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土井隆雄宇宙飛行士、日本人初の船外活動を実施


 1997年11月20日午前4時46分(以下時刻は全て日本時間)にNASAケネディー宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトル「コロンビア号」は、15日16時間34分にわたる所期のミッションを完了し、12月5日午後9時20分にNASAのケネディー宇宙センターに無事帰還しました。
 コロンビア号にミッションスペシャリストとして搭乗した土井宇宙飛行士の主要な活動結果を以下に示します。


土井宇宙飛行士の主な活動結果


船外活動(Extravehicular Activity: EVA)
  • 第1回船外活動
    • 11月25日午前9時2分に開始し午後4時45分に終了しました。実施時間は約7時間43分です。
    • 当初予定されていなかったスパルタン衛星(太陽コロナ観測衛星)の回収作業をスコット宇宙飛行士とともに実施しました。
    • その後国際宇宙ステーションの建設に必要となるクレーンの機能・性能及び操作性の検証を大型の軌道上交換ユニットを用いて実施しました。
    • 1回当たりの船外活動時間(約7時間43分)は、STS-87ミッションまでのシャトルによるEVA実施者42人中、スコットMSとともに歴代8位です。

  • 第2回船外活動
    • 12月3日午後6時9分に開始し午後11時9分に終了しました。実施時間は約4時間59分です。
    • 第1回船外活動において実施できなかった小型の軌道上交換ユニットを用いたクレーンの検証、ユニット交換に関する操作性追加試験、スプリント(自律型船外ロボットカメラ)検証実験をスコットMSと共に実施しました。
    • 土井MSの船外活動の合計時間約12時間43分になり、STS-87ミッションまでのシャトルによるEVA実施者42人中14位です。


船内実験
不混和液体の濡れ特性観察実験等の微小重力実験を成功裏に実施しました。

  • カメラ撮影
スパルタン衛星の放出状況等を撮影するためのカメラ設定、撮影を実施しました。

  • 地球観測
カメラによる地形調査等の地球観測実験を実施しました。観測を行ったところは、ガンジス河流域(インド)、エチオピア高原(エチオピア)、ヒマラヤ山脈ミシシッピ川流域等です。

帰還時のシャトル運用支援
シャトル帰還時においてチェックリストを用いて計測類のモニターを行い、クレーゲル船長リンゼイ操縦士を補佐しました。
ステータスレポートの収録の実施
  • 第1回 宇宙服等の船外活動のためのツールを紹介(11月24日)
  • 第2回 船外活動について(実施後の感想)(11月28日)
  • 第3回 スペースシャトルから見た地球、星(11月29日)
  • 第4回 明日の船外活動にむけて(12月 2日)
12月4日に予定された第5回目イベント(芸術とスポーツ)は、第2回船外活動のために中止となりました。
科学技術庁長官との交信
11月26日午後5時51分から15分間、谷垣科学技術庁長官と交信を実施しました。
広報関係活動
  • 11月23日、他クルーとともに米国NBCのインタビューに参加しました。
  • 11月28日、他クルーとともにクリントン大統領と交信を行いました。
  • 11月29日、クレーゲル船長、スコットMSとともに米国ラジオ局とのインタビューに参加しました。
  • 随時、NASAインターネットによる世界各国からの質問対する回答を行いました。土井MSは10件の質問に回答しました。



STS−87の概要
オービタ「コロンビア号」
打上げ日時平成9年11月20日午前4時46分
帰還日時平成9年12月 5日午後9時20分
飛行時間15日16時間34分
搭乗員
船長ケビン R・クレーゲル(NASA)
パイロットスティーブン W・リンゼイ(NASA)
MS1カルパナ・チャウラ(NASA)
MS2ウィンストン E・スコット(NASA)
MS3土井隆雄(宇宙開発事業団)
PSレオニド K・カデニューク(ウクライナ国立科学アカデミー)

主なミッション
米国の材料科学分野の微小重力実験であり、今回が4回目のフライト。
再利用可能なフリーフライヤ/スパルタンによるコロナに起因する太陽風等の太陽物理現象の観測。11月22日午前6時4分に放出をしたものの動作不具合。ロボットアームによる回収に失敗したため船外活動により回収した。
国際宇宙ステーション建設に必要な組立機器交換・保守技術の検証試験。
植物育成に対する重力影響実験等(米国とウクライナとの共同実験)。
MGBXを用いた不混和液体濡れ特性観察実験、容器内層流炎観察実験及び凝固界面での粒子取込・吹出観察実験。
ドラム缶状密閉容器を用いた乱流拡散炎実験等。
 GASにシャトルからの電力供給機能、地上およびクルーからのコマンド機能を追加したものであり、オゾン観測実験、ループヒートパイプ実験およびナトリウム硫黄バッテリ実験を実施。


Last Updated : 2002. 2. 8


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