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1992年1月第1次国際微小重力実験室(IML-1)計画


概要
第1次国際微小重力実験室(IML-1:International Microgravity laboratory)計画は、NASAが国際協力のもとで推進するスペースシャトル/スペースラブを用いた微小重力実験のためにシリーズ化されたミッションです。IML-1は1992年1月に打ち上げられ、14カ国が参加し、16種類の実験装置で42テーマの実験を実施しました。NASDAはこの計画に2つの実験装置を提供しました。

IML-1ミッション概要
打ち上げ日時 1992年1月22日
フライト番号 STS-42
オービタ ディスカバリ
打ち上げ場所 米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
軌道高度 約300km、円軌道
軌道傾斜角 57度
ミッション期間 8日間
搭乗員 機長(コマンダー)1名
  パイロット1名
  ミッションスペシャリスト(MS)3名
  ペイロードスペシャリスト(PS)2名
着陸 1992年1月30日、ドライデン飛行研究施設
*PSは、カナダから1名、西ドイツから1名が選ばれた。PS以外の塔乗員は全員米国から選抜された。

NASDAの実験装置の概要
NASDAは有機結晶成長装置(OCGP)と、宇宙放射線モニタリング装置(RMCD)を提供するとともに、これらの装置を用いて宇宙実験を行いました。
有機結晶成長装置:
この装置は有機溶媒・・ノ二種の有機化合物を融解拡散させ、化学反応により有機結晶を成長させる実験に用いられます。この装置の内部は二つのセルに分かれており、片方には微小重力攪乱を低減するための制振材が取り付けられており、もう片方の制振材のないセルで成長した結晶を比較することにより微小重力の攪乱が結晶成長に与える影響について研究ができるようになっています。
宇宙放射線モニタリング装置:
この装置は宇宙放射線が有人宇宙飛行に与える影響を評価するため、スペースラブ内の宇宙放射線環境をモニタするとともに、生物に与える環境の度合いを調査するための装置です。この装置を発展させたものがIML-2計画、RRMD計画に搭載されました。

実験結果
実験結果の解析により、日本側が提供した2種の宇宙用実験装置の微小重力下での機能が確認されました。微小重力下における有機超電導体の結晶成長実験では、約1週間という短い期間で宇宙生成結晶が得られたため、装置の仕組を変えることにより、宇宙ステーション時代には、より大きな結晶が得られることが実証されました。また生物試料を用いた高エネルギー宇宙放射線の検出および解析実験では、宇宙船内宇宙放射線環境の測定が行われ、NASDAは飛跡の測定データを基に3次元的飛跡を再構成し、さらなる分析を行いました。

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