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国際宇宙ステーションの組立フライト ULF6(STS-134)

ミッション結果の要約

最終更新日:2011年06月07日

実施状況および結果

S3トラスに設置されたAMS-02

S3トラスに設置されたAMS-02

スペースシャトル「エンデバー号」によるSTS-134(ULF6)ミッションでは、アルファ磁気スペクトロメータ(Alpha Magnetic Spectrometer: AMS-02)と、ISSの船外で使用する軌道上交換ユニット(Orbital Replacement Unit: ORU)の予備品を搭載したエクスプレス補給キャリア3(Express Logistics Carrier 3: ELC-3)を国際宇宙ステーション(ISS)に運搬しました。

ミッション中に行われた船外活動では、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の把持部となり、SSRMS運用の基点となる電力・通信インタフェース付グラプル・フィクスチャ(Power and Data Grapple Fixture: PDGF)を「ザーリャ」(基本機能モジュール)の外部に取り付ける作業や、エンデバー号に搭載していたセンサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System: OBSS)をSSRMSの延長ブームとしてISSに恒久的に設置する作業など、ISSのメンテナンスに関わる作業とスペースシャトルの退役に備えた作業が行われました。

その他、終了した実験のサンプルなどが回収されました。JAXAに関連する回収物資としては、以下の実験結果資料が回収されました。

ミッション中には、NASAの開発試験ミッション(Development Test Objectives: DTO)の一環で、米国の次世代の有人宇宙機用の自動ランデブ/ドッキング用センサの試験運用(Sensor Test for Orion RelNav Risk Mitigation: STORRM)も実施され、その機能が確認されました。

また、ミッション中にISS長期滞在クルー6名のうち3名が帰還しました。スペースシャトルミッション中にISS長期滞在クルーがソユーズ宇宙船で帰還するのは初めてのことであり、ソユーズ宇宙船(25S)分離後、ソユーズ宇宙船(25S)に搭乗したクルーにより、エンデバー号がドッキングした状態のISSの撮影が試みられました。

ミッション概要

打上げと帰還

エンデバー号の打ち上げ

エンデバー号の打ち上げ

エンデバー号は、NASAケネディ宇宙センター(KSC)から、米国東部夏時間2011年5月16日午前8時56分(日本時間2011年5月16日午後9時56分)に打ち上げられました。

エンデバー号は、飛行17日目の6月1日午前2時35分(同6月1日午後3時35分)にKSCに着陸し、15日と17時間39分にわたるミッションを終えました。

なお、エンデバー号は、本ミッションが25回目のフライトであり、最後のフライトでした。

打上げと帰還
打上げ日時 2011年5月16日午前8時56分(米国東部夏時間)
2011年5月16日午後9時56分(日本時間)
着陸日時 2011年6月1日午前2時35分(米国東部夏時間)
2011年6月1日午後3時35分(日本時間)
詳細(全て米国東部夏時間)
  • 主脚接地時刻:6月1日午前2時34分51秒
  • 前輪接地時刻:6月1日午前2時35分04秒
  • 完全停止時刻:6月1日午前2時35分36秒
飛行時間 15日17時間39分

打上げの詳細はステータスレポート#01を、着陸の詳細はステータスレポート#33をご覧ください。

ISSへのドッキングと分離

ISSへのドッキングと分離
ドッキング日時 2011年5月18日午前5時14分(米国中部夏時間)
2011年5月18日午後7時14分(日本時間)
分離日時 2011年5月29日午後10時55分(米国中部夏時間)
2011年5月30日午後0時55分(日本時間)
結合時間 11日17時間41分

ドッキングの詳細はステータスレポート#05を、分離の詳細はステータスレポート#29をご覧ください。

船外活動

第4回船外活動を行うグレゴリー・シャミトフ宇宙飛行士

第4回船外活動を行うグレゴリー・シャミトフ宇宙飛行士

今回のミッションでは、4回の船外活動が計28時間44分にわたって行われました。ISSの組立てとしては、ISSから実施したものを含め、通算159回、計1,002時間43分の船外活動を実施したことになります。(参考:ISS組立のための船外活動

船外活動では、材料曝露実験装置(Materials ISS Experiment: MISSE)の回収と新しいMISSEの取り付け、左舷側の太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)の潤滑作業、P6トラスの太陽電池パドル熱制御システム(Photovoltaic Thermal Control System: PVTCS)へのアンモニア充填作業、OBSSのS1トラスへの設置などが行われました。

なお、第4回船外活動はスペースシャトルクルーが実施する最後の船外活動(※)であるとともに、ISSで行われた船外活動の累計時間が1,000時間を超えた記念すべき船外活動となりました。

※最後のスペースシャトルミッションとなるULF7(STS-135ミッション)では、ISS長期滞在クルーが船外活動を実施する計画となっています。

第1回船外活動(飛行5日目)
開始日時 2011年5月20日午前2時10分(米国中部夏時間)
2011年5月20日午後4時10分(日本時間)
終了日時 2011年5月20日午前8時29分(米国中部夏時間)
2011年5月20日午後10時29分(日本時間)
作業時間 6時間19分
作業者 アンドリュー・フューステル、グレゴリー・シャミトフ両宇宙飛行士
主要作業内容
  • MISSE-7の回収
  • MISSE-8の取り付け
  • S3トラスへの照明1台の設置
  • 第2回船外活動で実施するP6トラスのPVTCSへのアンモニア充填作業の準備作業
  • 「デスティニー」(米国実験棟)外壁へのワイヤレス通信アンテナの設置など

詳細は第1回船外活動ステータスレポート#09をご覧ください。

第2回船外活動(飛行7日目)
開始日時 2011年5月22日午前1時05分(米国中部夏時間)
2011年5月22日午後3時05分(日本時間)
2011年5月22日午前9時12分(米国中部夏時間)
2011年5月22日午後11時12分(日本時間)
作業時間 8時間07分
作業者 アンドリュー・フューステル、マイケル・フィンク両宇宙飛行士
主要作業内容
  • P6トラスのPVTCSへのアンモニア充填作業
  • 左舷側SARJの潤滑作業
  • 「デクスター」(特殊目的ロボットアーム)のカメラへのレンズカバーの装着
  • デクスターのエンドエフェクタ(把持手)の潤滑作業など

詳細は第2回船外活動ステータスレポート#13をご覧ください。

第3回船外活動(飛行10日目)
開始日時 2011年5月25日午前0時43分(米国中部夏時間)
2011年5月25日午後2時43分(日本時間)
2011年5月25日午前7時37分(米国中部夏時間)
2011年5月25日午後9時37分(日本時間)
作業時間 6時間54分
作業者 アンドリュー・フューステル、マイケル・フィンク両宇宙飛行士
主要作業内容
  • ザーリャ外部へのPDGFと、ビデオ信号変換器(Video Signal Converter: VSC)の設置
  • 米国側からザーリャへの電力供給配線の敷設
  • デスティニー外壁へ設置したワイヤレス通信アンテナの配線接続作業(第1回船外活動で実施できなかった残作業)など

詳細は第3回船外活動ステータスレポート#19をご覧ください。

第4回船外活動(飛行12日目)
開始日時 2011年5月26日午後11時15分(米国中部夏時間)
2011年5月27日午後1時15分(日本時間)
2011年5月27日午前6時39分(米国中部夏時間)
2011年5月27日午後8時39分(日本時間)
作業時間 7時間24分
作業者 マイケル・フィンク、グレゴリー・シャミトフ両宇宙飛行士
主要作業内容
  • OBSSのS1トラスへの設置
  • P6トラスのPDGFを回収し、OBSS後端のグラプル・フィクスチャ(Electrical Flight Grapple Fixture: EFGF)と交換
  • デクスターの予備アームの固定解除など

詳細は第4回船外活動ステータスレポート#23をご覧ください。

船内活動

第3回船外活動クルーをサポートするシャミトフ宇宙飛行士

第3回船外活動クルーをサポートするシャミトフ宇宙飛行士

  • スペースシャトルのロボットアーム(Shuttle Remote Manipulator System: SRMS)とSSRMSの運用(AMS-02の取り付け、ELC-3の取り付け、OBSSの設置など)
  • ISSの米国側の二酸化炭素除去装置(Carbon Dioxide Removal Assembly: CDRA)のメンテナンス作業支援
  • 船外活動の支援
  • エンデバー号とISS間の物資の移送
  • JAXAの「国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士の身体真菌叢評価(Myco)」実験のサンプル採取
  • テレビ局、通信社とのインタビューなどの広報活動

主な問題など

電力分配箱(LCA-2)の故障

LCA-2の交換作業が終了したオービタ後方区画

LCA-2の交換作業が終了したオービタ後方区画

エンデバー号の打上げは、当初、米国時間4月29日に予定されていましたが、打上げ当日の準備作業において、補助動力装置(Auxiliary Power Unit: APU)1台(APU1)のヒータ回路1基が起動しなかったため、打上げが延期されました。

APUは、オービタの可動翼(エレボンやラダー)などの油圧システムに動力を供給するシステムで、ヒドラジンをガス化し、このガスでタービンを回して油圧ポンプを駆動させます。ヒータ回路は各APUに2基あり、軌道周回中にヒドラジンが凍結するのを防ぐ役割があります。NASAの打上げ制約とフライトルールでは、APU3台全てと各ヒータが正常でなければ打上げは認めていません。

ヒータが起動しなかった原因を調査した結果、オービタ後方区画の電力分配箱(Load Control Assembly 2: LCA-2)の故障が原因であることが判明し、LCA-2の交換が行われました。

故障したLCA-2を検査したところ、LCA-2内の回路がショートしていることが確認されました。ショートが生じた根本的な原因がLCA-2内か、ヒータのサーモスタットとLCA-2間の電気配線に問題があったと考えて、APUヒータとLCA-2間に新しいバイパス配線を設置した状態でAPUヒータを起動したところ、正常に動作することが確認されました。

機体底部の耐熱タイルの損傷

機体底部の損傷箇所

機体底部の損傷箇所(左が損傷箇所を写した画像、右のイメージの赤い点が損傷箇所の位置)

飛行3日目のISSとのランデブ時にISSからスペースシャトルを撮影した写真を点検した結果、機体底部の耐熱タイルが損傷していたことが確認され、飛行6日目にOBSSを使用した機体の詳細点検が行われました。

詳細点検の対象となった損傷個所は、外部燃料タンク(External Tank: ET)とオービタとの接続部であるアンビリカル・ドアと右主脚のドアの間に位置する耐熱タイルで、大きさ約8.2cm×6.3cm、深さ約1.8cmの損傷が確認されましたが、OBSSで検査した結果、帰還に問題ないことが確認されました。

この損傷は、SRBカメラの映像を点検した結果、ETに付着していた氷が打上げ約70秒後に落下して衝突したことが分かりました。STS-134で使用したETはコロンビア号事故前に製造された古いETであったため、改良前の古い設計が原因であった固有のトラブルとして、次のSTS-135の打上げには影響しないと判断されました。

(写真は全て出典:JAXA/NASA)

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