スペースシャトル帰還後の組立作業
最終更新日:2007年11月26日
STS-120ミッション中、スペースシャトルは、「デスティニー」(米国実験棟)前方に取り付けられた与圧結合アダプタ(Pressurized Mating Adapter: PMA-2)にドッキングしています。そのため、デスティニーとPMA-2の間に取り付けられる「ハーモニー」(第2結合部)は、ミッション中、ひとまず「ユニティ」(第1結合部)に設置されます。
その後、スペースシャトルがISSから分離した後に、ハーモニーを本来の取付け場所へ移設する作業が第16次長期滞在クルーによって行われます。また、P1トラスのラジエータの展開も行われます。主な作業は、以下の通りです。
スペースシャトル帰還後のISS組立作業終了後のイメージ
(※赤い部分がスペースシャトル帰還後に変わる箇所)
1. 与圧結合アダプタ(PMA-2)のハーモニーへの移設
米国中部標準時間11月12日午前5時29分(日本時間11月12日午後8時29分)、第16次長期滞在クルーが「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)を使用して、ユニティに接続しているハーモニーへPMA-2を移設しました。
※このための準備作業(PMA-2とディスティニー間の配線類の切離し作業など)を行う船外活動が、第16次長期滞在クルーにより、11月9日午前3時54分(同11月9日午後6時54分)から6時間55分にわたり行われました。
PMA-2のデスティニーからハーモニーへの移設(提供:NASA)
カナダアーム2によるPMA-2のハーモニーへの移設(提供:NASA)
2. ハーモニーのデスティニーへの移設
カナダアーム2により移設されるハーモニー(提供:NASA)
PMA-2が取り付けられたハーモニーを、カナダアーム2を使用して、ユニティからデスティニー前方へ移設しました。この作業は11月14日午前2時58分(同11月14日午後5時58分)から開始され、11月14日午前4時45分(同11月14日午後7時45分)に完了しました。
11月20日、11月24日には、ハーモニーの完全な起動に向け、第16次長期滞在クルーによる船外活動が実施されました。船外活動ではハーモニー外部の整備作業などが行われ、11月24日の船外活動終了後、地上からハーモニーは完全に起動されました。
ハーモニーの移設(1)(提供:NASA)
ユニティに仮設置されたハーモニーをカナダアーム2が把持
ハーモニーの移設(2)(提供:NASA)
カナダアーム2によりハーモニーをデスティニーへ取付け
3. P1トラスのラジエータの完全展開
P1トラスのラジエータ(提供:NASA)
(※ザーリャの左舷側の太陽電池パネルは、P1トラスの残り2枚のラジエータを展開した際に干渉するため、2007年9月に折り畳まれています。)
米国中部標準時間11月15日午前5時(日本時間11月15日午後8時)から午前6時(同午後9時)頃にかけて、P1トラスの残り2枚のラジエータを展開しました。ラジエータは、S1トラスのラジエータ展開時(STS-120ミッション中に展開済)と同様、火工品(Squib Firing Unit: SFU)により展開されました。
※このための準備作業は、第3回船外活動で行われました。