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教育

航空機による学生無重力実験コンテスト

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過去のテーマ紹介

第3回 航空機による学生無重力実験コンテスト 

参加した学生からの日記・体験談
チーム名 テーマ名 代表提案者 日記 体験談
前半 宇宙美
(そらみ)
微小重力環境における霜の模様のパターン解析 矢口 たかね
(お茶の水女子大学)
京都大学総合人間学部/
大学院人間・環境学研究科
無重力時の上下肢における酸素飽和度の比較・検討 山城 丈
(京都大学)
C.S.A
(スペースアート会議)
Sound Wave Sculpture 3 南波 幸子
(多摩美術大学)
後半 FHU Space Physiology Team 金魚を用いた微小重力下での前庭-眼球運動反射と心拍変動解析 江野 佑子
(藤田保健衛生大学)
東京大学μGゼミ 微小重力における毛管現象を用いた管内流体の挙動解析 青木 翔平
(東京大学)
北海道大学無重力研究同好会 ぶつかれ青春~粘性の異なる液滴同士の衝突 大村 益孝
(北海道大学)

※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。




【実験日記】 スペースアート会議(Conference of Space Art)

Sound Wave Sculpture 3

多摩美術大学
メンバー: 南波 幸子(多摩美術大学、代表者、記録)、八木田 桂子、野尻 雄太、小池 卓、窪田 咲、野原 大介、池 溶珪(Chi Yong-Kyu)、野口 愛

12月13日(1日目)

今日から名古屋で無重力実験。
本日は装置積み込み作業などを行なう準備日その1です。

本日の作業:
装置の機内積み込み
実験試料検討
実験管保管ケース検討、設置

大雪のため、月曜午前に発送したはずの装置がなかなか届かずヒヤリとしましたが、夕方前には到着し、無事準備に取り掛かれました。
機材発送は、余裕を持たせたほうが安心ですね。

ちなみに、今日中に無事装置は届いたものの、一部は無事じゃなかったです。
アクリル管の接着が取れた。ぎゃー。
しかし他の部分は無事でしたし、致命的な欠損と言うわけでなくて良かった良かった。
とりあえず、アクリル用の接着剤を用意して頂けたので、くっつけてみて明日を待ちます。
ちゃんと接着されているといいのだけれど。

今回お世話になるのはDAS(ダイアモンドエアサービス)という、三菱重工関係の航空会社なのですが、格納庫内が凄い。
航空機が滑走路へ移動するときは、壁一面がスライドしてぱっくり開きます。
壮観。整備中のでっかいヘリや戦闘機なども普通にいます!

明日も準備作業頑張るぞ。



12月14日(2日目)

無重力実験、今日は準備の2日目。

本日の作業:
照明設置
ビデオカメラ設置・調整
EMI試験
実験管試料準備・封入
管交換手順再確認、交換練習
地上実験

はじめは「今日は余裕があるかも?!」などと思っていた2日目ですが、蓋を開けてみると結局朝から夜まで作業することに。
器材設置&調整はじめ、やるべきこと、以外と多いです。
昨日にも増してDAS技術者の方々には助けて頂きっぱなし。
クローズアップ用ビデオカメラをラックのフレームに固定するための器具を、ほんとうに一から作っていただきました。
技術と知恵、工夫が組み合わさると凄いパワーが生まれるのだな。
モノを作る人の偉大さをひしひしと感じました。
そしてガムテープの便利っぷりも再確認。
場合によっては8Gにも耐えるらしいですよ! こやつにも助けられっぱなしです。

お昼ごはんは三菱重工の社員食堂で頂きました。
(DASは三菱重工の工場敷地内にあります)
まわりを見ると、青いツナギを着た体格の良い男の人ばかり。
そして、ご飯のボリュームもたっぷりでした。
うどんは2玉が標準。さすが働く男たちの台所。
全部は食べ切れませんでしたが、なかなかおいしいご飯でした。

購買もなかなか面白かったなあ。なぜここに?! というものが多く売っています。
靴とか、旅行とか、DVDプレーヤーとか、家とか。
不思議空間です。

ともあれ器材のセッティングは大方完了。
EMI(電磁干渉…だったかな?)試験も問題なく済んだので、明日の昼下がりには空をふわふわしてきます。



12月15日(飛行1日目)

本日、無(微小)重力体験してきました!

水入りガラス管の穴を(気圧の変化に対応させるため)布で塞ぎ、機内へカメラを固定、そしてその位置の調整作業が終わった…
…と思ったら、もう飛行前ブリーフィングの時間。
そして、それが終わるとそのまま搭乗という流れでした。
ココロの準備が…(汗)と思うも、乗ってしまえば否応なくテンションが上がります。
ビデオ撮影のため窓を塞ぎ遮光していたので、座席から外の景色が見えず残念でしたが、割合すぐに機体が安定し、実験準備に入りました。

機内で、水入り管の穴をゴム栓で塞ぎ直そうとしたところ、キュポン☆ と素敵な音と共に管内部に入ってしまったりもしましたが、持参していた透明ビニールテープを穴周辺に巻き付けることで事なきを得ました。
想定外のトラブルって、何かしら起きるものですね。
おかげでその後ずっと液中にゴム栓が沈んでいたけれど、実験中止にならなくて本当に良かった…

ちなみに、乗員はインカムをつけて常時通信していますので、何かを喋ると全部機内に筒抜けです。
上記のゴム栓事件のとき、思わず「あっ!」と声を上げてしまったのも筒抜け。
あとで同乗していた他大学の人に「びっくりしたよー」と突っ込まれました。
しかも、今回のフライト中の音声、記録に残っているとかなんとか…
…あんまり深く考えないでおこう。

μG(micro-gravity:微小重力)に近づくと機体が急上昇。
機内が傾き、体にGが掛かっていくのを実感します。
手に小型のデジカメを持っていたのですが、明らかに重量が増している感触。
首や手を動かすのも、出来ないわけではないですがしんどいです。
そしてその加重が抜けたかと思うと今度は逆に身体がぐぐっと持ち上がり、気持ちの悪い感じが…と思ったらいつのまにかフワッと浮遊状態に。
上下感覚が消失しますが、身体は楽ちんです。
前後はともかく、μG中はフワフワしていて気持ち良かった!
ただ、やっぱりその前後(私の場合は特にμG前)が辛い…。
8,9回目ぐらいから、うまく力を抜くことで楽にμGへ移行できるようになってきましたが、それまではどうしても緊張してしまい、おかげで酔いました。
「大丈夫?」と聞かれましたが、正直大丈夫でなくなりかけてました。

しかし、帰り道で後ろに座っていたH教授に席を替わっていただいて、窓の外から見える景色にキャーキャー言っていたら現金なことに、かなり元気になりました。
どこまでも遠く連なる白い雲。雲の切れ間から見える、雪をかぶった鋭角の山々。
ミニチュアの模型のように見える街。
どれも、とっても綺麗でした。
そんな訳で、ひととき機内が観光船のようになっていました(笑)

終了後は、ブリーフィングのち遅い昼食。
そして、翌日のための実験管の準備などは他のチームメンバーにお任せし、私は映像データを持参した外付けHDへ保存する作業をしたり、デイリーミーティング用の報告書を書いたりしました。
実験の疲れのせいか、飲んだ酔い止めのせいか、夕方ぐらいからずーっと眠かったです。
今日はきっと、とってもよく眠れるに違いない。



12月16日(飛行2日目)

フライト2日目、実験最終日。
今日は私は搭乗しないので、気分はとっても楽なもの。
実験準備だけして、あとは悠々と飛行メンバーを見送りました。

本日の作業:
カメラ設置
水管の穴を布で塞ぐ

昨日も同じ作業をしましたから楽です。
今日搭乗する池さんは、そのあと管交換の作業練習。

池さんが飛行機に乗っている間、DASに残っている、過去の実験映像を見せて頂きました。
μG(micro-gravity:微小重力)中の舞踊「飛天の舞」はじめ、面白いものがたくさん。
m-floのプロモーションもここで撮ったそうで、そのメイキングシーンなども残っていました(dopamineという曲でした)
ちなみにプロモ中、浮いている状態でペットボトルから水をバシャバシャ出すシーンは、飛行後に技術部の方が整備部に謝ったそう。打ち合わせには無かったらしい。
基本的にワレモノ、液体、可燃物の機内持ち込みは禁止なのですね。
しかし、ウチの団体、上の3つ全部持っていきました。
ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。
それでもなんとか許可してくださってありがとうございました。
DASの人たちはとても良い人ばかりです。

フライト後はミーティング&片付け、そして打ち上げ!
うちのグループは私以外帰ってしまったのですが、同じ飛行機で実験に携わった他大学の方たちと懇親を深めました。
皆の、実験中には見えなかった表情が沢山見られて面白かったです。
一部の人は暴走していたような…(笑)
それもまた飲みの醍醐味。ああ楽しかった!

色々な方に支えられ、実験ひとまず無事終了。よかった、よかった。



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