を割り当て、さらにフルート(月の位置)やチェロ(大気層)も加えて演奏された「音楽」、写真、譜面の展示を実施しました。
写真

採譜された月の写真

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水の球を用いた造形実験 ※2008年9月に実施

実施概要 [PDF: 120KB]

【提案代表者】
藤原隆男 京都市立芸術大学教授

【関連ページ】

【成果】
水球の興味深い映像を取得

写真

共鳴によって、五角形を形成して振動する水球の様子

  • 直径8cmの大きな水球を使うことができたことは画期的なことであり、水球が大きくなった結果、人の手で共鳴させることができました。
  • 振動数が低い時は水球が共鳴して期待通りに変形し、その様子をビデオ映像として取得することができました。
  • 大きな水球がゆったりと振動する様子はそれだけでも印象的ですが、それがさらに五角形などに変形する様は、一般の人だけでなく、芸術家や科学者にとっても十分興味深いものでした。

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墨流し水球絵画 ※2008年9月に実施

実施概要 [PDF: 142KB]

【提案代表者】
逢坂卓郎 筑波大学教授

【関連ページ】

【成果】

写真

水球を使った墨流しの様子
(左が1回目、右が2回目の実験)

<1回目の実験>

  • 墨はボリュームのある黒い帯となり、ラメパウダーについても温水による溶解が完璧ではなかったため、ゲル状の帯となりました。
  • 宇宙飛行士による綿棒を使った拡散行為によりパターンは消えました。

<2回目の実験>

  • 水球表面に墨が広がる現象が確認できました。
  • 時間経過とともに、地上実験と同様のマーブル模様が現れ、さらに界面活性剤により、墨の中へ侵入する現象が多重化し、美しい立体的な模様が制作されました。

<その他>

  • パターンを吸い取って帰還した和紙は、2枚とも想像を超える出来でした。
  • 和紙に吸い取ってパターンを写すことで、作品をもう一つの段階に移行できました。

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光るニューロン ※2008年9月に実施

実施概要 [PDF: 120KB]

【提案代表者】
野村仁 京都市立芸術大学名誉教授

【関連ページ】

【成果】
宇宙と地上の映像を通して「生き方」を見せる

写真

ISSの高精細ビデオカメラで撮影された日本列島の夜景(参考映像)
無数の白い点は宇宙放射線の影響でCCDについた白傷

  • ISS内部及び窓外の光景と地上の自然風景や生命の姿を取得し、テーマに基づき動画編集を行いDVDを作成中です。
  • このテーマを太古から現代までの人間の「生き方」の問題としてまとめ上げた作品を制作しています。

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微小重力の身体と衣服設計に関する基礎実験
―宇宙でのファッショナブルライフ―
 ※2009年4月に実施

【提案代表者】
宮永美知代 東京藝術大学助教

【関連ページ】

【成果】
ゼロGにおける人類の進化を紐解いた

  • 必ずしも1対の下肢である必要は見られませんでした。
  • 下肢は鳥、魚の動きにおいて、推進力のバランサーとして機能していることが明らかとなりました。
  • 実施のタイミングは宇宙ステーション滞在約2週間後でしたが、この時点で無重力への身体のみごとな適応が見られました。
  • 総じて、地上において身体の半分の長さや量を占める下肢は、無重力では不要となるという仮説に裏付けが与えられました。
  • 得られた結果は未来の服のデザインや、未来の身体のイメージの具体化につながります。また、今後宇宙飛行士のための機能的で快適な素材開発や服・スリッパなどの機能的なデザインを探ります。

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飛天プロジェクト ※2009年4月に実施

【提案代表者】
石黒節子 お茶の水女子大学名誉教授

【関連ページ】

【成果】

写真

「きぼう」で飛天プロジェクトを実施中の若田宇宙飛行士

  • 「飛行」の動きから、飛天のかたちをとる際に上体を反らせた姿勢は、段取りの無い移動の時に自然なかたちであらわれることが観測されました。
  • 「座禅」の動きから、空中で座禅姿勢をとり、軸を変化させていく過程で、地上では見られない微妙な舞踊空間を創出できました。
  • 「回転」の動きでは、地上のように軸を固定して行うことは難しく、体軸があらゆる方向に変化してしまうことがわかりました。また、地上では良く訓練されたダンサーのみが可能であるのに比べ、無重力では、熟練していない人でもあらゆる方向に、あらゆる姿勢で回ることが可能であるということがわかりました。
  • 無重力では地上のような垂直状の姿勢より、点で示される重心を活かした曲線的な姿勢や移動、回転運動、および二等辺三角形の形が推奨されることがわかりました。
  • 今後飛天をモチーフとした、舞踊作品制作などが期待されます。

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Spiral Top ※2009年4月に実施

【提案代表者】
逢坂卓郎 筑波大学教授

【関連ページ】

【成果】
無重力空間を舞う鮮やかな光跡のアート

写真

Spiral Top(螺旋独楽)の運動によってできたLED光源の軌跡

  • ウエイトの個数と位置を変える事により、本体の回転中に様々な運動パターンが現れ、そこに一定の規則性が認められました。
  • 回転軸が180度の反転運動を行いますが、その角度に達した際に安定状態に入ろうとする様子が観察されました。
  • スパイラルトップの残像は運動状況をトレースしたドロウイングであり、色彩や点滅の変化により3次元的な光の線描絵画が創出できました。

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宇宙庭 ※2009年12月から2010年3月にかけて実施

実施概要 [PDF: 241KB]

【提案代表者】
松井紫朗 京都市立芸術大学准教授

【関連ページ】

【成果】
無重力空間での造庭と鑑賞の体験

写真

宇宙庭の鑑賞会を実施している宇宙飛行士
今回の主力であった野生種のオニタビラコが発芽せず、葉がユニット表面に張り付く様な状況は実現できませんでした。

  • 浮遊する植物の生えたユニット3つを、それを育てた日本人宇宙飛行士がある程度組立てて、「きぼう」を訪問するアメリカ人宇宙飛行士ふたりを出迎えました。そして、4つ目のユニットをその訪問客に手渡し、接続してもらうことで庭が完成するという作法を経て、鑑賞会は実施されました。 このようにして造られた庭を前にして3人の宇宙飛行士が互いに印象や感想を語らいあいました。

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手に取る宇宙~Message in a Bottle~ ※1回目の関連作業は2010年9月と2011年3月に実施。2回目の関連作業は2012年9月、10月、2013年1月に実施。

実施概要 [PDF: 218KB]

【提案代表者】
松井紫朗 京都市立芸術大学准教授

【関連ページ】

【成果】

  • 宇宙で、計画された映像を取得しました。今後、宇宙を詰め込んだガラスのボトルを地上に持ち帰る予定です。地上の人々が、地上にいながらにして宇宙を自分の手に取れるという、非日常的な体験を通して、これまでにはない新しい感覚を感じとることができます。

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関連映像

SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第107号
ISS宇宙飛行士の‘moon’ scoreの終了について紹介しています。
SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第96号
宇宙庭の終了について紹介しています。
SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第95号
宇宙庭の鑑賞会について紹介しています。
SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第90号
宇宙庭の経過について紹介しています。
SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第89号
宇宙モデリング、水の球を用いた造形実験、墨流し水球絵画、Spiral Top、飛天プロジェクト、ISS宇宙飛行士の‘moon’ score、微小重力の身体と衣服設計に関する基礎実験―宇宙でのファッショナブルライフ―について紹介しています。
SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第87号
飛天プロジェクトの成果発表として行われた舞踊公演とトークセッションについて紹介しています。
SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第86号
宇宙庭の開始について紹介しています。
SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第59号
Spiral Topと飛天プロジェクトの実施について紹介しています。
 
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