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第8回 航空機による学生無重力実験コンテスト
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「微小重力下での気体、液体、固体混合物の挙動観察」
九州大学 理学部 化学科 2年
木村 僚子
名古屋小牧に到着!!空港でそれぞれ名古屋名物を食べて実験施設へ!!施設へ着くと作業用のつなぎが配布された。やっと、名古屋まで実験しにきたんだなぁと実感がわいてきた。わくわく。
作業部屋へ行くと福岡から送った装置が搬入されていた。みんなで作った装置…。君も名古屋まで来たんだね、といろいろ思い出されてがんばらないとと思う。
装置を取り出していくと、持ってきた工具が少なく、梱包した私の責任問題に。すいませんでした。装置を組み立てたら、実験2で使うホースの水漏れ実験を行った。やはり少しもれる。接着剤と吸水材、ガムテープでしっかりと固定して、実験準備を終えた。
名古屋2日目。朝起きて支度をすませてDASの人を待っていたけど何か足りない…そう!神田くんがいなかった!まったく困るよ~とか小言を言いながら、ひたすら謝る彼を見てニヤニヤしていた。きっと彼はこれからもずっとこのことでいじられ続けるだろう…
僕たちの装置はわりと単純なので準備も余裕を持ってすることができた。お昼ごはんを食べて(さすが工場、量が多かった!)、一番に作業場から切り上げた。明日はフライト!がんばろう。いや、がんばってもらおう!
フライト1日目。私がフライトの日。今日やることは、カメラのピント調節くらいで、あとはあがり症の私の精神統一だけだった。この日行う実験1は、飛行中の作業がかなり少なく、μGのときの作業はもはや何もないので少しは気がらくだった。朝は緊張していたが、だんだんわくわくの方が勝ってきて、昼食もがっつりいただいた。
いよいよフライト!!チームの二人になんかかっこいい行ってらっしゃいの合図をされて泣きそうになりながら、でも胸を張って搭乗した。実験手順を確認しながら離陸を待った。いよいよPF開始!!1Gの間に実験準備は終わるので、後は2G、μGを待つのみ。2Gは思ったほどきつくなかった。確かに自由はかなり奪われるが、動けないわけではなかった。そしてμGへ!ふわっと体が浮いた!!テンションmaxだったため、ぎゃーと歓声をあげてしまった。約20秒の無重力体験は短いような長いような…不思議な感覚だった。怖いとか、気分が悪いとかそういうものは全く感じず、ただただ楽しかった。実験も問題なくこなせ、不安要素だった装置からの水漏れもなくフライトは無事終わった。
以前本コンテストのHPで、“フライト後、実験者は拍手でお迎えされ、まるで宇宙飛行士気分だった”との記述を見たので、飛行機から降りるや否やギャラリーに大きく手を振って小走りに近づいて行った。無重力体験直後の興奮と、実験を終えた達成感と安堵感が入り混じって、気持ちが高揚していた。しかし、ギャラリーに近づいても、気持ちよく送り出してくれたチームの二人がいない…待ち時間寝てて迎えに行くの面倒になったらしい…おいおい。宇宙飛行士気分どころか、なんかかわいそうな人として実験フライトを終えた。
飛行機からカメラを回収し、映像を確認。カメラの固定位置に問題があり、肝心のμGになると水と入浴剤が撮影範囲から消えてしまった。それでも1つだけ解析できそうなデータが得られた。水を変えずに入浴剤を投入し続けるという実験方法だったため、水槽に入浴剤から発砲した泡が付着し、カメラのピントが対象からずれてしまったことで、解析は困難を極めそうだというとこを悟った。
デイリーミーティングをおえて、明日の実験準備へ。装置の中身を変え、実験に使うカプセルの最終確認をして準備終了。明日フライトの神田君に心の中でバトンを渡して寝た。
フライト二日目。いよいよ自分が実験を行う日。
前々日は撮影用のビデオカメラを充電し忘れ、前日は寝坊して遅刻するという失態を犯していたため、自分なりに気合を入れて作業場へ。
ただ、作業といっても前日にほとんど終えていたため、装置を飛行機へ運び込み、カメラの位置を微調整したくらいで完了。今回は充電もOK。かなりスムーズに行えた。
その後は、飛行前ブリーフィングまでひたすら実験の流れを確認。自分たちのチームの実験は、装置がシンプルなので準備は早く終わるものの、その分飛行中の操作が重要となってくる。その上自分は、前日に行われた実験よりも操作が複雑であったので、なおさら不安だった。
ブリーフィングも終わり、いよいよフライトへ。
いざ飛行機の中に入ると、無重力実験を行えるワクワク感が緊張感を上回った。
離陸し、空域到着。準備も完了し、PFへ。
思っていた以上に体の自由の利かない2Gを体感し、μGへ突入。体が浮いた。直前まで2Gで押さえつけられていたせいもあってか、とてつもない解放感…といえばいいのだろうか。なんとも不思議な感覚だった。とにかく、今までに感じたことのない感覚。すごい。
そしてテンションもピークへ。
その後は、何度も手順を確認した甲斐もあってか、しっかりと実験を行うことができた。
そして結局最後まで気分も悪くなることなく、無事帰還。
帰還後、動画を確認。無事にすべて録画はできていたようだった。さらにいくつかは解析可能なものもありそう。一安心。その後の後片付けと梱包も無事完了。
最後に、先生、JSFの方々、DASの方々、JAXAの方々、協力してくれたすべての方々に心から感謝いたします。ありがとうございました。
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