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土井宇宙飛行士軌道上イベント
科学技術庁長官と交信 NHK共同企画番組 軌道上記者会見

スペースシャトルと地上を結んで軌道上記者会見が12月2日 4:36〜5:05 CST(12月2日19:36〜20:05、日本時間)の飛行13日目に行われました。

この会見にはスペースシャトルのクルー6人全員が参加し、アメリカ、日本、ウクライナの記者からの質問に答えました。以下は日本の記者によって行われた会見の要約です。


質問:2度目の船外活動を前にしての今の心境は?

土井MS:2回目の船外活動ができるということで本当に光栄に思っています。1回でも船外活動ができるのはすばらしいことなのに、2回目のチャンスを与えられて本当にうれしくてがんばりたいと思います。

質問:宇宙の生活もずいぶん長くなりますが、宇宙での生活についての感想を聞かせて下さい。

土井MS:まず、宇宙にきてから2日間くらい、体が引き延ばされるような感じがして、これが"space adaptation"、宇宙への適応の過程かなと感じていました。4日目ぐらいになって、ほぼ体が自由に動かせるようになって普段の生活ができるようになりました。9〜10日目ぐらいになって、本当に地上で暮らしているのと同じような生活ができるようになりました。ですから、今現在本当に宇宙に適応して快適な生活を送っています。

質問:スコットMSは打ち上げ前は、宇宙での活動に関しては土井さんの先生にあたったわけですが、土井さんの仕事ぶりは何点ぐらいでした。

スコットMS:彼は初めてにしては、スパルタン衛星を手で回収するなど非常に良くやっています。このチームの重要なメンバーです。

質問:今回のミッションの中には地球観測ミッションが含まれていますが、宇宙から地球を見て、地球環境問題の悪化について感じることは?

土井MS:宇宙から見る地球は本当に青く輝いていて、特に日の出や日の入りはすばらしい色の変化が観察できます。ですからここから見る限りは、本当に地球は美しいという一言です。地上の環境問題、公害とかありますが、ここから見る限りにおいては地球のそういう問題は判りませんが、この美しさを保ちたいという気持ちです。

質問:明日、2回目の船外活動ができることは最初に誰から聞かされましたか?またどんなふうに思いましたか?

土井MS:最終的には、今朝起きたときに、私の日本の音楽がかかって、そのときにCAPCOM(飛行中のシャトルのクルーと地上で交信を行う通信担当者)からGo for EVAだ、EVAをやるんだよと聞いたのが最終の決定を聞いた瞬間でした。そのとき自分でも、やった、これでもう一回EVAが、船外活動ができるぞ、がんばってやろうと思いました。

質問:これまで船内で忙しい作業をされてましたが、お好きな星の観察をする余裕はありましたか?

土井MS:なかなか忙しくてありませんが、今まで3回ぐらい寝る前にフライトデッキから45分間の夜が続く期間観測しました。特に私が興味を持っていたのは、日本から見られない南の空の星空とか星雲、星団を見たいと思っていましたが、実際にここからは南十字星、大マゼラン星雲、小マゼラン星雲とか良く観察することができました。特に昨日は双眼鏡を使って本当にすばらしい星を見ることができました。

質問:奥様に今、何かおっしゃりたいことは?

土井MS:(照れながら)元気でやってるよ。はい、どうもありがとう。

質問:今、ちょうど京都で12月1日から地球温暖化を防ぐための会議が行われていますが、宇宙からのメッセージを頂けないでしょうか?

土井MS:全ての人たちがこの宇宙から地球を眺めることができたら、本当に地球というのはすばらしい星なのでそれを守ろうとみんなが思うようになるんじゃないかと思います。是非この美しい地球を私たちの手で守っていきたいと思います。

質問:宇宙に出て物事に対する見方、日本に対する見方に変化はありましたか?

土井MS:私自身、特別に自分の考え方がここにきてから変わったということは感じませんでしたが、この宇宙での生活、特に無重量状態で生活してて慣れてしまうとすごく生活しやすいのですが、やはりそれでも不思議だなあと。きっとこの生活を何年も続けていくと、ここから新しい文化とか新しい思想や芸術等も生まれてくるだろうと確信しました。

質問:今回はシャトルの外で何を見たいと思いますか?

土井MS:今回も第1回目の船外活動でやり残していた宇宙ステーションのいろいろな機器の検証等で忙しいですが、地球と太陽が過ぎて昼と夜の違いをじっくり見てみたいと思います。

質問:今回のミッションでは、ウクライナ、インド出身の飛行士など非常に国際的なミッションとなっており、冷戦前では考えられなかったと思いますが、土井さん自身このミッションに参加してみて、どういう風に今宇宙開発が変わっているか、またどういう風に変わっていくと思いますか?

土井MS:昔の宇宙開発は一つの国がそれぞれ自分の計画で自分のロケットを持って自分の国のためにやってきてそれで進んできましたが、今回のミッションのようにこれからはいろんな国の人達が参加して、一つの国ではなくて地球全体、人類のために宇宙開発を進めていくようになるべきだと思います。今回のミッションで、このように国際性豊かなクルーの中の一員として参加することができて非常に光栄に思います。

質問:土井さんの船外活動を見て励まされた人は非常に多いと思いますが、特に、今がんばっているはずの受験生に宇宙から励ましの言葉をお願いします。

土井MS:みなさんも厳しい受験戦争を過ごしていると思いますけど、これをがんばって切り抜けることによって、自分の夢、チャンスをものにして、その後でさらに自分の夢を実現するためにもっとがんばって欲しいと思います。

質問:船長に質問です。今回のミッションは国際的なミッションですが、シャトル内でのコミュニケーションの難しさはありませんか?

クレーゲル船長:実際1年以上も訓練を共にしていますし、また英語を共通語としているためコミュニケーションの問題は特にありません。


Last Updated : 1997.12. 3


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