第6次長期滞在期間は、2002年11月のSTS-113(11A)フライトから2003年5月のソユーズ宇宙船(5S)で帰還するまでです。
|
新規実験 |
第6次長期滞在中には、新規、または再搭載される実験が4つあります。
|
微小重力研究グローブボックス(Microgravity Science Glovebox:
MSG) - 固体液体混合による結晶粒粗大化実験-2(Microgravity Science Glovebox-Coarsening
in Solid Liquid Mixture-2: CSLM-2) |
タービン・ブレードから歯科充填材やセラミック製の歯に至る材料の強度に影響をおよぼす、混合体内での小さな粒子と大きな粒子の相互作用を調査する実験です。
|
微小重力研究グローブボックス(MSG)を使用したコロイド溶液中の常磁性体の集合体の構造研究(Investigating
the Structure of Paramagnetic Aggregates from Colloidal Emulsions:
InSPACE) |
|
InSPACEの実験を行うペティット宇宙飛行士 |
磁性流体の基礎データを入手するための実験。磁性流体とはブレーキシステム、シートサスペンション、ロボティクス、クラッチ、航空機用ランディング・ギア(着陸装置)、振動減衰システムなどの改良あるいは開発に役立つ可能性があります。
InSPACEは、2002年6月6日にSTS-111(UF-2)で打ち上げられました。
|
FOOT実験(Foot/Ground Reaction Forces During Spaceflight:
FOOT) |
|
|
足首の角度、膝と臀部の筋肉活動を測定するバウアーソックス宇宙飛行士 |
微小重力下で骨と筋肉の変化を測定するため、トレッドミルでジョギングをするバウアーソックス宇宙飛行士 |
ISS内で作業する宇宙飛行士の下半身にかかる荷重と筋肉活動の特性を調査するための実験です。
|
シングルロッカー保温システム付きタンパク質結晶成長実験装置(Protein Crystal
Growth Single-locker Thermal Enclosure System: PCG-STES) |
|
|
PCG-STES |
PCG-STES用の実験トレー |
第2次、4次、5次の長期滞在期間に続いて、タンパク質結晶成長実験を行います。
PCG-STESは、2002年11月24日にSTS-113(11A)で打ち上げられました。
|
継続実験 |
これまでの長期滞在クルーで使用された多くの実験がISSに搭載されたまま残っており、引き続き実験を続けます。
|
宇宙加速度計測システム(Space Acceleration Measurement
System: SAMS)、微小重力加速度計測システム(Microgravity Acceleration
Measurement System: MAMS) |
|
Expressラックに取り付けられたMAMS |
微小重力環境の実験を妨げる宇宙飛行士や設備、その他の原因で起こる振動を測定するために設計されたセンサーです。
SAMSとNAMSは、2001年4月20日にSTS-100(6A)で打ち上げられました。
|
クルーによる地球観測実験(Crew Earth Observations: CEO) |
自然あるいは人工的に起きた地球の変化をクルーの目によって観察し、撮影します。
クルーが直接観測することによって人の目ならではの観点で観測できます。
|
腎臓結石予防実験(Renal Stone experiment) |
宇宙滞在時と帰還後の腎臓結石の進行リスクを検証するものです。腎臓結石生成の予防薬の研究に期待できます。
腎臓結石予防実験は、2001年8月11日にSTS-105(7A.1)で打ち上げられました。
|
微小重力が肺機能に及ぼす影響調査(Pulmonary Function in Flight:
PuFF) |
肺の中で行われるガス交換能力と呼吸筋力の変化を定期的に観察し、微小重力環境の影響を調査します。
PuFFは、2001年8月11日にSTS-105(7A.1)で打ち上げられました。
|
材料曝露実験装置(Materials International Space Station
Experiment: MISSE) |
|
材料曝露実験 |
ISS外部に取り付けられたスーツケースほどの大きさの実験装置で、何百もの宇宙用素材サンプルを宇宙環境に露出し、より耐久性の高い素材の選定を行います。
MISSEは、2001年8月11日にSTS-105(7A.1)で打ち上げられました。
|
ゼオライト結晶成長実験(Zeolite Crystal Growth Furnace: ZCG) |
微小重力環境でゼオライト結晶を結成する商用実験です。ゼオライトは石油精製等の化学業界で優れた触媒として使われており、この分野の研究に大きく貢献するでしょう。
ZCGは、2001年12月6日にSTS-108(UF-1)で打ち上げられました。
|
EVA放射線モニタ装置(Extravehicular Activity Radiation
Monitoring: EVARM) |
|
|
|
EVA放射線モニタ装置
(EVARM) |
EVARMバッジ |
冷却下着の左足ポケットに入れたEVARMバッジ |
船外活動用宇宙服のポケットに3つの能動型線量計バッジを入れ、宇宙飛行士の皮膚、目、造血器官への宇宙放射線の影響を精密に測定するカナダ宇宙庁(CSA)の実験装置です。
EVARMは、2001年12月6日にSTS-108(UF-1)で打ち上げられました。
|
気泡の生成と移動性の研究(Pore Formation and Mobility
Investigation: PFMI) |
|
PFMIの炉(マーシャル宇宙飛行センター) |
微小重力研究グローブボックスで透明な材料のサンプルを溶かして、宇宙での作業中に泡が金属や結晶のサンプル中にどのように閉じ込められるかを研究します。
微小重力下での泡の制御方法を研究します。
|
アースカム(Earth Knowledge Acquired by Middle
School Students: EarthKAM) |
|
黄海と中国 |
ISSに搭載されたデジタルカメラを、地上から遠隔操作して学生が選んだ地点の地形を撮影し、その写真を活用して研究を行う教育プログラムです。
|
マイクロカプセル静電処理システム(Microencapsulation Electrostatic
Processing System: MEPS) |
|
薬を含んだマイクロカプセルのイメージ |
この商用実験は、体内に接種可能な、薬液を封入した多層構造マイクロカプセルの大量生産プロセスの開発を目的としています。このプロセスの開発によって癌や、難治性伝染病などの新しい治療法を見いだすことができるかもしれません。
人間生理学関連として、微小重力環境におかれた身体の変化を研究するために、第6次長期滞在クルーの飛行前後の医学データを使用して研究します。主な内容は以下のとおりです。
|
感覚運動反応の法則化の促進、長期宇宙飛行後自発機能不全緩和対応措置(Mobility) |
長期の宇宙飛行後の姿勢と歩行の研究のための飛行前後調査。
|
長期間宇宙飛行が人体の骨格筋に与える影響(Biopsy) |
長期宇宙飛行中の脚の骨格筋の機能的・構造的進化とその程度を研究することを目的とした飛行前後調査。
|
宇宙飛行により誘発された潜在的EBウイルスの再活性化(Epstein-Barr) |
人体の免疫機能変化の研究のための飛行前後調査。
|
Subregional Bone |
長期宇宙滞在による骨密度の変化に関する飛行前後実験。