「濡らしたタオルを絞る」
タオルに水を含ませて絞ったときの、タオルからしみ出た水の振る舞いを観察しました。地上では水滴が足元の方にだけ落ちますが、絞ると布からしみ出た水は、床に落ちることなく、色々な方向に小さな水玉になって飛んでいくか、手に広がっていきました。
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2011年9月22日と10月29日の2日間にわたり、古川宇宙飛行士が「きぼう」日本実験棟にて「宇宙ふしぎ実験」を実施しました。
皆様からご応募いただいたアイデアから選定したテーマに加え、アジア諸国から提案されたテーマおよびJAXAが教材作成を目的に考えたテーマを実施しました。
※皆様からご応募いただいた中から選定したテーマのうち、「氷解」と「宇宙うず巻き」については、準備の都合により、古川宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する間に実施できませんでした。この2テーマについては、2012年にISSに長期滞在する星出宇宙飛行士が実施する予定です。
タオルに水を含ませて絞ったときの、タオルからしみ出た水の振る舞いを観察しました。地上では水滴が足元の方にだけ落ちますが、絞ると布からしみ出た水は、床に落ちることなく、色々な方向に小さな水玉になって飛んでいくか、手に広がっていきました。
微小重力環境下でも静電気は起きるのか実験し、地上と同じ様に静電気が発生することを確認しました。実験では、静電気を帯びた風船に紙が吸い寄せられました。
この実験終了後、静電気によって機器が壊れないよう、古川宇宙飛行士は身体に蓄えられた電気を逃がすために接触しても良い個所に触れました。
バネは、もともとらせん状に巻かれているので、振動させればいろいろな方向に揺れるはずです。地上では重力が垂直方向にかかっているため、あまりぶれないで振動します。しかし、無重量環境の場では、方向に関係無いことが古川宇宙飛行士の実験からわかります。
バネにおもりを付けても、地上の様にバネは伸びません。いろんな方向にバネを振ってみると、振っている方向に回り出します。おもりを引っ張って離してみると、バネが縮んだ所で、止まってしまい、地上の様に振動しません。強力なバネに交換しても同じ結果です。
風船をふくらませて手を離すと、空気が吹き出す方向と反対方向に風船は進みます。無重量環境下でも、作用反作用の法則は成り立つことが分かります。また、微小重力のため、直線的に進む様子を見ることができます。
ふくらんだ風船を割る実験は、宇宙船の中という制限があり、安全のため細かな破片を飛散させることができずにわかりにくい実験になりましたが、風船の破裂は圧力差で起こる現象ですので、無重量環境下でも地上と同じ様に勢いよく割れます。
ヨーヨーは、エネルギー変換、角運動量の保存などの学習内容を理解する上で、微小重力環境での振る舞いを考察する優れた教材になります。
地上では、手を離すだけで重力によってヨーヨーは落ちながら位置エネルギーを失い運動エネルギーに変換されます。無重量環境では、ヨーヨーは手から離れません。地上と同じ様にヨーヨーで遊ぶには、投げることでヨーヨーに運動エネルギーを与えます。
角運動量は宇宙でも保存されますので、重力の影響を受けない環境では、どの方向に投げても同じ速度で手元に帰ってきます。地上では重力の影響により、ヨーヨーが手元に戻ってくるにつれて遅くなりますが、古川宇宙飛行士の手元を見ると速度が変わっていないことがわかります。
地上でシャボン玉が割れる原因のひとつとして、シャボン玉の水の膜の厚さが重力の影響で玉の上側でどんどん薄くなっていくためと考えられます。そこで、無重量環境の場でシャボン玉をふくらませれば水の膜が均等に薄くふくらんでいくため、長時間割れないと予想されます。実際にシャボン玉をふくらませてみると、水が下に移動する様子が見えず、均等に膨らんでいることが見て取れます。
同じ大きさのふたつの物体(今回使用したのは鉄と木)を互いに衝突させると、質量の大きい方(鉄)が小さい方(木)を弾き飛ばします。片方を止めた状態でもう片方をぶつけてみます。質量の小さい方に大きい方をぶつけると小さい方がはじき飛ばされますが、逆に質量の大きい方に小さい方をぶつけると、小さい方が弾き返されます。質量の小さい物体と大きい物体を同じ方向に同じ力で押してみると、質量の大きさに関係なく同じ速さで進みます。
実験装置のない所での実験のため、左右の手だけでそれぞれの物体を同時に離したり、同じ速度でぶつけたり、正確に両者の重心をぶつけ合わせることは困難ですが、こうした条件下でも、ある程度運動量保存の法則について理解できる結果となっています。
地磁気が地球を取り巻いていることを、実際に確かめることができるでしょうか。
国際宇宙ステーション(ISS)の進行方向と方角の関係を踏まえた上で、方位磁石の指す方角が地上と同じであることを確認し、少なくともISSが飛行している地上400kmでも地磁気圏の中であることがわかりました。
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