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「きぼう」での実験

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簡易曝露実験装置(ExHAM)で実施した実験のサンプル引渡しを行いました(実験開始後、初の回収サンプル引き渡し)

最終更新日:2016年9月20日

簡易曝露実験装置(ExHAM)で実施した第1回目の実験サンプルが、ドラゴン補給船運用9号機(SpX-9)で8月末に回収され、本日(9月20日)、代表研究者に引き渡されました。

軌道上での曝露期間は、2015年5月26日から2016年6月13日までの約1年間です(実験開始の様子はこちら)。

今回、ExHAMでの実験を開始してから、初の回収サンプルの引き渡しとなります。引き渡しサンプルは以下です。

有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集(たんぽぽ)
PI:東京薬科大学 山岸 明彦 先生
炭素質ナノ粒子の宇宙風化と星間有機物進化の実証研究(QCC)
PI:東京大学 左近 樹 先生

PI: Principal Investigator、代表研究者

【山岸明彦先生の一言コメント】
今日初めて現物を見ました。写真で見ていたものと同じですが、これから調べて行かないといけないので、いよいよという感じですね。
今後は、戻ってきた実験サンプルの中には色々な試料が入っており、その試料を日本中のたんぽぽミッションに協力してくれる様々な専門家に配って、それぞれの担当の分析をしていただくことになります。

山岸明彦先生(右)と渡辺英幸主任研究開発員

【左近 樹先生の一言コメント】
一年間のサンプル曝露は長かったようで短く、これから分析のスタートになるので非常に気が引き締まる思いです。
今回の試料の分析をして、今後どのような提案ができるか、一生懸命やっていきたいと思っています。現時点では感謝の気持ちでいっぱいです。

左近 樹先生(右)と渡辺英幸主任研究開発員

曝露前

 

曝露後

「きぼう」船内実験室で撮影された、たんぽぽ実験サンプル(出典:JAXA/NASA)


曝露前

 

曝露後

「きぼう」船内実験室で撮影された、QCC実験サンプル(出典:JAXA/NASA)

簡易曝露実験装置(ExHAM)

JAXAが開発した簡易曝露実験装置(ExHAM)は、「材料・部品の宇宙環境での耐久性評価」や「宇宙浮遊物の捕獲」などを目的に、「きぼう」船外実験プラットフォームの簡易利用を実現する装置です。

超小型衛星放出と同様に、「きぼう」のエアロックとロボットアームを生かして、船内と船外を容易に行き来できるExHAMにより、材料の長期曝露実験が身近になり、10件近くの実験が現在計画、実施されています。

簡易曝露実験装置(ExHAM)

今後の予定

今後は、研究者によって引き渡したサンプルの分析が行われます。

また、同時期に宇宙空間に曝したサンプルは、他にも4つの実験テーマがあり、10月中旬頃に日本に帰国する予定です。

  • PEEK及びPFA材料の宇宙環境曝露試験(PEEK)

  • 宇宙応用を目指した先端材料宇宙環境曝露実験(CNT)

  • 超低高度衛星技術試験機(SLATS)搭載材料劣化モニタ2(MDM2)

  • ターゲットマーカ代替品の宇宙実証(ArrayMark)

 
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