シロイヌナズナを植物実験ユニット中の5p立方の透明プラスチック容器で育てます(図2)。
容器の中には土の替わりにロックウール(無機質の繊維をブロック状に加工したもの)を使用します。
この線維の間に種子を植え、種子を乾燥状態で打ち上げます。
植物実験ユニットを日本の実験モジュール(きぼう)の細胞培養装置内の微小重力区、人工重力区の両方にセットして、重力の影響を見ます。
宇宙では地上からの遠隔操作でロックウールに給水が行われ実験がスタートします。
照明は発光ダイオード。
ロックウールの水分量は赤外線センサーでモニターして、乾くと自動給水します。
栽培容器内は湿度センサーでモニターして、湿度が高くなると換気ポンプが作動して湿度を下げます。
CCDカメラによって生育の様子を地上で観察します。
特に栄養生長期では葉や茎の成長の様子を、生殖生長期では花や莢(さや)の形成の様子をCCDカメラで観察した後、宇宙で収穫した種子や植物体を冷蔵で持ち帰って形態学的に調べます。
また一部の植物体はISSで薬剤処理して冷凍で持ち帰り、遺伝子レベルで解析します。
さらに、宇宙種子の発芽率やその後の成長の様子を観察します。
細胞壁についても、細胞壁の強度の分析や細胞壁構築にかかわる遺伝子の働きの様子を解析します。
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図3 植物実験ユニットの説明
日本の植物実験ユニットは自立した「宇宙の植物工場」。
照明は発光ダイオード。
ロックウールの水分量を水分センサーで監視していて、乾くと給水し、湿度センサーが装置内の湿度が高いと判断すると換気ポンプが作動します。
装置内にはCCDカメラがセットされておいて、生育の様子を地上から観察できます。
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