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国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国立研究開発法人理化学研究所
女子栄養大学
早稲田大学
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、人工重力を発生させるターンテーブル上で小動物(マウス)を飼育する装置、MARS(Multiple Artificial-gravity Research System、遠心機能付き飼育装置)を開発し、2016年に初めて、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟内において微小重力環境(μg)および人工重力環境(人工1g)で同時に長期飼育を行いました(第1回マウスミッション)。MARSでは重力以外の飼育環境条件が同一であるため、微小重力または人工重力が生体に与える影響の比較が可能になりました(Shiba, D et al. Scientific Reports 2017)。
第1回ミッションにおいて、μg環境マウスの飲水から水漏れすることがあったため、MARSを改良し、第2回マウス長期飼育ミッションを、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟において実施しました。今回のミッションは30日間で、マウス12匹のうち、半数の6匹をμgで、対照となる6匹を人工1gで飼育しました。ミッション期間中、改良型MARSのμgおよび人工1gでは水漏れは発生せず、飼育環境は安定しており、改良が成功したことが示されました。また、今回は餌の介入として、両群とも半数3匹のマウスにフラクトオリゴ糖(FOS)入りの餌を与え、マウスの体重に及ぼす影響を比較しました。改良型MARSでは重力と餌の影響が同時に検証可能であることが示され、この成果は、英国の科学誌ネイチャー(Nature)の姉妹誌である、オンラインジャーナル「npjマイクログラビティ(npj Microravity)」で2019年7月8日に公開されました。
FOSの効果は理化学研究所、女子栄養大、早稲田大学が現在、検証を行っており、別途論文を準備中です。
「きぼう」を使った小動物飼育ミッションに関するお問い合わせ
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門 事業推進部
TEL: 050-3362-3202 FAX: 029-868-3950
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