研究以外で、ずっと続けていらっしゃることなどはありますか。
「実は、学生時代はギターをやってたんですよ。
大学院に入ってからは、たまにポロンポロンと弾くぐらいで、勤めはじめてからはまったく弾かんようになってしまいました。
忙しすぎて、常に追い詰められているような感じでしたからね。
それが最近またやりたくなって始めたんですけど、これだけブランクが空くと、指使いとか、昔の勘を取り戻すだけでも一苦労でしたよ」
どんなギターを持っていらっしゃるんですか。
「以前は現代ギターをやってたんですが、今は19世紀ギターです。
現代ギターより一回り小さく、フラットの数も長さも違って、非常に弾きやすいんです。
音もぜんぜん違いますね。
現代ギターはモワ〜ンとしたこもったような音ですが、19世紀ギターはピアノのような、太鼓のような、澄み切ったとてもきれいな音色なんです。
一つ一つの音が明瞭に出せる、そんな作りになっているんですね」
毎日練習されているんですか。
「出張以外で家にいる時は毎日1時間くらいはやってますね。
もう3年ぐらい続けてますから、今ではかなり弾けるようになりました。
バッハとかモーツァルトとか、主にクラシックの曲です。
あとは映画『禁じられた遊び』のテーマ曲とか、日本のものでは『荒城の月』とか。
今いちばん弾きたいのは『アルハンブラ宮殿の思い出』なんです。
1年後には弾いてみせるわって家族に約束しています」
すごいですね。
実験が終わったら、Rad Silk終了記念ライブなんていかがですか。
「いやいや、とんでもない!
・・・でも、演奏会をやったら、ほんとに聴きにきてもらえます(笑)?
実は、定年の1年前からずっと思ってたんですよ。
『これでオレの務めは終わった!あとは宇宙実験とギター、これだけや!これだけに全身全霊をかけて取り組むんや!』ってね(笑)」
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