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アジア太平洋地域の生徒たちから送られたSSAF2013の報告書に、大阪市立大学准教授の曽我康一博士から講評を頂きました。曽我博士はSSAF2013を監修した植物重力生物学研究の第一人者です。
「アジアの種子(SSAF) 2013に多くの人たちが参加し、実験結果を報告してくれたことをうれしく思っています。レポートを読んでいると、試行錯誤しながら実験を実施した様子が伝わってきました。また、レポートには、実験を実施している写真が多数あり、仲間と実験を楽しんでいる様子がうかがえ、大変うれしく思っています。
SSAF2013は、地上で育てたアズキと宇宙で育てたアズキを比べて、芽ばえの大きさや形に差があるのかを調べることを目的としていました。植物の大きさや形が、育てた環境によって、どのように異なっているのかを調べるためには、まず、それぞれの環境で、大きさや形の揃った植物になるように、植物を育てられるようになる必要があります。恐らく、多くの人は、はじめは、植物を育てるなんて簡単だと思っていたことでしょう。しかし、実際に、アズキを植えてみると、なかなか発芽しなかったり、ばらばらに成長したりと、なかなか上手くいかなかったと思います。今回の実験を通して、生物を実験に用いる難しさを実感できたのではないでしょうか。芽ばえの形に関しては、多くのグループが、宇宙と地上で茎が伸びていく方向が、異なっていることを報告していました。一方、大きさに関しては、意見は分かれていましたが、地上と比べて宇宙の方が大きかったと報告しているグループの方が多かったです。植物の形や大きさには、重力だけでなく、光や温度、水分状態など、さまざまな要因が影響を与えます。厳密に、植物の形や大きさに重力が与える影響を調べるためには、重力以外の要因をできるだけ同じにする必要があります。次の機会には、ぜひ、これらのことにも注意して実験を行ってください。今回の実験では、宇宙で育てると植物の大きさや形が変化することがわかりました。では、どのようにして、植物の形や大きさが変わったのかでしょうか。みんなで、その原因を調べる実験を考えて、それらを実施できるようにしていきましょう。」
曽我博士は更に、このプログラムの教育効果は大きく、更に多くの生徒が参加する形で継続すべきことも指摘しています。
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