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国際宇宙ステーションの組立フライト ULF3(STS-129)

ミッション結果の要約

最終更新日:2009年12月07日

実施状況および結果

分離したアトランティス号から撮影したISS

分離したアトランティス号から撮影したISS

スペースシャトル「アトランティス号」によるSTS-129(ULF3)ミッションでは、国際宇宙ステーション(ISS)の船外に設置されている機器が故障した場合に修理のために交換される軌道上交換ユニット(Orbital Replacement Unit: ORU)の予備品多数を、2台のエクスプレス補給キャリア(Express Logistics Carrier: ELC)に搭載してISSに運搬しました。今回のミッションにより、スペースシャトルが退役した後も、ISSを5年以上維持していく目処が立つようになりました。残り5回のスペースシャトルのフライトで、確実にISSを5年以上維持できるようにしていきます。

ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)によりS3トラスへ設置されるELC-2

ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)によりS3トラスへ設置されるELC-2

ミッション中は、ELCのISSへの取付けや、STS-130ミッションで打ち上げられる「トランクウィリティー」(第3結合部)の結合に備えて、結合部である「ユニティ」(第1結合部)左舷側の共通結合機構(Common Berthing Mechanism: CBM)を改造する作業などが行われました。

船外活動では、ELCおよびアトランティス号のペイロードベイ(貨物室)に搭載して運搬した機器のISSへの設置や、ISSの今後の組立てに向けた準備、メンテナンス作業などが行われました。

また、第20次/第21次長期滞在クルーとして約2ヶ月間ISSに滞在した、NASAのニコール・ストット宇宙飛行士が帰還しました。ストット宇宙飛行士は、スペースシャトルで帰還する最後のISS長期滞在クルーとなりました。

その他、終了した実験のサンプルなどが回収されました。JAXAに関連する回収物資としては、「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」「カイコ生体反応による長期宇宙放射線曝露の総合的影響評価(Rad Silk)」の実験成果、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)技術実証機の船内環境温度を記録した温度データロガーが回収されました。

ミッション概要

打上げと帰還

写真:アトランティス号の打上げ

アトランティス号の打上げ

アトランティス号は、NASAケネディ宇宙センター(KSC)から、米国東部標準時間2009年11月16日午後2時28分(日本時間2009年11月17日午前4時28分)に打ち上げられました。今回の打上げは、機体の異常や打上げ当日の天候不良もなく、予定通り行われました。

アトランティス号は、飛行12日目の11月27日午前9時44分(同11月27日午後11時44分)にKSCに着陸し、10日と19時間16分にわたるミッションを終えました。帰還も打上げと同様に、予定通り行われました。

打上げと帰還
打上げ日時 2009年11月16日午後2時28分(米国東部標準時間)
2009年11月17日午前4時28分(日本時間)
着陸日時 2009年11月27日午前9時44分(米国東部標準時間)
2009年11月27日午後11時44分(日本時間)
詳細(全て米国東部標準時間)
  • 主脚接地時刻:11月27日午前9時44分23秒
  • 前輪接地時刻:11月27日午前9時44分36秒
  • 完全停止時刻:11月27日午前9時45分05秒
飛行時間 10日19時間16分

打上げの詳細はステータスレポート#01を、着陸の詳細はステータスレポート#23をご覧ください。

ISSへのドッキングと分離

ISSへのドッキングと分離
ドッキング日時 2009年11月18日午前10時51分(米国中部標準時間)
2009年11月19日午前1時51分(日本時間)
分離日時 2009年11月25日午前3時53分(米国中部標準時間)
2009年11月25日午後6時53分(日本時間)
結合時間 6日17時間02分

ドッキングの詳細はステータスレポート#05を、分離の詳細はステータスレポート#19をご覧ください。

船外活動

第1回船外活動で「きぼう」ロボットアームのエンドエフェクタ(把持手)の潤滑作業を行うロバート・サッチャー宇宙飛行士

第1回船外活動で「きぼう」ロボットアームの潤滑作業を行うロバート・サッチャー宇宙飛行士

今回のミッションでは、3回の船外活動が計18時間27分にわたって行われました。ISSの組立てとしては、ISSから実施したものを含め、通算136回、計849時間24分の船外活動を実施したことになります。(参考:ISS組立のための船外活動

船外活動では主に、アトランティス号のペイロードベイ(貨物室)やELCに搭載して運んだ機器のISSへの設置、トランクウィリティーの結合準備、ペイロード/軌道上交換ユニット把持装置(Payload and Orbital Replacement Unit Accommodation: POA)と「きぼう」日本実験棟ロボットアームのエンドエフェクタ(把持手)の潤滑、ペイロード取付けシステム(Payload Attach System: PAS)の展開、「コロンバス」(欧州実験棟)外部へのアンテナの設置、浮動電位測定装置(Floating Potential Measurement Unit: FPMU)の移設、ワイヤレスビデオ送受信器(Wireless Video System External Transceiver Assembly: WETA)の取付け作業が行われました。

第1回船外活動(飛行4日目)
開始日時 2009年11月19日午前8時24分(米国中部標準時間)
2009年11月19日午後11時24分(日本時間)
終了日時 2009年11月19日午後3時01分(米国中部標準時間)
2009年11月20日午前6時01分(日本時間)
作業時間 6時間37分
作業者 マイケル・フォアマン、ロバート・サッチャー両宇宙飛行士
主要作業内容
  • Sバンドアンテナ(S-band Antenna Structural Assembly: SASA)の保管
  • Kuバンドアンテナのケーブル敷設
  • トランクウィリティー結合の準備
  • POAと「きぼう」ロボットアームの潤滑
  • S3トラス下側のPASの展開

詳細は第1回船外活動ステータスレポート#07をご覧ください。

PASの展開作業は第2回船外活動で予定されていましたが、他の作業が予定より早く進んだため、前倒しで第1回船外活動で実施されました。

第2回船外活動(飛行6日目)
開始日時 2009年11月21日午前8時31分(米国中部標準時間)
2009年11月21日午後11時31分(日本時間)
終了日時 2009年11月21日午後2時39分(米国中部標準時間)
2009年11月22日午前5時39分(日本時間)
作業時間 6時間08分
作業者 マイケル・フォアマン、ランドルフ・ブレスニク両宇宙飛行士
主要作業内容
  • コロンバス外部へのアンテナの設置
  • FPMUの移設
  • S3トラスの上側と下側のPASの展開
  • WETAの取付け

詳細は第2回船外活動ステータスレポート#11をご覧ください。

S3トラス上側のPASの展開作業は、第3回船外活動で行われる予定でしたが、第1回船外活動で前倒しでPASを1基展開したため、第2回船外活動で実施されることになりました。ロシアの小型研究モジュール2(Mini-Research Module 2: MRM2)の誤警報のため、船外活動時間が当初の計画より30分短縮されていましたが、作業が早く進んだため、S3トラス下側のPASの展開作業も前倒しで行われました。S3トラスには上側に2基、下側に2基の計4基のPASが装備されています。上部の1基はSTS-128ミッションで展開済みで、残り3基のPASを本ミッションで展開したことになります。

第3回船外活動(飛行8日目)
開始日時 2009年11月23日午前7時24分(米国中部標準時間)
2009年11月23日午後10時24分(日本時間)
終了日時 2009年11月23日午後1時06分(米国中部標準時間)
2009年11月24日午前4時06分(日本時間)
作業時間 5時間42分
作業者 ランドルフ・ブレスニク、ロバート・サッチャー両宇宙飛行士
主要作業内容
  • 高圧ガスタンク(High Pressure Gas Tank: HPGT)の取付け
  • 材料曝露実験装置7(Materials ISS Experiment: MISSE-7)の取付け

詳細は第3回船外活動ステータスレポート#15をご覧ください。

サッチャー宇宙飛行士の宇宙服の飲料水バッグのバルブが緩んでいたため、予定よりも1時間以上遅れて開始されましたが、予定されていた作業に加え、前倒しの作業も実施されました。

船内活動

写真:記念撮影を行うSTS-129クルー

記念撮影を行うSTS-129クルー

  • スペースシャトルのロボットアーム(Shuttle Remote Manipulator System: SRMS)とSSRMSの運用(ELCのISSへの取付けなど)
  • ユニティ左舷側のCBM改造
  • 船外活動の支援
  • アトランティス号とISS間の物資の移送
  • テレビ局、通信社とのインタビューなどの広報活動

主な問題など

ロシアのMRM2で発生した誤警報

飛行4日目と飛行5日目のクルー就寝後、ロシアのMRM2から急減圧発生との誤警報が鳴りました。

1回目の誤警報は、11月20日午前10時36分に発生しました。クルーが飛行4日目の作業を終え、就寝を開始してからおよそ30分後の出来事でした。この警報により、ISSは自動的に空調システムを停止し、コロンバスの煙探知機もほこりが舞い上がったことで誤警報を発生しました。

2回目の誤警報は、クルーが飛行5日目の作業を終え、就寝を開始してから2時間以上たった11月21日午前11時53分に発生しました。

2回目の誤警報でもISSは自動的に空調システムを停止し、コロンバスと「クエスト」(エアロック)の2箇所で煙探知器が誤警報を発生しました。この際、クエストでは飛行6日目の第2回船外活動に向けてマイケル・フォアマン、ランドルフ・ブレスニク両宇宙飛行士がキャンプアウトを行っていましたが、中断されました。

キャンプアウトを実施できる状態にクエスト内の環境を戻すには時間がかかることから、キャンプアウトはこの時点で中止し、起床後にマスクを装着して純粋な酸素を呼吸しながら運動をすることで、体内の血液中から窒素を減らす代替手順に変更されました。

2回の誤警報とも就寝中に発生したため、翌日の起床時間はそれぞれ30分遅れることになりました。また、飛行6日目は起床時間を遅らせたことにより、第2回船外活動の実施時間も30分短縮されました。

誤警報を防ぐため、MRM2の警告・警報パネル(C&Wパネル)のコマンドをインヒビットする処理が施されましたが、インヒビットすることができず、アトランティス号のドッキング中はC&Wパネルの電源を落とすことになりました。

なお、アトランティス号の分離後、米国のモジュール側でMRM2のC&Wパネルからの警報をインヒビットするパッチが適用されたため、今後は再発する恐れはないと考えられています。誤警報が発生した原因は調査中です。

※特に断りのない限り、日時は日本時間です。
※写真は全てNASA提供。

 
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