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「きぼう」日本実験棟

開発

最終更新日:2007年11月16日

「きぼう」日本実験棟の開発では、開発過程を「開発基礎試験」、「エンジニアリングモデル(Engineering Model: EM)製作試験」、および「プロトフライトモデル(Proto Flight Model: PFM)製作試験」の3つに分けて実施しました。

(1) 開発基礎試験の段階

実物大模型(モックアップ)によるアクセス性評価試験

実物大模型(モックアップ)によるアクセス性評価試験

開発基礎試験の段階では、開発上重要な構造や電子回路などの機能を検討したり、基本的な設計仕様の妥当性を確認するために、実物大模型(モックアップ)やブレッドボードモデル(BBM)を製作して、必要なデータを取得しました。なお、BBMとは、宇宙用ではなく、地上の一般用部品や材料を使用した簡易モデルのことです。

(2) エンジニアリングモデル(EM)製作試験の段階

船外実験プラットフォーム(EF)エンジニアリングモデル(EM)

船外実験プラットフォーム(EF)エンジニアリングモデル(EM)

EM製作試験の段階では、機械的、電気的な設計仕様を確立したり、試験方法を確立したり、製造工程を確立するため、フライトモデルに近い形態の技術試験モデルを製作して、必要なデータを取得しました。また、認定モデルを用いた試験では、設計の中に潜んでいるかも知れない欠陥を見いだすため、実際に運用される条件に対して、安全余裕を見込んで、より厳しい条件のもとで試験を実施しました。このように、EM製作試験の段階では、設計および製造方法が、技術要求に適合したハードウエアやソフトウェアを製作するのに適していることを確認して、プロトフライトモデル(PFM)製作試験の段階へと移行しました。

EM製作試験は、筑波宇宙センター(TKSC)において実施された各要素を結合した全体システム試験が平成10年10月に終了したことにより、全ての作業が完了ました。

船外実験プラットフォームを例に、EMの試験の様子は以下の通りです。

NO.1 船外実験プラットフォームエンジニアリングモデル(EM)システム外観写真 この写真は、船外実験プラットフォームエンジニアリングモデル(EM)の外観写真です。試験の目的が達成できる範囲で一部の機器を開発基礎試験で製作したものを活用したり、宇宙用でない汎用の部品/材料を使用したりしてコストを低減化しています。
NO.2 船外実験プラットフォームエンジニアリングモデル(EM)システム機能・性能試験
機能・性能試験は、船外実験プラットフォームシステムが電気的、機械的要求を満足することを検証するための試験です。
NO.3 船外実験プラットフォームエンジニアリングモデル(EM)システム熱真空試験
システム熱真空試験は、船外実験プラットフォームシステム全体が、運用中に想定される熱真空環境に対して、規定の性能を満足することを確認するための試験です。
この試験は、宇宙空間と同じ様な熱的環境や真空環境を模擬することのできる熱真空チャンバを用いて実施されました。
NO.4 船外実験プラットフォームエンジニアリングモデル(EM)電磁適合性試験
電磁適合性試験は、船外実験プラットフォームシステムを構成する機器相互間や、外部の電気機器間の電磁干渉特性が要求を満足することを確認するために実施するものです。
NO.5 船外活動(EVA)無重量シミュレーション試験
EVA無重量シミュレーション試験は、水中における中性浮力を利用することにより、無重量を模擬し、船外活動をシミュレーションする試験です。船外活動での作業性を確認するために実施します。
写真は、軌道上交換ユニット(Orbital Replacement Unit: ORU)を交換しているところです。

 

(3) プロトフライトモデル(PFM)製作試験の段階

船内実験室(PM)プロトフライトモデル(PFM)

船内実験室(PM)プロトフライトモデル(PFM)

PFM製作試験の段階では、国際宇宙ステーション(ISS)本体に取り付けられる実機モデルが製作されました。この段階では、EM製作試験の段階で確立された設計仕様および製造方法で製作された実機モデルに、材料および製造上の欠陥がないことを確認するため、実際に運用される条件の下に、各種の試験が行われました。

 
 
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