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教育

航空機による学生無重力実験コンテスト

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過去のテーマ紹介

第4回 航空機による学生無重力実験コンテスト 

参加した学生からの日記・体験談
チーム名 テーマ名 代表提案者 日記 体験談
東京大学無重力ゼミ 微小重力下における水と油の2重液塊の回転 荒井 俊哉
(東京大学)
太田組 翔ベ!大きな夢とシャボン玉 平野 大地
(東北大学)
1.
2.
magnet 無重力・微小重力空間における磁力造形 溝口 昭彦
(筑波大学)
京都大学総合人間学部/
大学院人間・環境学研究科チーム
加重力及び無重力時における上下肢の血流量の比較 松本 亜希子
(京都大学)
学習院大学理学部微小重力研究会
2006
微小重力環境における「ロウソクの科学」 渋谷 龍一
(学習院大学)

※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。




【体験談】学習院大学理学部微小重力研究会2006

微小重力環境における「ロウソクの科学」

学習院大学

「実験で得た教訓」 理学部 渋谷 龍一

今回私たちが行った実験を一言で表すなら、『ロウソクを燃やした』というたったこれだけです。ですが、たったこれだけの事をするのにも、多くのことを考え、かなりの準備が必要でした。いくつか具体的に例を挙げますと、飛行機の中で普通にロウソクを燃やしても当然ですが危険すぎてダメですので、密閉された金属製容器を用意しました。そうすると、今度はどうやって火をつけるのかが問題となります。電熱線を用いて熱して点火すればうまく行くと分かりましたが、今度は電熱線をそのままにしておくと、ロウソクに触れている為に非常に邪魔で、電熱線を動かす仕組みが求められました。このように、一つの問題を解決するためには別の問題を解決しなければならないなど、簡単そうに見える問題でも、よく考えないとそううまくはいってくれないなと痛感しました。

また、今回私は代表提案者として責任者の立場でしたが、実際にはチームで動いていました。全部で4人という構成でしたが、全員が毎日準備に参加できる訳もなく、またメンバーがインフルエンザにかかったなどで、予定が大幅に狂ってしまった時がありました。仕方がない部分はありましたが、全体を通してかなり余裕のあるスケジュールを組まないと、地上実験の不足や装置製作に不備が起こってしまう可能性など、時間さえあれば解決できそうな問題に対処する事が出来ないと感じました。

色々と大変な事もありましたし、問題も多かったですが、実験全体を通して見るとよく出来たと思いますし、非常にいい経験になったと思います。

最後に、このような素晴らしい実験の機会の提供・支援をして頂いた(独)宇宙航空研究開発機構・(財)日本宇宙フォーラム・ダイヤモンドエアサービス(株)の方々に深く感謝いたします。



「無重力を体験して」 理学部 石井 啓太

この実験に参加したきっかけ、それは単純に無重力状態というのが面白そうというものでした。両親の話では、私は小学生のころ「宇宙飛行士になりたい!」といっていたらしく、そのころから無重力というものに興味があったのだと思います。

しかし、面白そうとおもって参加した実験は、ほぼ自分たちでゼロから考えていかなければいけないものであり、今までそのような経験がなかった私たちにとってはとても大変なものでした。実験以外のことで個人的に忙しい時期もあり、軽はずみに参加するんじゃなかったと思った時もありましたが、結果的に、みんなで協力し、一つの事をやり遂げることができたということは、とても貴重な経験であったし、やってよかったと思います。

そして、それ以上に、無重力というのはとても楽しい経験でした!通常の2倍の重力がかかったときは、DASの方から「自分と同じ人を背負っていると思えばいいよ」と伺ってはいましたが、想像とは全く異なり手や腕、そして頭を含むすべてが重くなりました。 しかし無重力になったとたんに、それらの重さは開放され、体は宙にうき、上下がわからなくなりました。頭の中では「飛行機の天井が上、床が下だ」と考えていても、実際に体は「??」となり方向感覚はなくなりました。うまく言葉では表現できませんが、とても不思議な感覚でした。

本題の実験ですが、私が後半から酔ってしまったり、設定をミスしてデータがとれなかったり、テープの切れ端が装置の奥に残っていて片付け忘れていたためにそれが宙にういて邪魔になったりと散々でしたが、地上での形とは異なった炎を見ることができました。

このような貴重な機会を下さったJAXAの方々には、心から感謝いたします。また、宇宙に行かなくても体験できる「無重力」を、より多くの人が体験できるようになればいいなと思いました。



「体験談」 理学部 水村 沙織

今回この学生コンテストに参加することとなった起源は、大学1年生の夏にまでさかのぼります。4年生の先輩が卒業研究で本コンテストを通した実験を行うとのことでお手伝いとして微小重力実験と出会ったのです。

今回、私は飛行機に実際乗りませんでした。微小重力という空間に興味があり、出来れば経験してみたかったのですが、2人しか搭乗できないという制限があったため仕方ありません。残念でしたが、いくら飛行機に乗れなかったとしてもそれ以外のことでも貴重な経験ができました。

1年生の頃に一緒にお手伝いをしたことのある仲間が集って今回の実験が作られていきました。制度としては4年生から研究室に入って本格的実験を行うのですが、渡邊先生のもと、3年生の私たちも研究室の一部を貸していただき本格的な装置を作ることができました。また、いままでの学生実験では、与えられたものや用意されていたものを使って実験を行っていました。しかし今回は、何もないのです。逆に言えば何でもあるのです。そんな中、見たこともない装置や部品を試行錯誤し組み立てて行く動作は実に楽しかったし、これからの研究に向けてという意味でも大切な経験になりました。1人ではなく、チームで実験を取り組んだことも私に成長を与えました。これは本コンテストに携わらなかったら手に入り得ないものです。

本コンテストの主催者である(独)宇宙航空研究開発機構様、また協力機関として(財)日本宇宙フォーラム様とダイヤモンドエアサービス(株)様、ありがとうございました。この経験を研究のフィールドだけでなく、仕事や生活にも生かして頑張りたいと思います。



「離陸から着陸まで」 理学部 小山 千尋

正直、ジェットコース―ターは苦手の方です。だから周りからの「大丈夫、大丈夫だよ。」という声も、ジェットコースターとは比べ物にならないほど落ちることを思い浮かべるとなんだかうそ臭く聞こえ、怖くなってきました。

しかしそんな恐怖心とは裏腹に、微小重力の中で浮いて見たいという好奇心や誰よりも装置に熟知していて何か問題があったら対処できるという自信(実際はチームの誰もがそういった自信を持っていたと思います。)、そして何よりもこの手で実験を成功させて、データ―をみんなの前に持ち帰りたいという思いを思い出すと勇気が湧き出してきました。

「自分ならできる。」そう心の中で呟いてぐいっと酔い止め薬を飲み干して、機内に乗り込みました。

ハッチが閉まり、滑走路を飛び出してやがて、目的の空域に到達しました。実験の準備を整え、緊張もピークに達したところでカウントダウンが始まり、20秒前になり、ろうそくに点火し10秒前ぐらいになるとかなりの体が重くなったように感じられ、ろうそくの炎を1Gよりも燃え盛り、それを見ているといつの間にか、上下の間隔がなくなり、イスから体が離れて浮いてしまいました。上下のない海水の冷たさや不快感のない海の中を泳いでいるようでした。20秒もするとまた2倍の重力がかかり、また準備に取り掛かり、次々とデータを取得して、結局10回分のデータ―を取得することができました。

そして航空機を降り無事に実験を終了することができました。

最後に今回、このような機会を与えて下さった宇宙航空研究開発機構、日本宇宙フォーラム、ダイヤモンドエアサービスの方々に感謝いたします。



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