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国際宇宙ステーション(ISS)早期利用の一環として、2001年8月にNASDA(現JAXA)の実験装置である微小粒子捕獲実験および材料曝露実験(MPAC&SEED実験)装置、高精細度テレビジョン(HDTV)カメラ・システムがプログレス補給船でISSに運ばれました。
今回の宇宙実験では、最長4年にわたって宇宙空間における微小粒子の捕獲実験および宇宙用材料の曝露実験を実施しました。これは、これまでにわが国が実施してきた同種の実験と比べて長期間の実験であることが大きな特徴です。ズヴェズダ外壁にトレイ3式を船外活動により取り付け、それぞれ約1年から4年にわたり宇宙空間にさらした後、3回に分けて地上に回収しました。
ISS軌道に存在する微小粒子(スペースデブリ※、マイクロメテオロイド※など)の存在量、大きさ、組成、衝突エネルギーなどについて評価し、安全な宇宙活動に支障をきたす恐れのある微小粒子環境の把握、また、太陽系形成や進化の一層の理解に貢献するなど、宇宙環境モデルの最新化などに資するものです。
宇宙機の長寿命化、高信頼性化のために、宇宙機の曝露部に使用される様々な宇宙用材料の耐宇宙環境性の向上が重要になります。曝露実験では、各種の宇宙用材料(熱制御材料、固体潤滑剤など)を宇宙放射線、原子状酸素などの宇宙環境にさらし、それら材料の劣化状況、および宇宙機からのアウトガスや姿勢制御用ガスジェットのプルームなどの汚染物による汚染状況を評価し、今後の宇宙用機器などの開発に資するものです。
外形寸法 | 900(H)×570(W)×156(D)mm |
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打上げ重量 | 28.5kg |
回収重量 | 9kg |
主要構造材 | アルミニウム |
宇宙への曝露を始めてから、約1年、2年および4年経過後にそれぞれ実験試料を回収することで、最長4年間にわたる微小粒子の捕獲数変化、曝露材料の経年変化に関するデータを世界で初めて評価できました。また予想以上にISS自体が周りに影響を与えており(コンタミネーション)、特に原子状酸素、紫外線の影響がこれまで過小評価されていた可能性があることがわかりました。
更にMPACでは、これまでにない鉱物学的特徴を持つ新種の地球外物質(Hoshiと命名)を回収しました。Hoshiは惑星間塵(成層圏を飛行する特殊な飛行機で回収される地球外微粒子で、彗星と小惑星起源の塵があるとされる)や微隕石(主に南極の氷あるいは雪を融解濾過して回収される地球外微粒子で、多くは小惑星塵と考えられている)と成因的な関係があり、かつ、今までに発見されていない組織と鉱物組成を持っており、このような微小粒子を発見したのは、世界初です。
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