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第25詩

真闇に浮かび青く輝く水の惑星を眼前に
その私たちのふるさとに愛おしさを感じ
命を与えられた事を有難く思う
明日も青い空へ挑み未知なる宇宙を拓こう
そこに夢があるから

若田光一(宇宙飛行士)

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Poem

第26詩

ふたたび私たちは生まれたばかりの無垢な赤子
見えない魂のへその緒でふるさとの星とむすばれ
はるか彼方にひそむ答えを求めて限りなく問い続ける

谷川俊太郎(詩人)

Judge's comment

2009/4/10
第25詩から最終第26詩へ、第3期宇宙連詩最大のイベントが仕掛けられています。というのも、国際宇宙ステーション内の「きぼう」で、若田宇宙飛行士が詩を書き、それを地上のアンカー谷川俊太郎さん(「宇宙人」という綽名もあります)に送ることになっていたからです。私もその「歴史的瞬間」に立ち会ったので、かいつまんで報告しておきましょう。

3月31日午前3時過ぎのことでした。筑波宇宙センターの、常時宇宙船内を映し出している管制室のメインモニターの画面に、若田さんが紙片を持って泳ぐようにあらわれ、無重力状態のなかでなにやら書き始めました。やがて書き終えた彼は、紙片をカメラに向かってかかげ、そのあと、落ち着いた声で朗読しました。掲出作がそれですが、おそらく、人類がはじめて宇宙空間で書いた詩ということになるでしょう。宇宙飛行士ならではの視点からシンプルに書いていただいたので、解説の必要はありませんね。若田さん、ほんとうにありがとうございました。

筑波宇宙センターの管制室で、モニターを見たり音声を再生したりしながら書き写した若田さんの詩を、私は間髪も入れずに清書し、「谷川さん、宇宙から詩が届きました」と添え書きして、「杉並の宇宙人」にFAXしました。谷川さんはその日のうちに応答し、こうして、宇宙連詩第3期は締めくくられました。

ごらんのように、終詩にふさわしい見事な収束です。第25詩同様、解説の必要はないでしょう。ひとことだけ、個人的には、SF映画の古典『2001年宇宙の旅』のラストシーン、未知なるものの象徴である「星の子供」という胎児が映し出されるシーンを思い出しました。

半年間にわたって繰り広げられた言葉のリレー、いかがだったでしょうか。ほかならぬ谷川さんがどこかで「連詩とは読んだり批評したりするよりも参加するもの」とおっしゃったことがありますが、参加された世界中のみなさんがそれぞれの場で連詩の輪をひろげてくだされば、さばき手としてそれにまさる喜びはありません。

野村喜和夫

プロフィール

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News

2010/3/19
お待たせ致しました!第3期JAXA宇宙連詩と、昨年度に学校や地域で創作された宇宙連詩を収録した、宇宙連詩DVDディスクが、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟に、野口聡一宇宙飛行士により、保管されました。その記念写真が届きました!!こちらから。明るく輝く国際宇宙ステーションを、是非、楽しんで下さい。ご参加頂いた皆様方が、幸多き人生を過ごされることを、関係者一同、心から、お祈り致しております。ありがとうございました!
2009/5/25
2009年5月25日(月)開催の「第3期宇宙連詩完成披露シンポジウム」の受付は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
2009/5/18
JAXA新型インフルエンザ対策本部の感染防止策(5月14日付)に基づき、5月25日(月)に開催予定の宇宙連詩シンポジウムでは、こちらの措置を講じる準備を致しておりますので、皆様のご理解とご協力を、宜しくお願い申し上げます。なお、今後の状況により、対応策を変更する場合もございます。その際は、別途本HPでご案内致します。
2009/5/12
宇宙連詩の完成を記念して「第3期宇宙連詩完成披露シンポジウム」を2009年5月25日(月)に開催致します。
5月12日より、シンポジウムの参加申し込みの受付を開始します。詳細はこちらです。
多くの皆様の参加をお待ちしております。
2009/4/17
宇宙連詩作りに取り組んだ、学校・協力いただいたプラネタリウムの皆さんからの報告と作品を掲載しました。こちらです。

エッセー「遠い星まで行かなくても、僕たちの住むここが宇宙」を更新しました。こちらです。
2009/4/10
第25詩は、軌道上の若田光一宇宙飛行士からの寄稿です。
その模様はこちらです。
若田宇宙飛行士のプロフィールはこちらです。
そして、第3期宇宙連詩の最後を締めくくる第26詩は、詩人、谷川俊太郎さんの寄稿です。
谷川さんのプロフィールはこちらです。

第26詩をもって、第3期宇宙連詩が完成しました。これまで761詩が公募に寄せられました。全回参加された方、家族やお友達同士で参加された方もありました。学校や団体での取り組みを応募された方もありました。アイルランド、アメリカ、イタリア、インド、インドネシア、ウズベキスタン、オランダ、カナダ、クロアチア、コロンビア、サイパン、スイス、ニュージーランド、フィンランド、ブラジル、フランス、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ルーマニアなど、世界各国からも参加がありました。 参加してくださった方、このサイトを見てくださった方、どうもありがとうございました。

学校や地域での宇宙連詩作りの成果を、4月17日(金)にこのウェブサイト上でご報告する予定です。
参加された先生、児童、生徒、地域住民の方々の声も掲載します。こちらもご期待ください。

また、若田宇宙飛行士は、昨年度編纂された宇宙連詩が収録されたDVDディスクを、きぼう船内で記念撮影しました。データが届き次第、このウェブサイトに掲載する予定です。

2009/4/1
3月31日の午前3時(日本時間)、軌道上の若田光一宇宙飛行士が、第25詩を作詩しました。裁き役詩人の野村喜和夫さんが、JAXAつくば宇宙センターで、軌道上の作詩に立会あわれ、第26詩の作詩を、詩人の谷川俊太郎さんへ、お願いしました。第25詩と第26詩は、4月10日(金)夕方に、このHP上で発表する予定です。第3期宇宙連詩も、いよいよフィナーレです。どうぞご期待ください。

なお、5月25日(月)の夜に、都内のプラネタリウムで、宇宙連詩の完成を披露するシンポジウムを開催する準備を進めております。詳細は、後日、このHP上でご案内をさせて頂く予定です。こちらも、どうぞご期待ください。

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