このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。

<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。

サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター
宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ

教育

航空機による学生無重力実験コンテスト

過去のテーマ紹介 : メニュー第3回の概要 > 日記・体験談

過去のテーマ紹介

第3回 航空機による学生無重力実験コンテスト 

参加した学生からの日記・体験談
チーム名 テーマ名 代表提案者 日記 体験談
前半 宇宙美
(そらみ)
微小重力環境における霜の模様のパターン解析 矢口 たかね
(お茶の水女子大学)
京都大学総合人間学部/
大学院人間・環境学研究科
無重力時の上下肢における酸素飽和度の比較・検討 山城 丈
(京都大学)
C.S.A
(スペースアート会議)
Sound Wave Sculpture 3 南波 幸子
(多摩美術大学)
後半 FHU Space Physiology Team 金魚を用いた微小重力下での前庭-眼球運動反射と心拍変動解析 江野 佑子
(藤田保健衛生大学)
東京大学μGゼミ 微小重力における毛管現象を用いた管内流体の挙動解析 青木 翔平
(東京大学)
北海道大学無重力研究同好会 ぶつかれ青春~粘性の異なる液滴同士の衝突 大村 益孝
(北海道大学)

※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。




【体験談】 スペースアート会議(Conference of Space Art)

Sound Wave Sculpture 3

多摩美術大学 美術学部 南波幸子

『実験を終え、来し方を振り返って』

【 はじめに/謝辞 】

とりあえず、この実験が無事行えたのは、関わって下さった全ての方々のお蔭です。

思い返すと当団体は、初めからチームで動いていたせいか、役割分担が割合はっきりしておりました。まず、前年度代表であった小野さんが「スペースアート会議」という私たち団体の活動の中でメンバーを揃え、計画の概要を示し、大まかな道筋を作ってくださったいわば黒幕。そして私は事務作業及び連絡・スケジュール管理を担当。池さんが実験用パイプ設計図制作と機材の運搬を、根岸さんが装置設計図作成と装置組み立ての大部分を、松川さんが実験に使う音楽を作ってくださり、佐藤さんが前年度に無重力実験を行った経験を活かして私達をサポートしてくださいました。また、株式会社エレテックの北原氏が技術面と機材面の両側からバックアップについてくださったこと、筑波大の阿部先生から実験用パイプの制作にご支援いただけたこと、東京藝大の北郷先生からアドバイスと機材のご援助をいただけたこと、これらも大きな力になりました。そしてもちろん、運営側のJAXA(宇宙航空研究開発機構)、JSF(日本宇宙フォーラム)、DAS(ダイアモンドエアサービス)の方々にも、ときに励まされ、ときに駄目出しをされつつ、大変にお世話になりました。

実験に関わってくださった方々の顔を改めて脳裏に浮かべると、その関わりかたこそ人それぞれですが、誰か一人でも欠けていたらきっと実験そのものが成り立たなかっただろうなあと思います。とにかく人は大切。感謝してもし足りません。今回の件を思い返して、個人的に出てくることと言えばそればかり…私の働きは、とにかく色んな方にお願いをしたり調整をしたりするのが主で、あとはちょこっと組み立てを手伝って、実験本番に日本海上空を舞ってきた程度なので、本当に、あらゆる人に感謝のしっぱなしです。


【 実験準備はやっぱり大変 】

ひとつの大学に籍を置く人員で構成されているわけではなく、当チームのように学校の外に存在する団体…というのは、応募団体の中では珍しいケースのようです。それがゆえに本拠地がなかったり、メンバーが忙しくて(そして地理的にも遠くて)集まりにくかったりという泣き所もありましたが、ともあれ「受かっちゃったんだしやるしかないよね」という路線で頑張りました。

とにかく基本的に皆が忙しいので、その合間を縫っての作業。「やれることを最大限やって、それでも間に合わなかったらもう仕方ないよね」というスタンスです。幸いにして装置は期日までに完成度高く仕上がりました。前年度も実験を行っていたため装置の基本形が既に出来上がっていたこと、モノづくりの得意な人がメインで組み立てを行ったこと、また電気関係で専門家の方(北原氏)からサポートしていただけたこと、がその要因でしょう。

餅は餅屋とはよく言ったもので、ある物事を為そうとするときには、得意な人を引っ張ってきて協力してもらうのがおそらく一番の早道です。もし今後「チームを組んで無重力実験に挑もう」という皆さんがいましたら、メンバー内でうまく役割を分担することが物凄く重要になってきます。場合によっては「頭と口を動かす人」と「手足を動かす人」を分けてしまった方がうまく行くかもしれませんね。また、作業の全てを自分達でやろうとせず、得意でない部分で人の助けを借りることも大切だと思います。

また、実験を行うまでのスケジュールをきちんと立てておくことも重要です。物事は、必ずといっていいほど計画通りに進みません。目標としていた仕上がり日程は概して遅れるもの。けれども、スケジュールを立てることで「いつまでに何をしなければいけないのか」「どのように実験実施本番まで辿り着くのか」というイメージをぼんやりとでも描くことができますし、想定外の事態が発生したときに帳尻の合わせ方を考えやすくなります。そして、計画の取り掛かりは早ければ早いほど良い。また、今出来ることは今やり、後回しにするべからず。これらふたつのことも、身に沁みて感じました。


【 それでも、楽しかった 】

ともあれ、長い道のりでしたが、無事実験までこぎつけられて感無量です。

名古屋入りしてからは始終楽しく、準備作業の合間に「飛行機すごい! でかい!」とか、「工場の壁一面ぱっくり開いてるよ! 飛行機発進するよ!!」などと益体もないことばかり言っていた気がしますが、それも今では良い思い出。ちなみに現地でも色々と予想外の事態が勃発し、DASの方々を筆頭に関係者の皆さまにはお世話になりっぱなしでした。そして、はじめて微小重力を体感した感動もきっと忘れられません。本当に凄い体験をさせていただきました。

無重力は、面白いですよ! もし少しでも興味を持った方がいれば、是非チャレンジしてみて欲しいと思います。大丈夫、やってみれば何とかなります。考えるよりも先に動き、後で帳尻を合わせるのも乙なもの。どうか頑張ってみてください。



この飛行機に命を預けてきました。機名はガルフストリームⅡ、格好良い名前ですね。

今回の実験装置。手前の箱の中にあるスピーカーから音楽が流れて振動(音波)が取り付けられた管へと伝わり、中の粒子を動かします。無重力下にて音楽と粒子の動きの美しさを鑑賞する、いわば「音波で動く彫刻」です。ちなみに装置重量約40キロ。

実験装置稼動中の様子です。パイプの中には発泡スチロール球が入っています。

実験を終えて帰還する際、窓から見下ろした風景をパチリ。青く澄んだ空と、眩しいほどに白い雲海が印象的でした。

▲ ページのトップへ


 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency サイトポリシー・利用規約  ヘルプ