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第3回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
無重力時の上下肢における酸素飽和度の比較・検討
京都大学
メンバー: 山城 丈(代表者、記録)、牧 亜紗子(16日記録)、菊池 直子
この日は京都から名古屋まで車でいきました。
自分たちが搭乗して実験する航空機、GIIを初めて見ました。大きい、と聞いていたのですが、思ったより小さかったので、すこし拍子抜けしてしまいました。このときはまだ、この航空機で空を飛び、この中で実験するのだ、という実感はほとんどありませんでした。ただ、そこに並べられている飛行機と作業に取り掛かっている人々をみて、すごいところにきてしまったなあ、と感心しておりました。
夜には雪が降り出し、寒さがましてきました。空港付近は風をさえぎるものがなく、風が強く、京都のほうが寒いと考えていた身には予想以上に厳しかったです。天気のことも少し、気になりました。無事、飛行機が飛び、きちんと実験ができるのだろうか、、、と。
この日のメインはEMI、つまりは航空機内でエンジンをかけても問題が生じないか確かめるための試験です。ですが、このチームの装置は電源を外部から(電池や充電した予備電源など)使用したので、これはあまり重点は置いていませんでした。むしろ、機内に入って雰囲気を味わったことが大きかったです。
そうこうしている内に、次の日は初のパラボリックフライトということで、次第に実感がわいてきて、緊張してきました。それを知ってか知らずか、教授の石原先生は、心配しているそぶりも見せず、普段どおりの姿で振舞ってくださいました。あまり神経質にならないように、とのアドバイスだとありがたく受け取っておきました。しかしながら、いつのまにやら、僕たちのチームは、ほかの学生実験グループから石原軍団とかいわれていたみたいです。傍目には余裕があるように見えたようです。
この日から、食べる量や水分も控え、翌日に備えました。
乗る前は元気に振舞えていましたが、、、
簡単なマニュアルを作り、座席の前に貼り、トラブルが生じないようにしたつもりでしたが、機械的なトラブルが生じて、データが一部取れませんでした。前もってよく調べておけば防げたものだっただけに、悔やまれました。
帰ってきてからは、気分が悪く、ぐったりしていました(パラボリックフライトを繰り返すうちに酔ってしまいました)。戻ってきてからは安心感よりも早く結果を解析したいと思いつつも、その直後の報告会でも自分の考えと実験データを充分まとめられていませんでした。今回の実験を通してですが、先を見通して行動、対策することができていませんでした。より早く、実験装置をそろえ、シミュレーションを繰り返し、起こりうるトラブルの対策をもっとやっておくべきでした。
しかし、終わってしまったことは取り返せないので、気持ちを切り替え、明日こそはミスがないように、マニュアルを書き直したり、装置の設定を修正したりしました。明日はもうひとりの被験者、牧さんが乗ります。前の日からかかるプレッシャーは自分のときよりも大きかったです。
今日は私(牧)がフライトに臨みました。始めのうちはあまり不安や緊張を感じませんでしたが、機体が離陸して空域に近づくにつれ、徐々にドキドキしてきました。私たち京大チームの実験は、酸素飽和度や血圧を測定するので、これが結果に大きく影響してはいけないと、なるべく落ち着くよう深呼吸を何度もしました。μG中は本当に体が浮いて、とても面白かったです。逆にその直後にGが掛かったときに、体内のものもどさっと下に落ちるので、回を重ねる毎に気持ち悪くなってしまいました。全14回のμGが終わったときには、本当に安心しました。貴重な経験が出来て、しかもちゃんとデータも出せていたので、大満足な1日でした。
もちろん、この日の打ち上げでも大いに盛り上がり、色々な方の意外な一面を垣間見ることができ、非常に楽しかったです。
この日は気分の悪い日でした。
おとといの乗り物酔いに加え、昨日の二日酔いでさらに気持ち悪くなってしまいました。これは2日とも操縦士のふたりのKさんのおかげといったところでしょうか。いやいや、自分の寝不足と飲みすぎのせいでしょう。それはさておき、この日になってようやく、2日とも無事フライトを終えてほっとしました。
今回の名古屋の滞在中には、入り口の入構チェックに始まり、昼の時間帯になると人が雪崩のようにやってくる工場内の食堂(まるで大学の生協食堂のようでした)、所狭しと並べられている航空機、どれも見るもの多くが新鮮で貴重な経験ができました。そして、学生実験コンテストを通してお世話になった日本宇宙フォーラムとダイヤモンドエアサービスの皆様に深く感謝いたします。
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