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奥村直樹(宇宙航空研究開発機構 理事長)
本日のシンポジウムと関係しますが、JAXAの在り方そのものを昨年から議論を重ねております。昨年10月、JAXAは創立10周年を迎え、この間ロケットは連続成功し、衛星もミッションを果たしてきております。それにもかかわらず、なぜ新生JAXAを標榜しなければならないかお話ししたいと思います。
まず、JAXAを取り巻く環境が大きく変わってきており、環境変化に対応するための新生JAXAです。日本の科学技術行政が変化しております。従来の基本計画における、科学技術の発展、振興に加え、第4期科学技術基本計画では、イノベーション創出を強く謳っています。さらに、昨年新たに制定された宇宙基本計画では、具体的な課題を3つ挙げております(安全保障・防災への貢献、産業振興への貢献、宇宙科学等のフロンティア)。このように大きく変化している中で、宇宙分野の技術開発、研究を進めていかなければならないことをご認識いただきたいと思います。
また、この新生JAXA検討では、今日の「きぼう」の利用の在り方も当然含まれてきます。この1月、ワシントンで、将来の宇宙探査を検討する政府間会合である国際宇宙探査フォーラム(ISEF)が開催されました。そこで参加各国が、国際探査の意味・意義の再確認をしました。その1つが、国際協調のシンボルとしての現在のISSの姿です。2つ目として、将来宇宙探査を発展させるにあたっては、このISSの成果をうまく活用して、その上にプラスして宇宙探査をすべき、ということでした。3つ目として、本日の議論にもなっていますが、人々にどのような便益をもたらすかを頭に入れて宇宙探査を行わなければならないということです。次回のこの会合は2016年または2017年に日本で開催される予定になっています。その時、仮に日本が次の探査に参加するとしたら、一歩進んでどういう方針で、どういう方向で参加するのか決めないといけません。ということは、政策判断に取り入れていただけるような、あるいは影響を与えるような方向ないしは成果を2020年より前に出していく必要があります。そう考えるとあまり時間がありません。現在の「きぼう」の在り方そのものについても、やはり考え直していく必要があると考えております。
以上、基本的な動きを2つ申し上げて、「きぼう」のより良い発展につながるようなご議論を願っています。
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