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フライトサージャン(Flight Surgeon: FS)とは、航空宇宙医学の知識を持ち、パイロットや宇宙飛行士の健康管理や医学運用、航空宇宙医学に関連する研究開発を行う専門医のことです。
ISSパートナー国の宇宙機関は、それぞれがフライトサージャンを養成しています。JAXAでは2020年現在5名のフライトサージャン(FS)が日本人宇宙飛行士の健康管理運用に従事しています。
フライトサージャン(FS)の大事な役割は、宇宙飛行士の健康を管理することです。宇宙飛行士の選抜から始まり、定期的な医学検査、リスクの高い地上訓練や飛行任務中(飛行前、打ち上げ時、飛行中、帰還時、リハビリ)の健康管理運用を行います。引退後を含めて、宇宙飛行士の健康を長いスパンにわたって管理します。
JAXAでは、FSは以下の職務を行っています。
宇宙飛行士がミッションにアサインされると、専任FSが指名され、専任FSは原則として打ち上げのおよそ1年前にヒューストンへ赴任します。
専任FSは必要に応じて宇宙飛行士に同行し、様々な訓練や調整会議に参加します。打ち上げ前には、打ち上げ地(バイコヌール宇宙基地など)で飛行直前の健康状態を確認し、宇宙飛行士の身体面・精神面を注意深く観察します。打ち上げ時には、FSはそれぞれ現地およびNASAジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center: JSC)、つくば宇宙センターなどに配置されます。緊急事態が生じた際には医学的緊急事態対応チームを組織し、関係部署と連携し対応にあたります。
宇宙飛行士が宇宙にいる間は、専任FSは24時間体制で宇宙飛行士の健康状態等をモニタリングしているJSCのミッションコントロールセンター(Mission Control Center Houston: MCC-H)と連携して活動します。また原則週に1回、宇宙飛行士と話すビデオ遠隔医療面談(Private Medical Conference: PMC)を行い、宇宙飛行士の健康状態について情報収集をします。このPMCは専任FSがISS滞在中の宇宙飛行士と直接コミュニケーションできる大事な時間です。
船外活動の際には、専任FSは、心電図、宇宙服の中の酸素濃度、二酸化炭素濃度をリアルタイムでモニタリングします。
帰還時には、専任FSは帰還地で宇宙飛行士を迎え、帰還直後の医学支援を行います。その後、必要な医学検査を行う他、地球の重力環境への再適応のためのリハビリテーションを実施します。
フライトサージャン(FS)の業務を支える重要な役割として、BME(Biomedical Engineer)および健康管理担当者がいます。ISS滞在中の宇宙飛行士の健康管理は、地上の医療機関とはと大きく異なる点がいくつかあります。その最も代表的なものは、すべてを「遠隔」で対応しなければならないという点です。このため、遠隔通信機器や管制業務に詳しいBMEがFSの支援をします。
BMEは、搭載している医療機器、運動機器などの状況把握、飛行士の健康管理に関するスケジュールの調整、PMCなどISSの飛行士との遠隔通信の準備、健康管理文書の維持管理などを担当します。
健康管理担当者は、看護師等の医療従事者の資格を有し、国内での日々の宇宙飛行士の健康管理や医学検査時にFSを支援します。
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