実施状況および結果
スペースシャトル「エンデバー号」によるSTS-126(ULF2)ミッションでは、2009年中頃から国際宇宙ステーション(ISS)の滞在クルーを6名体制にするために必要な、水再生システム(Water Recovery System: WRS)やトイレ、ギャレー(調理設備)などの機材を「レオナルド」(多目的補給モジュール1)に搭載して運搬しました。
ミッション中は、運搬した機材の移送のほか、移送した機材の整備も行われ、WRSの健全性を確認するために、生成した水のサンプル採取なども行われました。
また、2007年秋頃に異常が確認されて以来、対応策が検討されてきたISS右舷側の太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)について、修復作業が今回のミッション中の船外活動で行われました。修復作業後の動作試験では良好に機能しましたが、今後も引き続き状態が監視される予定です。
「きぼう」日本実験棟に関する作業も行われました。「きぼう」の組立て第3便目となる、2J/Aミッションに向けて、2J/Aミッションで打ち上げる船外実験プラットフォームを結合するための機構である、船内実験室外部の船外実験プラットフォーム結合機構(Exposed Facility Berthing Mechanism: EFBM)の点検が行われました。
宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)のISSへの到着に向け、船内保管室外壁へのHTV用近傍通信システム(Proximity Communication System: PROX) GPSアンテナ1基の設置や、HTVを把持するISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の先端のエンドエフェクタ(把持手)を潤滑する作業、HTVがドッキングする際に、その様子を映すためのTVカメラをISS外部へ設置する作業なども行われました。
ミッション中、ISS長期滞在クルー1名の交替も行われました。また、1998年11月20日に、「ザーリャ」(基本機能モジュール)を打ち上げて建設が開始されたISSは、ミッション期間中の2008年11月20日に10周年を迎えました。