このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。
<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。
第9回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
「微小重力下での水時計と砂時計」
お茶の水女子大学
野中 杏菜
今日は実験装置の梱包と送り出しをした。
大きいスーツケースに入れて送るはずが、予想外に入らずダンボールで送り出すことになった。しかもそのダンボールもふたが閉まらず、プラ段で無理やり蓋をして送付。かなり怪しい見た目の荷物になってしまった。
なんとか無事送ることができて一安心。
ひたすらセルの作成。砂時計の設計はかなり試行錯誤したが、結果的に本来の砂時計に近い形のものができたため満足。
液体の調整も行った。砂時計と時間に差があるため、組み合わせは要検討。
一時はどうなるかと思ったが、セル16個が完成した。
始めは3時間で2つしかできなかったのが、今日は2時間で3つもできるようになり、嬉しかった。
今日は大学で作業ができる最後の日。
持ち物のチェックやセルの微調整などであっという間に時間がたっていった。
今日の作業が終わり、帰宅するときの解放感と充実感・・・!
いや、実験はこれからが本番なのですが。
いよいよDAS入構。
ラックに実験装置を取り付ける作業を行った。始めは順調だったのだが、最後の電気回路チェックでLEDライト(実験開始信号)がつかなくなってしまった。
DASの方々にも試行錯誤していただいたがどうにもならず、諦めて別のライトを使おうとするもそれもテストで作動しない。
と、ふと元のLEDをみると、
何 故 か 点 灯 し て い る 。
原因を探すもわからず、まあ点いたからいいということにした。
結局、原因は謎のままである。
またLEDが謎の不点灯を起こした。
が、今日は解決策が見つかった。それは、ほかの電気機器の電源を入れてからLEDの電源を入れるという方法だ。そういえば、昨日も一度抜いたんだっけ・・・。
午後になり、EMIを行った。電気機器の作動自体には問題がなかったのだが、エンジンの振動でビデオカメラが共振を起こしてしまった。ゴムを敷いたりカメラと壁の間にスポンジを入れたりゴムバンドで縛ったりと思いつく限りの解決法を試してみたが明日どうなる事やら。
いよいよフライト1日目。
私は車酔いもするし絶叫系の乗り物も苦手だし、正直酔わないか不安だった。
とりあえず朝ご飯は食べ過ぎないようにし、いただいた酔い止めを飲み、変に力が入らないように楽しむ自己暗示を掛けまくり、先輩に色々アドバイスをもらい・・・。
いざ搭乗。連続8回はさすがに最後のほう危なかったけれど、ほとんど元気に楽しむことができた。一番初めの2Gで「うおっ」って言ってしまった・・・だって驚いたんだもの。
初0G、当たり前といえばあたりまえだけど本当に体が浮いて、やたら感嘆符を口走っていたような気も・・・イメージ的には抵抗のない水中のような感覚。
考えてみれば、どこに行くわけでもなくただ飛ぶために飛行機に乗ること自体、普通に生きていたらまずないことなのに、さらに無重力空間まで体感できるというのは、本当に貴重で贅沢な時間だと思う。
実験の方もかなりおもしろい画像が撮れていた。今日見るだけでも考えられることを、思いつくままにチーム4人で議論していった。
フライト2日目。
普段は酔ったことがない私だが、不安でいっぱいの中、飛行機に乗り込んだ。
そしていよいよ1回目のパラボリックフライトの時、無重力になった瞬間、私は天井近くまで浮かび上がってしまった。一瞬何が起こったのか分からなく、とても焦った。30秒前に実験の操作があるのだが、その後、緊張しすぎてシートベルトを締め忘れてしまっていたらしい。今振り返ると、もう少しその浮遊を楽しめばよかったなと思う。最初だったからパニックで固まってしまった。
その後は、順調に実験を観察できていた。2Gの時は体中が重くて動かすのが大変だったが、無重力の時はふわふわ浮いて、手持ちのデジタルカメラで動画を撮影したり、とても楽しかった。
最後の2回は、私たちのチームの要望で、0Gへの移行をゆっくりにすることと0.1Gの2つのフライトを行ってもらえた。それぞれ1回だったので、実験も1発勝負なので失敗しないよう念入りに確かめながら、行った。
今回のフライトは操縦士さんが引き返したいと思うほど気流が悪かったらしい。人生でこんなに揺れる飛行機は初めてだった。パラボリックフライトは平気だったのだが、普通の飛行で酔いそうになった。なんとか酔わずにフライトを終えることが出来てホッとしている。
▲ ページのトップへ
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency | サイトポリシー・利用規約 ヘルプ |