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教育

航空機による学生無重力実験コンテスト

過去のテーマ紹介 : メニュー第4回の概要 > 日記・体験談

過去のテーマ紹介

第4回 航空機による学生無重力実験コンテスト 

参加した学生からの日記・体験談
チーム名 テーマ名 代表提案者 日記 体験談
東京大学無重力ゼミ 微小重力下における水と油の2重液塊の回転 荒井 俊哉
(東京大学)
太田組 翔ベ!大きな夢とシャボン玉 平野 大地
(東北大学)
1.
2.
magnet 無重力・微小重力空間における磁力造形 溝口 昭彦
(筑波大学)
京都大学総合人間学部/
大学院人間・環境学研究科チーム
加重力及び無重力時における上下肢の血流量の比較 松本 亜希子
(京都大学)
学習院大学理学部微小重力研究会
2006
微小重力環境における「ロウソクの科学」 渋谷 龍一
(学習院大学)

※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。




【体験談】京都大学総合人間学部/大学院人間・環境学研究科チーム

加重力及び無重力時における上下肢の血流量の比較

京都大学大学院 人間・環境学研究科 修士課程 松本 亜希子

「パラボリックフライト体験記」

長い準備期間の末にたどり着いたフライトの日を、不安と恐怖一色で迎えたのは私ぐらいでしょうか。

パラボリックフライトを何度も経験されたことのある我がチームボスの石原先生に、入学当初からその想像を超えた未知なる感覚の感動を洗脳され、「自分もいつか体験してみたい!」と思っていたのは遠い昔…「第4回学生無重力実験コンテスト選定」の知らせを受けた日、選定の喜びと同時に、時おり聞こえてはいたが無視していた「ジェットコースターみたい」、「気持ち悪くなる」という体験談が頭をよぎりました。絶叫マシーンが大の苦手で、遊園地に行くとジェットコースターではみんなを笑顔で見送り、地上で荷物番としてこれまで生きてきた私としては、「無重力」という非日常な環境を体験できる期待感より不安感の方が大きく、そんな私を知る友人からは「失神するんじゃないか?!」と心配されました。

私たちのチームは難しい機械操作や複雑な作業もなく、スイッチを入れてただ座っていればいいという単純な実験だったのですが、実験手順を何度も思い返しては「失敗したらどうしよう」とそわそわし、さらには倫理委員会の規則上ヒトを実験対象とする私たちが実験中止の全権を握っていたので、「具合が悪くなって他のチームに迷惑をかけたらどうしよう」と朝から危惧の念で一杯でした。飛行機に乗り込む際の心境は、さながら特攻隊のような複雑な気分でした。

がしかし、「案ずるより産むが易し」ということわざは私のためにあったのでしょうか。あれだけの恐怖心は何処へと、回を重ねるごとにμ~2Gの連続的な変化へのタイミングをつかみ、体がフワリと浮く感覚にも慣れ、最後の方は自分でも驚くほど余裕で冷静でしたし、無重力の世界を楽しむことができました。(ただし1回目のμGになった時の私の表情は…映画「リング」の呪いのビデオを見たシーンを想像していただけるとわかると思います。不幸中の幸い、フライト中の映像記録のために用意していたビデオカメラの録画機能がμG直前に停止するというトラブルのおかげ(?!)で、私のこの恐怖と驚きにおののく様子は映っていませんでした。)

ただ、やはり人間の生理的反応「酔い」には逆らえず最後までギリギリのところで、「データたくさん欲しいっ!でも早く終わってほしいっ!」と葛藤してました。吐くまいとおかしな呼吸法になっていた私はまるで産婦さん、そばで「大丈夫か?頑張れ!」と声をかけて下さるDASの土居さんはまるで立ち会いの優しい旦那さんのようで、今思うとなんだか出産シーンのようでした…。

でもフライト前の不安感やフライト中の吐き気なんて微々たるものに思えるくらい、始めてのμGの体験に感動しました。フライト後の中日新聞の取材でもμGの感想を聞かれ、言葉にするのが難しく詰まってしまいましたが、それだけ言葉にできないようなすばらしい体験でした。「体が浮く」という頭で描くイメージ以上の感覚はもちろん、「ぞぞぞ」と体内の何かが浮き上がってくる感覚に驚きました。これが、私たちの実験テーマである「血流の変化」に他ならぬ体液シフトなのか!と、身をもって理解しました。普段地上では常識とされる重力によって、生体がいかに影響を受けているかを実際に感じることができた今回の実験は、大変有意義なもので、魅力的かつ刺激的で貴重な経験となりました。

謝辞
本実験を主催してくださった(独)宇宙航空研究開発機構様、また、多大なご協力を賜った(財)日本宇宙フォーラム、ダイヤモンドエアサービス(株)、ならびにコニカミノルタセンシング(株)の皆様に、深く感謝いたします。



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