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2008年5月14日、筑波宇宙センター (TKSC)にてSTS-123ミッションクルーによるミッション報告会が開催され、多くの方々にお越しいただきました。
報告会には、STS-123ミッションクルーのドミニク・ゴーリ(コマンダー)、グレゴリー・ジョンソン(パイロット)、ロバート・ベンケン(搭乗運用技術者:MS1)、マイケル・フォアマン(MS2)、土井隆雄(MS3)、リチャード・リネハン (MS4)の各宇宙飛行士が参加し、ミッションの説明を行いました。
報告会が始まるとSTS-123ミッションクルー6名が登場し、会場は大きな拍手に包まれました。
まず、コマンダーのゴーリ宇宙飛行士から「どうもありがとう。こんにちは。」と日本語で挨拶があり、各クルーの紹介が行われました。土井宇宙飛行士の紹介では、「JAXAのスーパースター、土井隆雄宇宙飛行士です。彼は「きぼう」船内保管室の取付けなどで活躍してくれました。また、彼が日本から持ってきた宇宙食は一番おいしかったです。」と話しました。
次に、国際宇宙ステーション(ISS)やスペースシャトルで撮影された写真をもとに、ミッションの説明が行われました。打上げ時の写真や船内保管室、「デクスター」(特殊目的ロボットアーム)、また南アメリカ上空を飛行中に撮影された氷河や、カナダ上空を飛行中に撮影されたオーロラ(写真)など軌道上から撮影された地球の写真、その他、水のボールの中に入ったキャンディの写真など、遊ぶように宇宙実験ができる様子も紹介されました。
その後、NASA制作の映像を見ながら、ミッション中の作業のより詳しい説明が行われました。スクリーンには、打上げ時のスペースシャトルの轟音や、4時間にわたって行われた手動によるISSとのドッキングの瞬間など、迫力のある映像が流れました。
また、土井宇宙飛行士による船内保管室の説明や、リネハン宇宙飛行士らによる船外活動の説明など、ミッションで実際に作業に携わったクルーから、貴重な話を聞くことができました。最後に土井宇宙飛行士は、「多くの皆様から応援していただき、すばらしいミッションができました。宇宙にできた日本の新しい家をおおいに使ってください。」と話しました。
報告会参加者からの質問と回答をご紹介します。
Q: ミッションで一番楽しかった作業、大変だった作業はなんですか?
【回答:土井宇宙飛行士】一番楽しかったのは船内保管室をISSに取り付けて、その中に入ったこと。新築の家に入ったような気持ちだった。一番難しかったのは船内保管室をロボットアームを使ってスペースシャトルから取り出すところ。船内保管室とペイロードベイ(貨物室)との隙間が10cmくらいしかなかった。
Q: 宇宙から見る星座や惑星は、地上から見るのとは違いますか?
【回答:ベンケン宇宙飛行士】ISSにドッキングした後は、ISSの各部分の陰になってしまい、窓からは星がよく見えない。ISSの太陽電池パドルがまぶしいということもある。ただ宇宙から見る地球はめまいがするほどきれいで、誰かに止められなければずっと眺めていられそう。
Q: 宇宙で一日の朝昼夜を感覚的にとらえることはできますか?
【回答:ジョンソン宇宙飛行士】体が順応できるように、睡眠時間のシフトを調整する。最初はよく眠れるように薬を飲んだりしたが、16日も経つと宇宙のサイクルに体が慣れてきた。
Q: ミッションの後、地球上で起こっていることに対する考え方や人生観は変わりましたか?
【回答:土井宇宙飛行士】金色に輝くISSの太陽電池パドルの姿に感動し、ISSは人類がつくり出した歴史上の建造物のうち1、2を争うようなすばらしいものではないかと思った。このような建造物をつくり出した人間の力のすごさを感じ、人間はやろうと思えばできるんだなと思った。
Q: ISSでは宇宙線を防ぐような工夫はされていますか?
【回答:リネハン宇宙飛行士】現在のところ、宇宙線を防ぐためには、水のような密度の高いものが役立っている。例えば、ペギー・ウィットソン宇宙飛行士(第16次長期滞在クルーのコマンダー)は、水を入れた袋を寝る場所に並べている。将来、火星やその他の惑星探査においても、宇宙線を防ぐのに水が活用されるだろう。
Q: これから、宇宙をどういう風に利用していくことが考えられますか?
【回答:土井宇宙飛行士】人間など生物が、宇宙でどのような影響を受けるか、宇宙に住めるのかどうかを調べたい。また、宇宙の無重量環境を利用した半導体や合金、タンパク質の結晶など、人類に役立つものをつくりたい。それから、ISSが全世界の人々が平和に楽しく暮らすことを学べる場になればと思う。
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