STS-115 NASAステータスレポート#01
最終更新日:2006年12月10日
2006年9月9日(土)午後0時00分(米国中部夏時間)
2006年9月10日(日)午前2時00分(日本時間)
スペースシャトル「アトランティス号」は今朝、ほぼ雲のないフロリダの空へ打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)の組立てを再開する11日間のミッションが始まりました。
本日は約4年ぶりにISSの大きな構成要素が打ち上げられた記念すべき日となりました。このアトランティス号によるSTS-115ミッションにより、宇宙飛行史上最大の挑戦となる一連のISS拡張ミッションが開始されました。
コマンダーのブレント・ジェット、パイロットのクリストファー・ファーガソン、ミッション・スペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)のハイディマリー・ステファニション・パイパー、ジョセフ・タナー、ダニエル・バーバンク、そしてカナダ宇宙庁(CSA)宇宙飛行士のスティーブン・マクリーンは、米国中部夏時間9月9日午前10時15分(日本時間9月10日午前0時15分)に打ち上げられました。完璧なカウントダウンの後の打上げでした。
上昇中に、ミッションコントロールは氷で詰まってしまったと思われる冷却システムを再設定するようクルーに指示しました。フラッシュ・エバポレータ・システム(Flash Evaporator System: FES)と呼ばれるこの冷却システムは再設定することで正常に動作するようになりました。FES内に一時的に氷ができることはそれほど珍しいことではなく、過去のミッションでも同じ現象が起こっています。
打上げから8分30秒後のスペースシャトルメインエンジン(Space Shuttle Main Engine: SSME)停止の直後に、タナーとマクリーンが手持ちのビデオカメラとデジタルスチルカメラを使って、分離後の外部燃料タンク(External Tank: ET)を記録撮影しました。この画像や映像は、ETのスペースシャトルとの接続部に設置されたカメラによって撮影された映像とともに地上に送信され、評価されます。
アトランティス号が打ち上げられたとき、ISSは北大西洋の220マイル(約354km)上空、グリーンランドとアイスランドの間を飛行中でした。ISSには第13次長期滞在クルーのコマンダーであるロシアの宇宙飛行士パベル・ビノグラドフ、フライトエンジニアでNASAサイエンス・オフィサーのジェフリー・ウィリアムズ、そしてフライトエンジニアである欧州宇宙機関(ESA)宇宙飛行士のトーマス・ライターが、ミッションコントロールからISSに送られた映像を見て、アトランティス号の打上げを見守りました。アトランティス号は、9月11日午前5時46分(同9月11日午後7時46分)に、ISSにドッキングする予定です。
アトランティス号のクルーは、重さ約15.9トンでバスほどの大きさのP3/P4トラスをISSに設置します。P3/P4トラスは、ISSではふたつ目の太陽電池パドルとバッテリおよび関連する電気部品から構成されます。これが取り付けられることにより、今後ISSの発電能力は2倍になる予定です。ISSの梁のようなP3/P4トラスの長さは45フィート(約14m)です。
トラスの設置、太陽電池パドルの展開、そして運用の準備のために、ミッション中に3回の船外活動が予定されています。タナーとパイパー、およびバーバンクとマクリーンの2チームが船外活動を行うことになっています。
ミッション中には、過去2回のスペースシャトルの飛行と同様、軌道上でアトランティス号の耐熱シールドの検査が入念に行われます。検査やそのほかの作業を終了する時間がさらに必要な場合、アトランティス号のISS滞在時間を1~2日延長することが可能です。耐熱シールドの2度目の検査は、ミッションが終わりに近づきアトランティス号がISSから分離した後に予定されており、帰還に問題のない状態であることを確認することになっています。
アトランティス号がISSに到着すると、ISSの国際パートナー5者のうちの4者がISSで一堂に会する史上2度目の機会となります。
STS-115は116回目のスペースシャトル・ミッションで、ISSを訪れるミッションとしては19回目です。アトランティス号にとっては27回目の飛行で、ISSを訪れるのは6回目です。
アトランティス号のクルーは、9月9日午後4時15分(同9月10日午前6時15分)に就寝し、8時間の睡眠をとります。起床は9月10日午前0時15分(同9月10日午後2時15分)に予定しており、軌道上での最初の1日を始めます。
次のSTS-115ステータスレポートはクルーの起床直後、または新規イベントがあれば発行する予定です。
出典:http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/news/sts115/STS-115-01.html
*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。