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国際宇宙ステーションがほぼ完成し、若田宇宙飛行士を始め、多くの宇宙飛行士が長期で宇宙滞在しています。 宇宙での骨量減少を防ぐために、多様な方面から骨代謝の研究を行うことが今後ますます重要になっています。



私たちは、宇宙滞在に伴う骨量減少メカニズムの解明やその制御をめざしていますが、骨芽細胞と破骨細胞の協調性の謎を解く研究にもつながると考えています。 すなわち、今回のウロコの培養系を用いた研究は、重力と骨代謝の関係を知るための重要な知見を与えてくれる可能性が高いと思います。



微小重力下ではウロコでも骨代謝異常が生じると予想しています(図1)。 そこで、こうした異常な状態を戻す可能性のある新規化合物の作用を解析することにしています(図2)。 私たちの微小重力下での実験結果は、宇宙生活での健康維持に寄与するものと考えていますが、破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れる骨の疾患−例えば、寝たきりの方の骨量減少や骨粗鬆症など−の研究や治療にもなんらかの貢献が期待できると考えています。 私たちの研究成果が宇宙だけでなく、地上における骨の病気や健康維持の研究に貢献できることを祈念しています。

図1 微小重力の影響


図2 新規ブロモメラトニンの効果

なるほどコラムその3
【魚はどうやってカルシウムを摂取するの?】


魚はどのようにカルシウムを摂取し、丈夫なウロコを作りあげているのでしょうか。 カルシウムはエサにも含まれていますので、経口的に摂取できます。 さらに、水中にもカルシウムが溶けており、魚はエラからもカルシウムを取り入れることができるのです。 ただし、非常にたくさんのカルシウムを必要とするとき、たとえば産卵前などは、環境水やエサに含まれているカルシウムだけでは足りなくなります。 そのような場合は、ウロコからカルシウムを取り出して卵にカルシウムを供給します。 その結果、ウロコは溶けて小さくなってしまうのです。

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