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国際宇宙ステーションの組立フライト 12A(STS-115)

P3/P4トラス

最終更新日:2006年8月25日

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P3/P4トラス(写真は太陽電池パドル(SAW)を収納した状態です。)

P3/P4トラスは、国際宇宙ステーション(ISS)のトラスの一部で、ISSの左舷側(port)に取り付けられます。P3/P4トラスの長さは約13.8m、重さは約15,824kgあります。P4トラスには太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)がふたつ装備されています。P3/P4トラスがISSに結合されることにより、ISSへの供給電力が増大します。

P4トラスはP3トラスの太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)によって回転し、P4トラスと太陽電池パドルの結合部のベータ・ジンバル・アセンブリ(Beta Gimbal Assembly: BGA)はSARJの回転軸と直角の回転軸を持っているため、BGAとSARJを組み合わせてSAWを回転させることで、太陽を追尾し、効率よく発電を行うことができます。

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P3/P4トラスの取付け(イメージ)

P3/P4トラスは、スペースシャトル「アトランティス号」がISSにドッキングした後、スペースシャトルのロボットアーム(SRMS)によってペイロードベイ(貨物室)から取り出されます。そして「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)に受け渡され、カナダアーム2によってISSのP1トラスの先に取り付けられます。今回のミッションで行われる3回の船外活動によって運用可能になります。

P3トラス

画像:P3トラス

P3トラスは、トラス結合機構(Segment-to-Segment Attachment System: SSAS)によりP1トラスへ結合されます。P3トラスには、P1トラス結合部の反対側に太陽電池パドル回転機構(SARJ)があり、P4トラスを回転させることができます。また、ふたつの曝露機器結合システム(Unpressurized Cargo Carrier Attach System: UCCAS)が設置されています。

太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)

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太陽電池パドル回転機構(SARJ)

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P3トラスのトラス結合機構(SSAS)(○で囲ってある部分)

SARJは、太陽電池パドルを装備したP4トラス、および今後移設されるP6トラスを回転させるための機構で、直径は約3.5m、重量は約1,134kgです。今後のミッションでISSに取り付けられる予定のS3/S4トラスにも装備されます。回転は、両方向に360度可能です。

トラス結合機構(Segment-to-Segment Attachment System: SSAS)

SSASにはアクティブ側とパッシブ側の2種類があり、P1トラスにはアクティブ側、P3トラスにはパッシブ側のSSASが装備されています。結合は遠隔操作で行うことができますが、不具合等で遠隔操作できなくなった場合は、船外活動により、手動で結合させることが出来る設計になっています。

曝露機器結合システム(Unpressurized Cargo Carrier Attach System: UCCAS)

UCCASは、打上げ時にはP3トラスの内部に収納されています。UCCASは、今後のミッションで船外保管プラットフォーム3(External Stowage Platform :ESP-3)等が設置される場所となる予定で、使用されるまでは展開されません。

P4トラス

画像:P4トラス

P4トラスには、2枚の太陽電池パドル(SAW)が装備されており、ベータ・ジンバル・アセンブリ(BGA)によりSAWを回転させることができます。P4トラスにはその他に、制御機器アセンブリ(Integrated Equipment Assembly: IEA)太陽電池パドル熱制御システム(Photovoltaic Thermal Control System: PVTCS)が装備されています。また、STS-116ミッションで運搬されるP5トラスの結合のための改良型トラス結合システム(Modified Rocketdyne Truss Attachment System: MRTAS)も装備しています。

太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)

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太陽電池パドル(SAW)の構成

SAWは、太陽電池ブランケット2枚、ふたつの太陽電池ブランケット収納箱(Solar Array Blanket Box: SABB)、マスト、マスト収納容器(Mast Canister Assembly: MCA)から構成されています。

SAWの2枚の太陽電池ブランケットには、大きさ8cm2のシリコン太陽電池が16,400枚ずつ貼り付けられていおり、シリコン太陽電池の枚数は合計で32,800枚になります。打上げ時は、厚さ約50cmに折り畳まれた状態でSABBに収納され、軌道上でマストを伸ばして展開されます。展開時のSAWの大きさは、幅約11.6m、長さ約35mになります。マストは引き込むこともでき、軌道上で折り畳んで修理・回収を行うこともできます。

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太陽電池パドル(SAW)の展開イメージ

ベータ・ジンバル・アセンブリ(Beta Gimbal Assembly: BGA)

BGAは、太陽電池パドル(SAW)を太陽方向に追尾させたり、任意の角度に固定させるための機構です。BGAは、SAWを360度回転させることができます。P4トラスの先端にはBGAがふたつ装備されています。

制御機器アセンブリ(Integrated Equipment Assembly: IEA)

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制御機器アセンブリ(IEA)

IEAは太陽電池パドルで発電した電力を調整すると共に、電力を貯蔵する構成要素です。また太陽電池パドル(SAW)を支える構造部としての機能も担っています。重量は約7,711kgです。

太陽電池パドル熱制御システム(Photovoltaic Thermal Control System: PVTCS)

PVTCSは、制御機器アセンブリ(IEA)専用の放熱システムです。ラジエータにアンモニア冷媒を流し、IEAの余分な熱を宇宙空間へ放出します。

改良型トラス結合システム(Modified Rocketdyne Truss Attachment System: MRTAS)

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改良型トラス結合システム(MRTAS)(○で囲ってある部分)

MRTASは、P4トラスの先端に取り付けられている結合機構で、STS-116ミッション(12A.1)で運搬されるP5トラスとの結合に使用されます。トラス結合機構(SSAS)と違い船外活動による結合作業が必要になります。MRTASは、P6トラスとZ1トラスの結合に使われたRTAS(Rocketdyne Truss Attachment System)の改造型です。

(写真・画像は全てNASA提供)

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