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「きぼう」日本実験棟

星出彰彦宇宙飛行士帰国報告会開催レポート

最終更新日:2008年7月29日

2008年7月26日、日比谷公会堂(東京都千代田区)にて、星出彰彦宇宙飛行士による帰国報告会が開催されました。星出宇宙飛行士は、「きぼう」日本実験棟の打上げ第2便である1J(STS-124)ミッションに搭乗し、「きぼう」の船内実験室ロボットアームを国際宇宙ステーション(ISS)へ取り付けました。ミッションを終えた星出宇宙飛行士が日本に一時帰国することになり、この機会に報告会を開催する運びとなりました。報告会には、約450名の皆様にご来場いただきました。


打上げ直前の様子を解説する星出宇宙飛行士

報告会の冒頭で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の長谷川義幸ISSプログラムマネージャより挨拶があった後、大きな歓声の中、星出宇宙飛行士がステージに登場しました。

まず初めに、星出宇宙飛行士による1Jミッションの解説が行われました。ステージの大きなスクリーンに1Jミッション中の映像が映し出され、星出宇宙飛行士は、打上げから帰還までのミッションの様子を解説したほか、宇宙での食事や洗髪、ひげそりの様子などを紹介しました。

星出宇宙飛行士によるミッションの解説が終わると、毎日新聞科学環境部長の斗ヶ沢秀俊(とがさわひでとし)氏が登場し、星出宇宙飛行士と斗ヶ沢氏によるトークショーが行われました。


スクリーンに映し出されるミッション中の星出宇宙飛行士

トークショーでは、ミッション中に撮影された写真などをスクリーンに映しながら、「きぼう」、ISSの解説などを行いました。今後、船内実験室で行われる実験についても紹介し、星出宇宙飛行士は、「早くもう1回行って、この中で実験することを楽しみにしています」と話しました。

船内実験室をISSに取り付ける際に使用した、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の操作について斗ヶ沢氏から質問を受けた星出宇宙飛行士は、SSRMSの操作卓には窓がないので、ロボットアームを直接見ずに、5つあるテレビ画面を見ながら操作することを説明しました。船内実験室を取り付けたときは、SSRMSの操作が現実とは思えないぐらい訓練と変わらなかったため、取付け後、本当に船内実験室がISSに付いたのか、一緒にSSRMSを操作していたカレン・ナイバーグ宇宙飛行士が確認しに行った、というエピソードが紹介されました。

ISSを初めて見たときの印象を聞かれると、漆黒の宇宙の中に光り輝くISSがあり、非常に綺麗だったと答えました。また、ISSから見えた地球については、力強さを感じたと語りました。

トークショーの最後には、星出宇宙飛行士が小学校4年生のときに、「きぼう」という文集の中で、宇宙飛行士になる夢を描いた作文など、宇宙飛行士を目指したきっかけが紹介されました。初めて行った宇宙は、「予想をはるかに超える場所」と語り、子供たちへ「どんどん行ってほしい」とエールを送りました。

宇宙へ行く夢を叶え、1Jミッションを終えた今、「これはゴールではなくて、ここがスタート」と語り、最後に抱負を聞かれると、「宇宙ステーションに長期滞在して色々実験をしたい」、「その経験を踏まえて、月までいきたい」と、今後の夢を語りました。



報告会参加者からの質問と星出宇宙飛行士の回答をご紹介します。

Q: 宇宙でシャボン玉を吹くとどうなるんですか?

シャボン玉はやっぱり地球と同じように丸くなると思う。地上だと、ほんの少しだけどシャボン玉はゆがんでいる。宇宙では、それが本当のまん丸になると思う。

Q: 宇宙でろうそくの炎は丸くなりますか?

宇宙ステーションの外で燃やすとなると真空で空気がないから燃えない。船内であれば確かに丸くなるんじゃないかと言われている。宇宙ステーションの中では火を使うと危険なので、そういう実験ができない。また、丸く火がついても空気が流れてこないので、直ぐに消えてしまう。今度宇宙に行って実験してみてください。

Q: 一番しておいてよかったと思う勉強があったら教えてください。それと、星出さんにとって宇宙って何だったのでしょうか?

理科とか算数は大事だと思う。勉強に関わらず、色んな事に興味を持って、色んな事にチャレンジしていくことが一番大事じゃないかと思う。それから、支えてくれる人達がいて、初めてミッションが成功する。仲間と仲良くすることが大事。私にとっての宇宙とは夢ですかね。宇宙に行ってみてわかったのは、やっぱり人類にとっての共通の夢であり、宇宙に行って、そこから色々な可能性が拡大する、そういう場だと思う。

Q: 宇宙飛行士になると決めたとき、またミッションに参加すると決まったときに親しい人達、ご家族の皆さんはどのような反応をされたのでしょうか?

子供の時からやりたいことだったので、ずっと応援してくれた。もちろん不安はあったと思うが、自分の子供のやりたいことを応援してくれる気持ちの方が強かったんだと思う。宇宙飛行士という職業上、やはりリスクは付き物だと思う。けれども、本当に多くの方が、例えば、安全を考えた設計にしてくれたり、故障しないように何度も何度も検査や試験をしてくれている。宇宙飛行士としては、何かあったらどうすればいいか、徹底的に訓練を受けた。地上にいる運用管制員の方々が、何もないように僕らが見えないところで頑張ってくれた。そうやってリスクをどんどん小さくしてくれる。打上げ時、すぐ下には大量の燃料があるが、そういう状態で怖くなかったか? という質問を受けることもあるけれど、気心の知れた仲間と宇宙という場所に行くことの方が、僕の中ではすごく大きくて、全然怖いとは思わなかった。

Q: 人類は、月や火星にどれくらいで本格的に滞在することができると思いますか?

これから本格的にもう1回、月を目指そうではないかと色々な国が言っている。日本としても、今後参加していくことになるんじゃないかと思っている。早ければ10年後くらいには、月に向かっていくことになるのではないでしょうか。そこまでは宇宙飛行士として頑張っていきたいと思うけれども、火星はさらに遠いので、それはその先です。だから僕らの世代ではちょっと厳しいと思う。そこは、もう君の世代が頑張っていくことになると思うので、是非、早く火星にいける時代にしてください。応援しています。

 
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