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ISS搭乗宇宙飛行士活動レポート 2002年 5月

 今月は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でアドバンスト訓練をおこないました。

アドバンスト訓練
 アドバンスト訓練は国際宇宙ステーション(ISS)のシステムおよび運用について理解を深める訓練で、ISS参加各国でおこなわれます。今回のNASAジョンソン宇宙センター(JSC)でのアドバンスト訓練は、昨年秋に続き3回目となり、3人の他に土井、若田宇宙飛行士およびヨーロッパの宇宙飛行士も参加しました。
 第2回アドバンスト訓練:
第1回アドバンスト訓練:  

 ISSおよびスペースシャトルのシステム、ISSで使用する工具、ISSにおける緊急事態(火災、空気汚染)、ISSで使用する実験ペイロードなどについて訓練がおこなわれました。
 また、実際の運用を模擬した訓練もおこなわれ、今まで習ったことの理解を深めました。訓練のいくつかについてご紹介します。

ARIS (Active Rack Isolation System)ラック取付
ラック(地上)
デスティニー内でのラックメンテナンス(STS-105(7A.1))
古川宇宙飛行士
 ISSなどでは、他の装置からの振動やクルーの動きなどが伝搬し、実験のための無重量環境を損ねる場合があります。ARIS(Active Rack Isolation System)とは、それらの振動を能動的にラック単位で制御するシステムです。ラックはISS内で移設が可能ですが、ARISラックのように制振装置がある場合にはその取付手順も複雑になります。今回は、モックアップ(軌道上の装置を模擬したもの)を使用して取り付け作業の訓練をおこないました。




スペースシャトル モーション・ベース シミュレータを用いた訓練
 モーション・ベースとはスペースシャトルのコックピットを模擬した可動式のシミュレータで打上げ・帰還時のスペースシャトルの動きを模擬します。今回は通常の打上げおよび帰還と、打上げ時緊急帰還について実際に体験しながら、打上げ・帰還時の全体の流れを理解しました。

統合運用シミュレーション
角野宇宙飛行士
 統合運用シミュレーションは、軌道上にいるISSやスペースシャトルのクルーと、地上の管制官(フライトコントローラ)の協調作業を訓練するために行われます。クルーはISSやスペースシャトルのシステムを模擬した訓練設備にいて、地上から運用を行う運用管制室(MCC-H)にいるフライトコントローラと交信しつつ協力してシステムの操作などを行います。
 今回の訓練期間中には、スペースシャトルのISSへのランデブおよびドッキングを模擬したシミュレーションや、S0トラスのISSへの取り付けを模擬したシミュレーションなどにISSクルーとして参加しました。候補者に選定されて3年が経ち、実際の運用時により近い環境での訓練を行うようになりました。


 ISS搭乗日本人宇宙飛行士活動レポート6月分は7月中旬頃に掲載予定です。お楽しみに。


最終更新日:2002年6月26日

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