第2次長期滞在期間は、2001年3月のSTS-102(5A.1)フライトから2001年8月のSTS-105(7A.1)で帰還するまでです。
その間に、STS-100(6A)、STS-104(7A)の2回のISS組立フライトがありました。
過去の長期滞在期間中から継続されている研究プロジェクトと実験設備に、新しい科学施設や科学研究が加えられます。
STS-102(5A.1)フライトで人体研究ラック1(HRF-1ラック)が運ばれ、STS-100(6A)フライトでEXPRESSラック2台が運ばれました。
第2次長期滞在クルーの科学的実験は、宇宙での長期滞在が人体の骨と筋量へ及ぼす影響と、地球で起こる同現象の関連性の追求に焦点があてられました。
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新規実験 |
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中性子モニタ装置(Bonner Ball Neutron Detector: BBND) |
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中性子計測装置センサ部 |
デスティニ内でBBNDのセットアップを行うヴォス宇宙飛行士 |
BBNDは、中性子モニタ装置ディテクタユニットに、計測データを処理・制御・記録するためのコントロール装置をとりつけたものです。計測データは約1週間に一度の頻度でまとめて地上へ送信されます。
BBNDは、2001年3月にSTS-102(5A.1)により打ち上げられ、2001年12月にSTS-108(UF-1)で回収されました。
本装置で、約8ヶ月間という長期にわたり、ISS船内の中性子エネルギースペクトル(分布)を計測しました。
中性子計測実験はNASAの有人研究(Human Research Facility: HRF)プロジェクトの一環として、日本が行った実験です。
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人体模型による臓器線量計測(Phantom Torso) |
ファントムトルソとはNASAが開発した装置で、人体模型を用い主な臓器(脳、心臓、胃など)の放射線吸収線量を計測するものです。
ファントムトルソは、男性の頭部、筋肉と等価なモデルで35の部位から構成され、ノーメックス・スーツで覆われています。主要臓器の位置に線量計が取り付けられており、人体と同じ線量分布を計測することができます。
本実験は、NASAの有人研究(Human Research Facility: HRF)プロジェクトの一環として、NASAが行ったものです。
ファントムトルソは、2001年3月8日にSTS-102(5A.1)で打ち上げられ、2001年8月23日にSTS-105(7A.1)で回収されました。
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ファントムトルソ
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設置された状態 |
ファントムトルソのX線画像 |
ファントムトルソの設置図 |
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船内荷電粒子環境計測装置(Dosimetric Mapping: DOSMAP) |
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DOSTEL
(Dosimetric Telescope) |
DOSMAPの電源を準備するヴォス宇宙飛行士 |
荷電粒子の通過によって欠損が起きる |
ドイツ航空宇宙センター(DLR)が開発した装置で、荷電粒子や重イオンの吸収線量を計測するものです。
DOSMAPは、2001年3月8日にSTS-102(5A.1)で打ち上げられ、2001年8月23日にSTS-105(7A.1)で回収されました。
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Subregional Bone |
長期宇宙滞在による骨密度の変化を調べる実験で、飛行前後に検査を行いデータを収集します。
Subregional BoneはSTS-102(5A.1)以降に実施されています。
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タンパク質結晶成長装置(Protein Crystal Growth Enhanced
Gaseous Nitrogen Dewar: PCG-EGN) |
数100個のタンパク質試料を搭載した結晶成長装置であり、魔法瓶の中に入れた液体窒素で冷やして保存する低価格な実験装置です。今回がISSでの3回目の実験でした。
PCG-EGNは、2001年7月12日にSTS-104(7A)で打ち上げられ、2001年8月23日にSTS-105(7A.1)で回収されました。
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タンパク質結晶成長実験装置シングルロッカー保温システム(Protein Crystal
Growth Single-locker Thermal Enclosure System: PCG-STES) |
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PCG-STES |
後に地上でタンパク質の分子構造を割り出すため、微小重力環境で、上質なタンパク質結晶生成のための温度管理環境を提供します。医学や農業、その他の分野に役立つ可能性があります。
PCGSTESは、2001年4月20日にSTS-100(6A)で打ち上げられ、2001年7月25日にSTS-104(7A)で回収されました。
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発展型植物栽培実験(Advanced Astroculture experiment: ADVASC) |
宇宙で育った植物が独特の化学組成をしている種子をつけるかどうかを調べるためにシロイヌナズナを育てます。実験の主な目的は、微小重力環境でシロイヌナズナを種から育てて種を収穫することです。
ADVASCは、2001年4月20日にSTS-100(6A)で打ち上げられ、2001年7月25日にSTS-104(7A)で回収されました。
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商用バイオプロセッシング装置(Commercial Generic Bioprocessing
Apparatus: CGBA) |
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CGBA |
EXPRESSラックに収められたCGBA(右上) |
CGBAは商用のバイオプロセッシング装置です。
CGBAは、2001年4月20日にSTS-100(6A)で打ち上げられ、2001年7月25日にSTS-104(7A)で回収されました。
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アースカム(Earth Knowledge Acquired by Middle
School Students: Earth-KAM) |
学生にISSの電子カメラを操作する機会を与える教育実験です。多様な学級プロジェクトとして利用できるよう学生はインターネットを利用して、写真を撮影、宇宙から送信することができます。
本長期滞在期間中で機能点検および撮影を行いました。
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重力変化による脊髄の刺激に対する反応に与える影響(Hoffman Reflex:
ホフマン反射) |
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ホフマン反射実験イメージ |
宇宙での長期滞在時、運動が人体により効果的となる前庭神経に対する変化の実験です。
ホフマン反射実験は、2001年3月8日にSTS-102(5A.1)で打ち上げられ、2002年6月20日にSTS-111(UF-2)で回収されました。
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宇宙空間加速度測定実験(Space Acceleration Measurement
System: SAMS)と微小重力加速度測定実験(Microgravity Acceleration Measurement
System: MAMS) |
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Expressラックに取り付けられたMAMS |
微小重力実験に有害なクルーや装置その他の要素が原因となる微量な震動の計測を行うことです。
SAMSとMAMSは、2001年4月20日にSTS-100(6A)で打ち上げられました。
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コロイド物理学実験(Experiment on Physics of Colloids in Space:
EXPPCS) |
新素材や製品につながる流体実験です。コロイドは塗料、ミルクやインク、コピー機のトナーなど様々な製品の中に見られる、溶液中に物質が溶けずに粒子が分散している状態のことで、コンピュータチップのためのシリコンの研磨や、ワインやフルーツジュースの渋みの除去など、多くの製造工程に使われています。
EXPPCSは、2001年4月20日にSTS-100(6A)で打ち上げられ、2002年6月20日にSTS-111(UF-2)で回収されました。
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対人関係実験(Interactions experiment) |
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軌道上のクルーと地上の管制官のコミュニケーションによりミッションは達成します |
個人そして文化的な要素が、ミッション中にクルーと地上の支援人員へ及ぼす影響の確認です。
実施期間はSTS-102(5A.1)からです。
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能動式ラック制震システム性能測定実験(Active Rack Isolation
System - International Space Station Characterization Experiment:
ARIS-ICE) |
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ラックに搭載された状態のARIS-ICE |
ARIS-ICEユニット
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ARISのプッシュロッドとアクチュエータ
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ペイロードラック震動抑制システムである能動式ラック制震システム(ARIS)の性能確認を行うための実験です。
ARIS-ICEは、2001年4月20日のSTS-100(6A)で打ち上げられ、2002年6月20日のSTS-111(UF-2)で回収されました。
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継続実験 |
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ミッドデッキ・アクティブ・コントロール実験(Middeck Active Control
Expriment: MACE-II) |
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MACE-II実験装置 |
スペースシャトルで行った最初のMACE実験(1995年) |
(c)
Air Force Research Laboratory |
クルーの動きや様々な機械の動作によって発生する振動は、微小重力実験に悪影響を与えます。MACE-IIは複数のセンサによって振動を検出し、能動的にこの振動を除去する装置の実験です。
MACE-IIは、2000年9月8日のSTS-106(2A.2b)で打ち上げられ、2001年8月23日のSTS-105(7A.1)で回収されました。
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クルーによる地球観測(Crew Earth Observations: CEO) |
自然あるいは人工的に起きた地球の変化をクルーの目によって観察し、撮影します。
クルーが直接観測することによって人の目ならではの観点で観測できます。
実施期間は2Rからです。
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回収した実験 |
第1次長期滞在クルーのミッション終了時、STS-102(5A.1)で以下の実験装置が地球に回収されました。