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これまで7名の日本人飛行士がスペースシャトルによる短期飛行ミッションを行ないました。日本人宇宙飛行士による数ヶ月~半年の宇宙長期滞在ミッションは2009年に始まりました。
スペースシャトルでのミッションでは、飛行中の日本人宇宙飛行士の健康管理責任はNASAにありました。しかし、ISSに長期滞在する日本人宇宙飛行士の健康管理の責任はJAXAが負います。
JAXAは、筑波宇宙センター(TKSC)に準備してきた支援システムや要員を用いる、独自の宇宙飛行士健康管理体制を構築しました
。
ISS長期滞在中の宇宙飛行士の健康は、フライトサージャン、生理対策担当、精神心理担当、放射線被ばく管理担当、環境管理担当による体制で支えます。飛行中の健康管理において重要な下支えとなるのは医療システム技師(BME)です。
日本人宇宙飛行士の長期滞在ミッションへの参加により、JAXA医学管理チームは宇宙滞在の詳細な情報や知見を得ることができます。JAXA医学管理チームの活動は、今後も続きます。
フライトサージャン(航空宇宙医学専門医)は、航空宇宙医学の知識を持ち、宇宙飛行士の健康管理を行う医師です。
ISS滞在中の宇宙飛行士の健康管理は、地上の医療機関とはと大きく異なる点がいくつかあります。その最も代表的なものは、すべてを「遠隔」で対応しなければならないという点です。
このため、遠隔通信機器や管制業務に詳しい医療システム技師(BioMedical Engineer: BME)がフライトサージャン(航空宇宙医学専門医)の支援をします。医療システム技師(BME)は、搭載している医療機器、運動機器などの状況把握、飛行士の健康管理に関するスケジュールの調整、遠隔問診や面接の準備、健康管理文書の維持管理などを担当します。
生理的対策担当は、ISSに長期滞在する日本人宇宙飛行士の、体力管理プログラム「飛行前運動プログラム」*1)を計画・作成します。打上げ1年前から飛行後に宇宙飛行士が飛行前の体力に回復するまで、長いスパンにわたって、宇宙飛行士の体力・健康増強スケジュールを管理します。
飛行中は、週7日、2.5時間/回の運動*2)時間を計画します。これらの飛行中の運動の記録は、健康管理のため、宇宙飛行士によって地上に送信されます。
帰還後は、飛行前の体力に戻すことを目標として、約45 日間にわたり毎日2 時間のリハビリテーション*3)を行います。帰還後の体力状況を考慮しながら、元の状態に効率よく回復するよう計画します。
ISS長期滞在ミッションでは、ミッションの成功に向けて精神心理的健康状態を健常に保つことが重要です。JAXAは2名の精神心理支援要員を養成し、日本人飛行士の長期滞在を支援するために、NASA が行っているものと同等の精神心理支援プログラムを作成しています。プログラムは打上げ前/宇宙滞在中/飛行後の各フェーズに応じて行われます。
① テレビ電話装置を用いた面談
② スケジュール分析・調整による疲労の軽減、特に睡眠のシフト
③ コミュニケーションインフラの提供
④ 情報の提供
⑤ 物品の提供
環境衛生担当は、軌道上の宇宙飛行士が生活する船内環境(水、空気、騒音、微生物など)をモニタしています。
(特に断りの無い限り、画像は出典:JAXA/NASA)
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