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星出宇宙飛行士は、日本時間11月1日午後9時29分から同11月2日午前4時07分にかけて、NASAのサニータ・ウィリアムズ宇宙飛行士とともに、国際宇宙ステーション(ISS)滞在中自身にとって3度目となる米国の船外活動(US EVA20)を実施しました。
今回の船外活動では、太陽電池パドル熱制御システム(Photovoltaic Thermal Control System: PVTCS)で起きている、冷媒として使用している液体アンモニアのリークに対応する作業を行いました。
PVTCSは、太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)からの電力をISSへ給電する機器を冷却するシステムです。ISSに8系統ある給電系統のうち、1系統(2B系統)の機器を冷却するPVTCSに、2007年12月頃より、冷媒であるアンモニアが徐々に減っていることが確認されています。このPVTCSにおいて、2012年6月以降、アンモニアのリーク量が急上昇し、2012年末までに冷媒が枯渇する可能性が判明しました。冷媒の枯渇は、2B系統の電力遮断につながり、ISS電力系へのインパクトが大きいため、船外活動での早急な対応が必要な状況であることから、今回の船外活動が実施されることになりました。
船外活動は、6時間38分にわたって実施されました。PVTCSは、ポンプ流量制御システム(Pump and Flow Control System: PFCS)、ラジエータなどで構成されており、ラジエータが最も疑わしいリーク源と考えられています。星出、ウィリアムズ両宇宙飛行士は、予備のラジエータへ、アンモニアの配管を繋ぎ換えるとともに、予備のラジエータの展開準備を行いました。
① 初期アンモニア充填装置(Early Ammonia Servicer: EAS)ジャンパの繋ぎ替え(予備のラジエータの流体ラインへ接続)
② 流体コネクタ結合機構(Fluid Quick Disconnect Coupling: FQDC)の分離(現在使用しているラジエータの流体ラインを切り離し)
① 保護カバーの取外し
② 固定している伸縮棒の固定ピンの取外し
展開準備が整うと、予備のラジエータは、地上の運用管制チームからのコマンドで展開されました。
リーク箇所がラジエータ本体である場合は、この処置によりリーク箇所の隔離・応急処置が完了することになります。今回のリーク箇所の遮断修理が成功したかどうか確認するには数週間の時間を要します。リーク箇所がPFCSである場合は、PFCSの装置交換が必要となります。
ラジエータの切り替え・展開作業のほかに、時間に余裕があれば実施される計画であった作業のうち、左舷側の太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)における外側レースリングの潤滑剤目視確認作業が行われました。
船外活動のより詳細な情報については、以下のページや資料もご覧ください。
これまでに星出宇宙飛行士が実施した2回の船外活動については、以下のページをご覧ください。
8月30日から31日にかけて実施した船外活動(US EVA18)について
9月5日から6日にかけて実施した船外活動(US EVA19)について
その他、参考情報
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