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宇宙放射線環境観測計画 |
概要 | STS−89の研究テーマ | 搭載装置の概要 |
概要 |
STS−89の研究テーマ |
テーマ名 | 提案者 | 研究の概要 |
宇宙放射線に対する実時間線量計測 | 道家忠義 (早稲田大学教授) | RRMDを用いて、宇宙船内における全ての入射粒子によるLET(線エネルギー付与)分布をリアルタイムで計測し、線量当量を正確に推定する。 |
宇宙放射線によるDNA損傷の解析 | 大西武雄 (奈良県立医科大生物学教室教授) | 宇宙放射線によるDNA上の損傷を酵素を用いて細胞像中に直接視覚化して定量化する実験。 ミール利用実験で長期間の曝露実験(7月上旬から約2カ月間)が開始されたところであり、この実験はミールでの実験結果と合わせ短期の曝露に対する量的な比較を可能とする。 |
宇宙放射線に曝露された細胞の遺伝子、タンパク質の発現解析 | 平野昌彦 ((株)東レリサーチセンター) | これまで宇宙放射線に曝された高等生物の細胞内では、様々な反応が生じていることが報告されつつあるが、それらの現象はまだ分子レベルで明確になっていない。 この実験では真核生物のモデルとして酵母を用い、培養細胞内でどのような遺伝子やタンパクが発現しているかについて、分子レベルで広範囲に解析し、より高次のヒト細胞などへの影響について基礎的な知見を得る。 |
微小重力環境における突然変異生成率の測定 | 大西武雄 (奈良県立医科大生物学教室教授) | これまで、宇宙放射線が生物に与える影響について、いくつかの宇宙実験で相互に矛盾する結果が得られているが、この実験はその原因を明らかにすることを狙った実験で、突然変異生成の一要因と考えられるDNA複製過程のエラー率について、DNAポリメラーゼによる酵素反応過程が微小重力によってどのように影響されるか調べる。 |
積算型固体線量計による宇宙放射線の線質別線量計測(データ利用研究) | 保田浩志 (科技庁放射線医学総合研究所研究員) | 将来の宇宙飛行士用の超小型個人線量モニタの候補として有力な積算型固体線量計を組み合わせたパッケージ(10〜20mm角)を生物試料の隣接部に張り付けて測定し、RRMDのデータと比較して解析を行う。 |
宇宙放射線環境の予測に関する研究(データ利用研究) | 富田二三彦 (郵政省通信総合研究所総括主任研究官) | RRMDから得られた放射線計測データをその他の太陽地球間環境観測データと比較解析することにより、宇宙放射線環境の変動に関してその予測をめざした研究を行う。なお、本研究に関しては、これまでIML−2、シャトルミール4号機及び6号機で同様の研究を実施しているが、現在は、太陽活動が極大期に向かう時期にあたるため、今後とも、機会の得られる限り、継続的にデータを収集し、宇宙環境の変動の予測技術の確立をめざす。 |
軌道上における中性子スペクトラムの実時間計測 | 五家建夫 (宇宙開発事業団) | 宇宙機搭載用中性子モニタ装置を開発し、軌道上での中性子スペクトルの実時間計測を行う。 いまだかって、軌道上での中性子環境の実時間計測は成されたことはなく、本実験により軌道上での中性子スペクトルの実時間計測技術の検証と、中性子線による被曝管理に必要な中性子環境の実測が行われる。 |
RRMDは、与圧部内に達する高エネルギー宇宙放射線の入射時刻、入射方向、入射粒子の種類などをリアルタイムに計測し、地上に伝送することができます。 RRMDは、ディテクタユニット、生物試料収納容器、コントロールユニット及びデータ記録ユニットから構成されます。 | |
ディテクタユニットは主に炭素から鉄までの重粒子を計測するU型、主に陽子から炭素までの軽い粒子を計測するV型の2種類があります。 | |
そして、生物試料収納容器は大腸菌等の生物試料を収納し、各ディテクタユニットにセットされます。 | |
コントロールユニットはディテクタユニットからの計測信号の処理機能や計測制御機能などを持っています。 | |
また、データ記録ユニットは、他の地域に比べ大量の放射線データが計測される南大西洋上空(南大西洋異常域(SAA)と呼ばれます。)でのデータを記録するために用いられます。 |
中性子モニタ装置(BBND) |
最終更新日 1998年1月23日