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「きぼう」での実験

新しい医薬品のデザインにつながる宇宙実験成果を紹介
~細胞内の情報伝達を担うタンパク質"キナーゼ"の構造を解明~

最終更新日:2018年1月10日

大阪府立大学 理学系研究科の木下誉富准教授らのグループは、「きぼう」日本実験棟で行われている高品質タンパク質結晶生成実験により明らかとなったキナーゼの構造情報を、医薬品の開発につなげようとしています。

キナーゼは、細胞内の情報伝達を担う重要なタンパク質(リン酸化酵素)で、細胞の増殖や分化、細胞死などを通じて複雑な生体機能を制御しています。今回の「きぼう」における宇宙実験によって高品質結晶化に成功した「MAP2K7」は、ストレス応答や炎症反応を制御するキナーゼで、リウマチや心臓肥大、肝細胞がんなどの治療薬の標的分子となっています。

キナーゼなどの細胞内タンパク質は凝集しやすく、20℃では安定に結晶化しません。そこで、2016年4月~5月にJAXAが実施した4℃での結晶化実験に搭載したところ、大きな単結晶が得られました(図1)。

そして、X線回折実験の結果、1.3Åで構造を決定することにはじめて成功しました(図2)。これまでに地上実験から得られた結晶では最高分解能が2.1Åであったことから、4℃の宇宙実験による結晶品質向上が示されたことになります。

詳細な構造解析データからは、分子の活性部位に存在する水分子の位置や、フレキシブルな構造をとる部位の2種類の形態、またMAP2K7分子同士の結合様式が明らかとなり、医薬品の開発に向けた重要な知見が得られました。本成果については、科学雑誌「Biochemical and Biophysical Research Communications 493 (2017) 313」(英語ページ)に掲載されました。

JAXAは引き続き、20℃や4℃での結晶生成実験を高頻度で実施し、得られる成果を産業界や学術界に還元するお手伝いを進めてまいります。

図1 地上で得られた結晶 図1 矢印 図1 宇宙で得られた結晶
地上で得られた結晶
(比較対象実験)
(出典:大阪府立大/JAXA)
  宇宙で得られた結晶
(出典:大阪府立大/JAXA)
図1 MAP2K7キナーゼの結晶画像
図2 地上結晶から得られた電子密度マップ(左)と宇宙結晶から得られた電子密度マップ(右)

図2 地上結晶から得られた電子密度マップ(左)と宇宙結晶から得られた電子密度マップ(右)。高分解能解析により、MAP2K7分子に結合している水分子の位置など、詳細な情報が明らかになった。(出典:大阪府立大)

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大阪府立大学大学院 理学系研究科 構造生物学分野/木下グループ ホームページ
 
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