図A1. 宇宙絵画Aの分析図 「“上昇する6つの輪”を船内の6人の宇宙飛行士に見立てる」という当初のインストラクションどおり、6つの輪に6人の宇宙飛行・mを仮に当てはめてみる。 6つの輪の中で左下の単独の輪の密度が高く、右側に浮かぶ他の輪の連なりとバランスを保っている点で、これを土井氏自身、また他の輪を残り5人のクルーたちとみなせば、一見平板な画面にも、リアリティをもった空間性が立ち現れてくる。 また、左上から右下に大きくつながる線を地球を表す曲線とみなせば、一見固定されたかに見える上下の枠組は再び流動化される。例えば、画面の手前方向を下、奥行き方向を上とみなすことも可能だろう。そうなれば、左上の黒とそれに向かう円の列は、意識的あるいは無意識的に暗黒の宇宙の深さを表現していると思われ、たいへん興味深い。 |