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陶山慎晃(医学新聞メディカルトリビューン編集部記者)
宇宙医学の魅力は、一つ目は宇宙空間が及ぼす身体への影響が分かる、つまり未知の世界への好奇心を刺激する点です。二つ目は宇宙飛行士の健康管理策を地上の医療へ応用できること、三つ目は多くの患者、医療者、国民に希望を与える将来性があることです。
宇宙医学の成果を地上の医療に応用できる具体例としては、まず、宇宙での閉鎖・隔離環境における精神的ストレスをケアするノウハウが、地上で隔離・閉鎖環境におかれた人々(例:2009年の新型インフルエンザ、2010年のチリ鉱山落盤事故)への精神的なサポートに活用された事例があります。東日本大震災の際も、外部との交流が絶たれ、様々なひとが狭い空間に住むという、宇宙空間にも通ずる環境ができました。このような環境での対応にも宇宙医学の成果が活用できます。
また、宇宙空間ではモニターや通信機器を使い健康診断を行います。これらの技術を積み重ねることで、離島や過疎地などの遠隔医療システムにも一役かうと考えています。
こういった魅力をいかに伝えるかは、大変難しい課題です。ニュース記事は5W1Hを基本にして人々にものを伝えるわけですが、特に「いつ」「どのように」伝えるかが重要です。
「いつ伝えるか」ですが、実験・研究が終了し、その成果を発表する時、または、自国の宇宙飛行士の活動に合わせて(宇宙に行く前、宇宙滞在中、地上への帰還後)伝えたり、医療に関する記念日・イベントに合わせて宇宙医学をアピールをするのが良いと思います。
「どのように伝えるか」ですが、簡単な言葉で分かりやすく 、興味深いエピソードも交えて 、将来への希望を見出せるような内容を伝えることができれば良いでしょう。例えば、映画や漫画等、やわらかい方法で宇宙医学への入口を広く開いて、多くの人の理解を得ることができれば良いと思っています。
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